244 件
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月刊バイオインダストリー 2022年12月号
¥4,950
<著者一覧>
中川 凌 岡山大学
仁科勇太 岡山大学
池田 信 PHC㈱
高原佳史 PHC㈱
橋本直己 電気通信大学
西口昭広 (国研)物質・材料研究機構
田口哲志 (国研)物質・材料研究機構
櫨川 舞 福岡大学
八尾 滋 福岡大学
北田昇雄 電気通信大学
古川紗帆 岐阜大学
川口馨加 岐阜大学
溝口桃加 岐阜大学
竹森 洋 岐阜大学
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BIO ENERGY
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グラフェン3D電極を基板としたグルコースバイオ電池
【目次】
1 はじめに
2 3Dグラフェンの作製法とバイオ燃料電池への適用
3 グルコースバイオ燃料電池の電極への3Dグラフェンの適用
3.1 化学気相蒸着(CVD)法による作製
3.2 電気泳動堆積法(EPD法)による作製
3.3 減圧濾過による自立膜の作製
3.4 水熱ゲル化法
4 まとめ
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BIO REVIEW
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血糖自己測定用グルコースセンサ-商品化を実現した技術開発-
【目次】
1 糖尿病と血糖自己測定
2 SMBGシステムの概要,使用方法
3 技術開発
3.1 センサ構造
3.2 電極形成
3.3 反応試薬
4 性能評価
5 最後に
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直接触れて体感できる動的プロジェクションマッピング
Dynamic Projection Mapping That Can be Experienced by Directly Touching Targets
本稿では,投影対象に直接触れて操作可能な動的プロジェクションマッピングを実現するための手法について述べる。動的プロジェクションマッピングにおける課題を示したのち,これらを市販されているプロジェクタやカメラを用いて解決する現実的な手法を示す。そして,実際に対象を手で把持した状態での映像投影結果を示す。
1 はじめに
2 技術的な取り組みと課題
3 輪郭に基づいた頑健な位置姿勢推定
4 正確な映像投影のための遅延補償技術
5 触れる動的プロジェクションマッピング
6 おわりに
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術後合併症を予防するホットメルト組織接着剤開発
Development of Hotmelt Tissue Adhesives to Prevent Postoperative Complications
組織接着剤は,創部をゲル層で被覆し保護する医療材料であり,術後合併症の予防や低侵襲治療の発展を支えている。本稿では,術後合併症の予防に向けた医療用組織接着剤の材料設計について解説し,当グループで行っているホットメルト組織接着剤の開発に関して紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 組織接着剤の開発
3 ホットメルト組織接着剤
4 おわりに
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再生医療への応用を目指した生体適合素材で作製する細胞支持フィルムの開発
Development of Cell Support Film Using Biocompatible Materials for Regenerative Medicine
再生医療の発展には,その基盤を支える細胞シート作製技術の加速化が重要である。我々は,細胞シート作製後に薄く破れやすい細胞シートをシートの形状を維持したまま培養皿から運搬するためのフィルム開発に取り組み,運搬だけでなく多層化技術への応用と新規薬物デバイスとしての可能性を見出したのでその成果を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 細胞シート作製技術に関するこれまでの取り組み
