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  • 2015/09/11

月刊バイオインダストリー 2015年9月号

シーエムシー出版

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【特集】企業によるバイオマス系化成品の開発

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ポリイソシアネートSTABiO(R)(スタビオ(R))の開発と展開
Development and Apprication for New Polyisocyanate STABiO(R)

山崎聡 (三井化学(株))

 ポリイソシアネートは, ポリウレタンの物性を左右する重要な化学品である。これまでもいくつかのバイオイソシアネートが検討されてきたが, その実用的な物性を十分に満足することができなかった。本稿では, 市場ニーズに対応して, 当社が開発したバイオイソシアネート(STABiO(R)(スタビオ(R))PDI(R))およびそれを用いたポリウレタンへの展開について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 開発の背景およびコンセプト
3. STABiO(R)(スタビオ(R))PDI(R)および硬化剤の特徴
4. スタビオ(R)PDI(R)システムの用途
4.1 メガネレンズへの展開
4.2 ゲルへの展開
5. おわりに

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3D プリンター造形用材料:ポリ乳酸と高耐熱ポリアミド
Materials for the 3D Printer -Poly Lactic Acid and High Heat Resistant Polyamide-

川瀬至道 (ユニチカ(株))
迫部唯行 (ユニチカ(株))
上田一恵 (ユニチカ(株))

 ポリ乳酸は, Material Extrusion 方式の3Dプリンターに適した特性をもつ材料であるが, さらにシャープな造形結果を得るためには, フィラメントの製造工程において, 樹脂の純度, 結晶度合, 真円度などを適切に制御する必要がある。一方, バイオマスを原料とした高耐熱ポリアミド「XecoT」は, Additive Manufacturingが求める, 実際に使用できる造形物を作るための材料の一つとして有望である。

【目次】
1. はじめに
2. PLA
2.1 PLAの特徴
2.2 PLAの用途
2.3 Material Extrusion用材料としてのPLA
3. Material Extrusion用フィラメント
3.1 Material Extrusion方式の3Dプリンターと造形材料について
3.2 PLAのエナンチオマー
3.3 フィラメントの作製方法と真円性および結晶化
4. 今後の可能性と留意点
5. 材料の展開

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エーテル系部分バイオマスTPU「レザミンPB シリーズ」
Partical Biomass Thermoplastic Polyurethane“RESAMINE PB Series”

高橋伸 (大日精化工業(株))

 熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)は諸物性に優れ, 各種成形用材料として広く使用されている。当社では一部にバイオマス資源由来の原材料を使用したエーテル系部分バイオマスTPU「レザミンPBシリーズ」を開発, 上市した。従来のTPUと同等の性能で, バイオマス資源の活用により二酸化炭素の発生を抑制し, 化石資源枯渇抑制に寄与する。

【目次】
1. はじめに
2. 熱可塑性ポリウレタン(TPU)とは
2.1 TPUの構造
2.2 TPUの特徴
3. TPUの成形加工
3.1 乾燥条件
3.2 温度条件
4. エーテル系部分バイオマスTPU「レザミンPB」シリーズ
5. おわりに

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セルロースナノ微粒子「NanoAct TM」
Cellulose Nano Beads「 NanoAct TM」

土井雅憲 (旭化成せんい(株))

 天然セルロースは, 太古の昔から太陽がある限り決して枯渇することのない天然素材として近年注目を浴びている。旭化成せんい(株)では, その天然セルロースを原料にしてナノサイズのセルロース微粒子「NanoAct TM」の開発に成功した。本稿では, その特長と機能化, そして用途例について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 「NanoAct TM」の粒子径バリエーション
3. 「NanoAct TM」の特長
4. 化学修飾と機能化
5. 用途例
6. おわりに

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植物由来グリコールを原料としたバイオマス粉体塗料の開発
Development of Biomass Based Powder Paint using Glycol Derived from Renewable Soured Material

齊藤健太 ((株)岡村製作所)
賀来群雄 (デュポン(株))
前田保博 (日本ユピカ(株))
川村圭介 (日本ユピカ(株))

 化学製品のバイオマス原料化が多方面に広がりを見せているなか, その技術をいかに工業製品に取り込むかが重要である。本稿では(株)岡村製作所が製造しているスチール什器の被覆材として開発した「バイオマス塗料」について紹介する。バイオマス塗料は, 「デュポン(株)のBio-PDOTM(1,3-プロパンジオール)」を樹脂原料とした「日本ユピカ(株)の粉体塗料用樹脂BIOMUP(R) 910」を用いて設計されている。以下, 1節でBio-PDOTM, 2節でBIOMUP(R)910をそれぞれ紹介する。

