商品詳細

  • シーエムシー出版
  • ¥4,950
  • 30MB
  • 2020/03/12

月刊バイオインダストリー 2020年3月号

シーエムシー出版

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<著者一覧>
久保田博南 ケイ・アンド・ケイジャパン(株)
三木則尚 慶應義塾大学
竹井邦晴 大阪府立大学
鈴木博也 (株)テクノメディカ
前中一介 兵庫県立大学
太田裕貴 横浜国立大学
浅野康一郎 東京大学
南木 創 東京大学
南 豪 東京大学
成瀬 康 (国研)情報通信研究機構
池田四郎 (株)ガステック
井上賢紀 広島大学
山本屋 武 広島大学
浅野知一郎 広島大学


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【特集】ウェアラブル医療・ヘルスケア機器

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ヘルスケアを支える生体情報モニタリング
Health Care Supported by Vital Sign Monitoring

 ヘルスケアを目的とした健康機器の基礎技術は,医療のための生体情報モニタが基礎になっている。近年では,これにIT 関連技術が加わり,スマホで自分の健康状態をチェックできるようになってきた。測定項目には大きな変化が見られないが,日常の体調チェックが行えるような小型で持ち運び可能な機器に変貌しつつある。

【目次】
1 単能機器によるモニタリングの現況
1.1 スタートは歩数計から
1.2 体重計から体脂肪計へ
1.3 現在の代表格は脈波数モニタリング
1.4 ヘルスチェックのための心電図モニタなど
1.5 パルスオキシメータの役割増加
1.6 血圧モニタリングへの各社の競争
2 複合機器を含む市場開拓の動き
3 医療機器から一般ヘルスケア機器への移行動向

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インプラント人工透析システム
Implantable Dialysis System

 国内33 万人の透析患者は,週3 回の通院や週12 時間の急峻な治療,太い注射針による毎回の血管穿刺などQOL が決して高いとは言えない。我々は,患者の通院負担,ならびに血管穿刺回数を低減するなど患者QOL を劇的に向上するインプラント人工透析システムの研究開発を行っている。本稿ではこれまでの成果と,課題について紹介する。

【目次】
1 はじめに
2 インプラント人工透析システム
3 インプラント人工透析システムの界面技術
4 インプラント人工透析システムの実用化に向けて
5 インプラント人工透析システム研究開発における課題
6 おわりに

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皮膚表面から健康管理する貼付型フレキシブルセンサシート
Attachable Flexible Sensor Sheet for Healthcare from Skin Surface

 常時健康管理に向けた新たな取り組みの一つとして貼付型のフレキシブルセンサシートが注目を集めている。本項では,そのフレキシブルデバイスとして,活動量,心電図,皮膚温度,そして汗の化学物質を計測するセンサシートについて紹介する。また精度高く計測する方法についても簡単に議論する。

1 はじめに
2 多種物理センサを集積したフレキシブルセンサシート
2.1 印刷形成した3軸加速度センサ
2.2 ウェアラブル健康管理パッチ
2.3 その他フレキシブル物理センサ
3 汗成分計測用フレキシブル化学センサ
4 対象温度(皮膚温度)の高精度計測
5 結言

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検査分散・データ中央管理型診断機器
Central Management System for Clinical Data at In Vitro Diagnostic Devices

 ヘルスケアデバイス,ウェアラブルデバイスには,検査データをはじめとしたデバイス管理のためのデータ一元管理と運用が必要である。臨床検査領域の検査データ管理の在り方を起点としてヘルスケア,ウェアラブルデバイスのデータ管理について考察し,著者らが取り組んでいるヘルスケアデバイス,ウェアラブルデバイスへの通信機能の搭載とデータの一元管理について解説したい。

【目次】
1 はじめに
2 臨床検査分野のデータ管理トレンド
3 ヘルスケア分野のデータ管理システム
4 IoT機能搭載のPOCT機器の一例
5 ウェアラブルで用いられる検査装置について
6 最後に

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身体密着型生体活動モニタリングシステムの開発
Development of Adhesive Type Human Monitoring Systems

 身体に貼り付ける,あるいは密着させるタイプの生体モニタリングシステムについて述べる。このような形態のモニタリングシステムは,体躯の向きや動きを精度良く検出でき,また心電,筋電,脈波,血圧,(深部)体温など基本的バイタル量を計測しやすいという特徴を持ち,確度の高い見守りシステムに最適である。本稿では具体的なシステム例をいくつか示し,それらの内容を簡単に説明する。

【目次】
1 はじめに
2 生体活動モニタリングの形態
3 身体貼り付け型モニタリングシステム
3.1 絆創膏型実証モデル
3.2 柔軟センサとの組み合わせ
3.3 VitalgramII
3.4 Vitalgram CT
3.5 アクティブ筋電電極
4 おわりに