3 市販技術としての細胞支持体と課題
4 生体適合フィルムの性能について
4.1 細胞シートに対する吸着性
4.2 接触角
4.3 加水分解速度
5 多層化について
6 その他の細胞シート培養技術関連の研究の動向について
7 おわりに
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生物発光システムを用いた新規発光イメージング技術の開発
Development of Bioluminescence In Vivo Imaging Systems
ホタルやオワンクラゲなどの発光生物が示す発光は非常に高効率で有用な発光システムであることが知られており,様々な分野に応用されてきた。その中でも,生きている生物の生体内を観察することのできる,発光イメージング技術としての応用は,ライフサイエンス分野の発展に欠かすことが出来ない。本稿では生物発光システムが実際にどのようにイメージング技術として応用されているか解説する。
【目次】
1 はじめに
2 生物発光
3 生物発光イメージング
4 生物発光イメージング材料
5 おわりに
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生物種を超えた細胞外小胞(EV)の定量方法
Methods for Quantifying Extracellular Vesicles(EVs)Beyond Species
細胞外小胞(extracellular vesicle:EV)は,様々な生物種の細胞から分泌される微細小胞で,真核生物のエクソソームは新たな細胞外情報伝達物質として注目されている。哺乳類ではEVの表面タンパク質に対する抗体等を利用した定量法が開発されているが,その他の生物種では簡便な定量法は利用できない。我々は,EVの特徴である脂質膜を利用し,ゲル濾過による粒子径評価と組み合わせることで,微生物のEVも評価可能とした。
【目次】
1 はじめに
2 エクソソーム・EVの精製概要
3 粒子径を利用したエクソソーム・EVの精製
4 脂質染色剤を利用したゲル濾過法によるエクソソーム・EVの検出
5 タンパク質染色剤を利用したゲル濾過法によるエクソソーム・EVの検出
6 エクソソーム・EVの粒子径検証
7 エクソソーム・EVの細胞内追跡
8 おわりに
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BIO PRODUCTS
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ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ナトリウム)(Sodium hyaluronate)
キチン・キトサン(Chitin/Chitosan)
グアヤコール(Guaiacol)
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高熱伝導樹脂の設計・開発《普及版》
¥3,520
2016年刊「高熱伝導樹脂の設計・開発」の普及版。高分子の熱伝導現象、熱伝導率の測定方法、高分子そのものの高熱伝導化、応用分野での放熱設計等について解説した1冊。
(監修:伊藤雄三)
<a href="http://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=9279"target=”_blank”>この本の紙版「高熱伝導樹脂の設計・開発(普及版)」の販売ページはこちら(別サイトが開きます)</a>
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2016年当時のものを使用しております。
伊藤雄三 工学院大学
上利泰幸 (地独)大阪市立工業研究所
池内賢朗 アドバンス理工㈱
鴇崎晋也 三菱電機㈱
原田美由紀 関西大学
長谷川匡俊 東邦大学
上谷幸治郎 立教大学
大山秀子 立教大学
田中慎吾 ㈱日立製作所
北條房郎 ㈱日立製作所
竹澤由高 日立化成㈱
武藤兼紀 古河電子㈱
橋詰良樹 東洋アルミニウム㈱