【目次】
1. Bio-PDO TM(1,3-プロパンジオール)
1.1 Bio-PDO TMの製造
1.2 環境負荷の軽減
2. 粉体塗料用バイオマスポリエステル樹脂BIOMUP(R)910
3. おわりに

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BIO R&D
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蛍光セルフクエンチを用いたアモルファス凝集形成機構の解析
Analysis of Amorphous Protein Aggregation using Fluorescence Self-quenching

如澤浩樹 (東京農工大学)
座古保 (理化学研究所)
前田瑞夫 (理化学研究所)
千葉一裕 (東京農工大学)
黒田裕 (東京農工大学)

 本稿では, 蛍光強度変化によるタンパク質のアモルファスな凝集の測定法の開発を紹介する。まず, 蛍光色素で修飾したモデルタンパク質の試料に塩を添加することで「蛍光セルフクエンチ」が生じ, 蛍光強度が低下することを検証した。蛍光強度の変化と, 既存の静的光散乱(LS)および動的光散乱(DLS)で測定した凝集量および会合体の大きさ(会合数)の比較から, 蛍光セルフクエンチはタンパク質が互いに接近した「分子収縮状態」の増加を反映すると考えられた。最後に, 蛍光セルフクエンチで観測された「分子収縮状態」と凝集やアミロイド線維形成における「凝集核」の関係を論じる。

【目次】
1. はじめに
2. 蛍光セルフクエンチとタンパク質凝集の測定
3. 蛍光セルフクエンチによる凝集の観測
4. 蛍光セルフクエンチおよび凝集形成の経時変化
5. アモルファス凝集における凝集核形成機構の提唱およびその観測法
6. おわりに

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化学修飾技術を利用した乳酸菌模倣粒子による免疫賦活
Immunestimulating Activity of Lactobacilli-mimicking Microparticles modified withPolysaccharide-Peptidoglycan Complex derived from L. casei Shirota Strain

甲元一也 (甲南大学)
長濱宏治 (甲南大学)
松井淳 (甲南大学)

 腸管免疫を賦活する乳酸菌はプロバイオティクスとして注目を集めている。筆者らは, 乳酸菌L. casei Shirota株の多糖-ペプチドグリカン複合体(PS-PG)を化学修飾によりラテックスビーズ表面に導入した乳酸菌模倣ビーズを新たに合成した。本稿では, そのビーズの特性や免疫賦活性について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. LcS由来PS-PGのラテックスビーズ表面への導入
3. PS-PG導入ラテックスビーズの免疫賦活作用
4. おわりに

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キノコ由来新規化合物fomiroid AのNiemann-Pick C1-Like1( NPC1L1) 依存的なコレステロール取込み阻害作用
Inhibitory Action of Fomiroid A, A Novel Compound from the Mushroom, on Niemann-Pick C1-Like1(NPC1L1)-dependent Cholesterol Uptake

千場智尋 ((株)ファンケル)
河岸洋和 (静岡大学)
松尾道憲 (京都女子大学)
植田和光 (京都大学大学院)

 高コレステロール血症は, 脳梗塞や心筋梗塞などの発症に起因する動脈硬化症の危険因子の一つである。食事および胆汁由来コレステロールの小腸からの吸収を担うNPC1L1の機能阻害は, 高コレステロール血症改善のための一つの方法と考えられている。本稿では, キノコ由来新規化合物fomiroid AがNPC1L1との結合を介してコレステロール取込みを阻害することを報告する。

【目次】
1. はじめに
2. NPC1L1構造と機能
3. クロサルノコシカケ由来fomiroid Aの構造決定
4. Fomiroid Aのezetimibe 結合阻害活性
5. NPC1L1変異体に対するfomiroid Aのファーマコロジカルシャペロン活性
6. Fomiroid AによるNPC1L1の機能阻害
7. おわりに

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BIO BUSINESS
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化粧品分野におけるペプチド
Developement of Functional Peptide in Cosmetic Industry

山下裕司 (千葉科学大学)
坂本一民 (千葉科学大学)

【目次】
1. はじめに
2. 化粧品におけるペプチドの位置づけ
3. ペプチド原料の市場動向
4. 最近の機能性ペプチド原料開発
5. 化粧品原料としてのペプチドの新機能
6. おわりに