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周産期新生児医療のIoT 化に向けたウェアラブル黄疸計測デバイスの開発
Wearable Jaundice Device for Perinatal and Neonatal Medicine

 近年,様々な現場でIoT 化が進んでいる。重要な現場の一つに周産期新生児医療がある。本研究では,当研空室で開発中の新生児用ウェアラブル黄疸計に関して論ずる。新生児黄疸は新生児の80%以上で検出される現象であるとともに処置が遅れると重篤な後遺症につながる症例である。本論のデバイスは,その診断・治療とIoT 技術の懸け橋となるデバイスである。

【目次】
1 はじめに
2 新生児黄疸
3 新生児黄疸の検出方法
4 ウェアラブル黄疸計測デバイス

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有機トランジスタ型化学センサの開発動向
Recent Trends in Development of Organic Transistor-based Chemical Sensors

 有機電界効果トランジスタ(OFET)型化学センサは,分子認識情報の読み出しを可能とする有機デバイスの1 種である。本稿では,マイクロ流路と接合した延長ゲートOFET と,より高集積化を指向した電解質ゲートOFET を用いたそれぞれの化学センサによる標的種の検出例をもとに,人工レセプタを導入したOFET型化学センサのウェアラブルデバイスへの応用可能性について解説する。

【目次】
1 はじめに
2 マイクロ流体デバイスを接合した延長ゲート有機トランジスタ型化学センサの開発
3 電解質ゲート有機トランジスタ型化学センサによるヒスタミン検出
4 まとめ

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ウェアラブル脳波計の開発
Development of Wearable EEG System

 近年の脳波計測技術の進歩により,簡易に計測が可能なウェアラブル脳波計が実現されつつある。脳波計測を行うことでてんかんや認知症などの脳疾患の情報を得ることができる。現状では,長時間の装着が難しいなどの課題があるが,今後,よりよいウェアラブル脳波計が開発された場合,新たなるヘルスケアの創出につながると考えられる。

【目次】
1 はじめに
2 簡単に脳波計測が可能なウェアラブル脳波計の開発
2.1 一般的な脳波計測手法
2.2 導電性ジェルが不要で簡単に脳波が測れる技術の開発
2.3 ウェアラブル脳波計の為の小型脳波計とヘッドギアの開発
2.4 開発したウェアラブル脳波計の評価
2.5 日常での常時脳波計測を目指して
3 おわりに

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パッシブインジケータ法での皮膚アンモニア測定によるストレスの見える化
Visualization of Mental Stress by Measurement of Ammonia Emanated fromHuman Skin Using Passive Indicator

 気象などわたしたちを取り巻く環境や社会的価値観の変化に伴い,体臭がこれまでと異なるとらえられ方をするようになり注目を集めている。一方,からだから発せられるにおいをさまざまな化学物質の集合体ととらえ,生体から放たれる情報として活用しようとする研究分野もある。皮膚表面から放散される微量な化学成分(皮膚ガス)について,皮膚ガスとは何か? から,最新の研究により日進月歩で明らかになっている皮膚ガスの利用価値,また皮膚アンモニアを利用したストレス診断に向けた取り組みについて,実測例も含めて解説する。

【目次】
1 なぜいま皮膚ガスが注目されるか
2 皮膚ガス測定でわかる生体情報
2.1 皮膚ガスとは
2.2 皮膚ガス測定により得られる情報
3 皮膚アンモニアとストレス
3.1 ストレスと心拍変動
3.2 皮膚アンモニアの生成と放散
3.3 皮膚アンモニアの測定方法
4 簡易ストレス測定キット
4.1 パッシブインジケータ法および測色
4.2 ストレス検出用の測定キットの開発
5 おわりに 

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BIO R&D

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肥満から生活習慣病が生じるメカニズムの解明とその治療戦略
Mechanisms for the Treatment of Lifestyle-related Diseases fromObesity and Their Treatment Strategies

 高カロリーの食事や運動習慣の欠如によって生じる肥満は糖尿病や非アルコール性脂肪肝(NAFLD)などの様々な生活習慣病を引き起こす。本稿では,肥満によって生じる生活習慣病の発症メカニズムについて各臓器で生じる分子シグナリングの変化に着目して,その治療戦略とともに解説する。

【目次】
1 はじめに
2 肥満とインスリン抵抗性
3 各臓器で引き起こされる肥満による変化
3.1 肥満による腸管炎症
3.2 肥満による肝臓での炎症と脂肪蓄積
3.3 肥満による脂肪組織のリモデリング
3. 4 肥満による筋肉の変化
4 肥満と生活習慣病を克服する治療戦略

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