中村将志 神島化学工業㈱
坂本健尚 神島化学工業㈱
冨永雄一 産業技術総合研究所
堀田裕司 産業技術総合研究所
内田哲也 岡山大学
正鋳夕哉 ユニチカ㈱
横井敦史 豊橋技術科学大学
小田進也 豊橋技術科学大学
武藤浩行 豊橋技術科学大学
林蓮貞 ㈱KRI
林裕之 ㈱KRI
阿多誠介 産業技術総合研究所
福森健三 ㈱豊田中央研究所
近藤徹 阿波製紙㈱
藤田哲也 ㈱ジィーサス
門田健次 デンカ㈱
安田丈夫 東芝ライテック㈱
蒲倉貴耶 東芝ライテック㈱
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<<目次>>
【第Ⅰ編 熱伝導理論と熱分析法】
第1章 高分子材料の熱伝導現象の基礎
1 緒言
2 熱伝導の基礎
2. 1 熱伝導率の定義(Fourierの法則)
2. 1. 1 1次元
2. 1. 2 3次元
2. 2 熱伝導率と物質定数との関係(Debyeの式)
2. 3 電子による熱伝導とフォノンによる熱伝導
2. 3. 1 電子による熱伝導
2. 3. 2 ヴィーデマン―フランツの法則(Wiedemann-Franz law)
2. 3. 3 様々な物質の熱伝導率
2. 4 熱伝導率を決める因子,定圧体積比熱,フォノンの速度,平均自由行程
2. 5 平均自由行程を決める因子,静的散乱と動的散乱
2. 5. 1 フォノンの静的散乱
2. 5. 2 フォノンの動的散乱
2. 6 Boltzmann の輸送方程式によるフォノンフォノン散乱を考慮した熱伝導率の定量的解析
3 高分子の熱伝導
3. 1 高分子の熱伝導の特徴
3. 2 高分子の高次構造と熱伝導率
3. 2. 1 結晶性と熱伝導率
3. 2. 2 分子配向と熱伝導率
4 高熱伝導高分子
4. 1 高分子の高熱伝導化のメカニズム
4. 1. 1 絶縁性と高熱伝導の両立
4. 1. 2 高分子の熱伝導率の理論限界―ポリエチレン結晶の熱伝導率の理論解析―
第2章 高分子材料の高熱伝導化技術と最近のトレンド
1 高放熱性高分子材料への期待
2 高分子自身の高熱伝導化
3 高分子材料の複合化による熱伝導率の向上
3. 1 複合材料の熱伝導率に与える影響因子とそれを踏まえた高熱伝導化方法
3. 2 従来から行われている改善方法
3. 2. 1 ファイバー状および板状の充填材の使用
3. 2. 2 充填材の粒度分布の工夫
3. 2. 3 充填材の連続体形成量の増大
3. 3 最近開発された改善方法
3. 3. 1 充填材の連続体形成量をさらに増大するために充填材を連続相に
3. 3. 2 充填材の接触面を増大し,完全な連続相に
3. 3. 3 ダブルパーコレーションの利用
3. 3. 4 多種の粒子の利用
3. 3. 5 複合液晶性高分子材料の熱伝導率
3. 3. 6 カーボン系フィラーの利用
4 応用分野と将来性
第3章 熱伝導率・熱拡散率測定装置の使用法と応用事例
1 はじめに
2 バルク材料の測定方法
2. 1 各測定方法の説明
2. 2 測定事例
3 基板上の薄膜材料の測定方法
4 おわりに
第4章 高分子材料の熱伝導率の分子シミュレーション技術
1 はじめに
2 各種材料の熱伝導性
3 結晶のデバイ理論
4 熱伝導率の分子シミュレーション技術
5 解析事例
6 おわりに
【第Ⅱ編 高分子の高熱伝導化】
第1章 エポキシ樹脂の異方配向制御による高熱伝導化
1 はじめに
2 メソゲン骨格エポキシ樹脂の特徴と局所配列構造を持つエポキシ樹脂の熱伝導性
3 巨視的な異方配列構造を持つエポキシ樹脂の熱伝導性
4 低融点型液晶性エポキシ樹脂の熱伝導性
5 配列構造形成を利用した高熱伝導コンポジットの調製
第2章 ベンゾオキサゾール基含有サーモトロピック液晶性ポリマー
1 電気絶縁性・高熱伝導性樹脂材料の必要性
2 ポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維の熱伝導性と放熱フィルムへの適用の可能性
3 ベンゾオキサゾール(BO)基を含む高分子系
3. 1 長鎖アルキレン基含有PBO
3. 2 BO基をペンダントしたポリメタクリレート(側鎖型PBO)
3. 3 BO基含有ジアミンとビスエポキシドの熱硬化物
4 液晶性エポキシ樹脂に残された問題と課題
第3章 断熱材から伝熱材へ ?ナノセルロースの挑戦?
1 はじめに
2 ナノセルロースと紙
3 セルロースの伝熱特性
4 ナノセルロースの調製
5 NCシートと繊維構造
6 NCシートの熱伝導特性
7 NCシートを骨格とする透明熱伝導フィルム
8 おわりに
【第Ⅲ編 フィラーの高熱伝導化】
第1章 高熱伝導性と高耐水性を両立するAlNフィラー皮膜の設計
1 はじめに
2 AlN表面へのα-Al2O3皮膜層の形成
3 AlN表面へのα-Al2O3/有機ハイブリッド皮膜層の形成
4 ハイブリッド皮膜AlNフィラーの熱伝導率の予測
5 おわりに
第2章 高熱伝導AlNフィラーFAN-fシリーズ
1 はじめに
2 古河電子フィラーについて
2. 1 FAN-fシリーズ
2. 2 製法概略
2. 3 各グレード概略
2. 3. 1 FAN-f80-A1(以下f80)
2. 3. 2 FAN-f30-A1(以下f30)
2. 3. 3 FAN-f50-A1(以下f50)
2. 3. 4 FAN-f05-A1(以下f05)
3 AlN の課題
3. 1 耐水性
3. 2 古河電子での水和対策
3. 3 表面処理
4 古河電子でのフィラー用途開発取組み
5 おわりに
第3章 Al/AlN フィラー(TOYAL TecFillerR)
1 TOYAL TecFiller?について
2 アルミニウムフィラー
2. 1 金属の熱伝導
2. 2 アルミニウム熱伝導フィラー
2. 3 TOYAL TecFiller TFHシリーズ
3 窒化アルミニウムフィラー
3. 1 窒化アルミニウムの熱伝導
3. 2 窒化アルミニウムの製造方法
3. 3 窒化アルミニウム熱伝導フィラー
3. 4 TOYAL TecFiller TFZ シリーズ
第4章 熱伝導フィラー用マグネシウム化合物
1 はじめに
2 熱伝導フィラー用酸化マグネシウム
2. 1 酸化マグネシウムの一般特性
2. 2 耐水性・耐酸性の改善
2. 3 応用特性例
3 熱伝導フィラー用無水炭酸マグネシウムについて
3. 1 炭酸マグネシウムの一般特性
3. 2 合成マグネサイト
3. 3 応用特性例
4 最後に
第5章 高熱伝導性コンポジット用h-BN剥離フィラー
1 はじめに
2 低充填量でのコンポジットの高熱伝導化を可能とするフィラーの形状
3 機械的プロセスを利用した高アスペクト比のh-BN剥離フィラーの開発
4 剥離h-BNフィラーがおよぼすコンポジットの熱伝導率,機械特性および成形性への影響
5 おわりに
第6章 単層カーボンナノチューブの凝集構造制御と複合体への応用
1 はじめに
2 SWNTナノフィラー
3 SWNTナノフィラーを用いたPVAとの複合体フィルムの作製とその構造評価
4 複合体フィルムの物性評価
4. 1 力学物性
4. 2 熱物性
5 延伸フィルムの物性評価
5. 1 力学物性
5. 2 熱物性
6 延伸複合体フィルム中のSWNTナノフィラーの配向
7 まとめ
【第Ⅳ編 コンポジット材料の高熱伝導化】
第1章 高放熱ナイロン6樹脂
1 はじめに
2 高熱伝導率フィラー
3 高放熱ナイロン6樹脂の概要
3. 1 高放熱ナイロン6樹脂の特性
3. 2 高放熱ナイロン6樹脂の成形加工性
3. 3 耐衝撃グレードの開発
4 高放熱ナイロン6樹脂の放熱性
4. 1 ヒートシンクでの放熱性評価
4. 2 金属との一体成形
5 採用事例
6 おわりに
第2章 高熱伝導高分子複合材料設計のための微構造制御
1 はじめに
2 複合粒子作製と微構造設計
2. 1 複合粒子作製
2. 2 微構造設計
2. 3 静電吸着複合法の利点
3 複合材料の設計指針
3. 1 h-BN-PMMA複合粒子設計
3. 2 h-BN-PMMA複合材料の作製
3. 3 パーコレーション構造および配向構造
4 おわりに
第3章 セルロースナノファイバー/h-BN複合絶縁性放熱材
1 はじめに
2 CNFの製造およびその特性について
3 表面エステル化修飾CNFの一段階調製法について
4 アセチル化修飾CNFをマトリックスとした複合化放熱材
4. 1 複合化放熱材のマトリックスとするCNFのメリット
4. 2 Acetyl-CNFをマトリックスとした複合化放熱材の作製と評価
5 おわりに
第4章 単層カーボンナノチューブの複合化によるゴムの熱伝導性向上
1 緒言
2 CNTを用いた柔らく熱伝導性の高い材料開発
2. 1 CNTの熱伝導率
2. 2 CNT/CFハイブリッド材料
2. 3 熱伝導材料としてのCNTの分散処理
3 まとめ
第5章 CNT分散構造制御による絶縁樹脂の高熱伝導化技術
1 はじめに
2 樹脂の高熱伝導化技術
2. 1 従来手法-無機系熱伝導性フィラーの配合-
2. 2 新規手法-マトリックス樹脂の高熱伝導化-
2. 2. 1 樹脂の分子構造制御技術-液晶性分子骨格の導入-
2. 2. 2 高熱伝導性と高絶縁性を両立する新規CNT分散構造モデルと材料創製
2. 2. 3 CNT分散構造制御PPS系複合体の熱伝導性と絶縁性
2. 2. 4 新規手法の応用
3 おわりに
第6章 CARMIX熱拡散シート
1 はじめに
2 「CARMIX熱拡散シート」各グレードの特徴
2. 1 グレードと基本物性
2. 2 各グレードの特長
2. 3 構造
2. 4 表面加工
2. 5 性能比較
2. 5. 1 ヒーターを用いた放熱テスト
2. 5. 2 ヒートシンクとして比較
3 まとめと今後の展開
【第Ⅴ編 応用別放熱設計】
第1章 パワーエレクトロニクス機器の放熱設計と樹脂材料
1 パワーエレクトロニクス機器とその動向
1. 1 パワーエレクトロニクスの課題
2 製品の熱設計の考え方と放熱部材としての樹脂
2. 1 製品の熱設計の考え方
2. 2 熱設計の原理
2. 2. 1 消費電力(発熱量)の把握
2. 2. 2 目標熱抵抗の算出
2. 2. 3 エレクトロニクス製品の熱回路
2. 3 樹脂材料に求められる絶縁性と熱伝導の両立性
3 パワーエレクトロニクス装置の熱設計例とその課題
3. 1 太陽光発電システムとその熱設計例
3. 2 パワーコンディショナーの構成
3. 3 熱設計の例
3. 4 実装構造上の課題
3. 5 製品設計に必要な高熱伝導性材料の性能と樹脂の可能性
第2章 次世代自動車のパワーモジュールにおける放熱設計と求められる樹脂材料
1 はじめに
2 HEV/PHEVに用いられるインバータ
3 インバータの放熱設計
4 求められる樹脂材料
5 おわりに
第3章 LED照明の放熱設計と求められる樹脂材料
1 白色LED照明と放熱技術
2 LED照明に用いられる樹脂材料
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生体ガス計測と高感度ガスセンシング《普及版》
¥4,290
2017年刊「生体ガス計測と高感度ガスセンシング」の普及版。呼気ならびに皮膚ガスによる疾病・代謝診断および、生体ガス計測のための高感度ガスセンシング技術について解説した1冊!
(監修:三林浩二)
<a href="http://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=9417"target=”_blank”>この本の紙版「生体ガス計測と高感度ガスセンシング(普及版)」の販売ページはこちら(別サイトが開きます)</a>
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2017年当時のものを使用しております。
三林浩二 東京医科歯科大学
奥村直也 中部大学
下内章人 中部大学
近藤孝晴 中部大学
財津崇 東京医科歯科大学
川口陽子 東京医科歯科大学
宮下正夫 日本医科大学千葉北総病院
山田真吏奈 日本医科大学千葉北総病院
佐藤悠二 ㈱セント.シュガージャパン
木村那智 ソレイユ千種クリニック
魚住隆行 ㈱HIROTSUバイオサイエンス
広津崇亮 九州大学
梶山美明 順天堂大学
三浦芳樹 順天堂大学
藤村務 東北医科薬科大学
樋田豊明 愛知県がんセンター中央病院
高野浩一 大塚製薬㈱
品田佳世子 東京医科歯科大学
藤澤隆夫 三重病院
荒川貴博 東京医科歯科大学
當麻浩司 東京医科歯科大学
大桑哲男 名古屋工業大学
光野秀文 東京大学
櫻井健志 東京大学
神崎亮平 東京大学
都甲潔 九州大学
野崎裕二 東京工業大学
中本高道 東京工業大学
今村岳 物質・材料研究機構
柴弘太 物質・材料研究機構
吉川元起 物質・材料研究機構
林健司 九州大学
菅原徹 大阪大学
菅沼克昭 大阪大学
鈴木健吾 新コスモス電機㈱
山田祐樹 ㈱NTTドコモ
檜山聡 ㈱NTTドコモ
李丞祐 北九州市立大学
花井陽介 パナソニック㈱
沖明男 パナソニック㈱
下野健 パナソニック㈱
岡弘章 パナソニック㈱
壷井修 ㈱富士通研究所
西澤美幸 ㈱タニタ
佐野あゆみ ㈱タニタ
佐藤等 ㈱タニタ
池田四郎 ㈱ガステック
石井均 ㈲アルコシステム
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<<目次>>
【第I編 呼気ならびに皮膚ガスによる疾病・代謝診断】
第1章 生体ガスによる疾病診断及びスクリーニングと今後の可能性
1 疾病・代謝由来ガスの酵素触媒機能に基づく高感度計測
1.1 はじめに
1.2 薬物代謝酵素を用いた生化学式ガスセンサ(バイオスニファ)
1.2.1 魚臭症候群(遺伝疾患)の発症関連酵素を用いたトリメチルアミン用バイオスニファ
1.2.2 口臭成分メチルメルカプタン用の光ファイバー型バイオスニファ
1.3 脂質代謝・糖尿病のためのバイオスニファ
1.3.1 酵素の逆反応を用いたアセトンガス用バイオスニファ
1.3.2 イソプロパノール用バイオスニファ
1.4 アルコール代謝の呼気計測による評価
1.4.1 エタノールガス用バイオスニファ
1.4.2 アセトアルデヒドガス用バイオスニファ
1.4.3 飲酒後の呼気中エタノール&アセトアルデヒド計測
1.5 酵素触媒機能を用いた多様な生化学式ガスセンサ
1.5.1 加齢臭ノネナールのバイオセンシング
1.5.2 酵素阻害のメカニズムを利用したニコチンセンサ
1.5.3 酵素によるガス計測の特徴を生かした「デジタル無臭透かし」
1.6 おわりに
2 呼気分析の臨床的背景,呼気診断法の現状と課題
2.1 はじめに
2.2 呼気診断の歴史
2.3 呼気成分の由来
2.4 腸内発酵に伴う呼気水素
2.5 アセトンと脂質代謝
2.6 呼気アセトンと心不全
2.7 呼気採取法と保管法
2.8 随時呼気採取による呼気低分子化合物の検討
2.9 おわりに
3 口気・呼気診断による口臭治療
3.1 はじめに
3.2 口臭の主な原因物質とその生成機序
3.3 口臭測定法
3.3.1 口臭測定条件
3.3.2 口気と呼気の官能検査
3.3.3 測定機器による口臭検査
3.4 口臭症の国際分類
3.4.1 真性口臭症
3.4.2 仮性口臭症
3.4.3 口臭恐怖症
3.5 診断と治療のガイドライン
3.5.1 真性口臭症の診断と治療
3.5.2 仮性口臭症の診断と治療
3.5.3 口臭恐怖症の診断と治療
3.6 おわりに
4 がん探知犬
4.1 はじめに
4.2 がん探知犬に関する報告
4.3 研究方法と成果
4.4 がんが発するにおい物質
4.5 がん探知犬研究の将来
5 糖尿病アラート犬
5.1 糖尿病アラート犬とは
5.2 糖尿病アラーと犬の育成方法
5.3 糖尿病アラート犬の現状と問題点
5.4 糖尿病アラート犬の低血糖探知能力に関する検証
5.5 低血糖探知の科学的裏付け
5.6 CGMとの比較
5.7 CGMの時代における糖尿病アラート犬の意義
5.8 日本における糖尿病アラート犬の育成
5.9 揮発性有機化合物の低血糖モニタリングへの応用
6 線虫嗅覚を利用したがん検査
6.1 はじめに
6.2 がん検査の現状
6.3 がんには特有の匂いがある
6.4 嗅覚の優れた線虫
6.5 線虫はがんの匂いを識別する
6.6 線虫嗅覚を利用したがん検査N-NOSE
6.7 N-NOSE の精度
6.8 生物診断N-NOSE の特徴
6.9 今後の展望
第2章 呼気・皮膚ガスによる疾病・代謝診断
1 食道がん患者の呼気に含まれる特定物質
1.1 はじめに
1.2 研究の目的
1.3 研究の方法
1.3.1 呼気の収集と吸着
1.3.2 ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメトリー(GC/MS)
1.4 結果
1.5 考察
2 呼気肺がん検査
2.1 はじめに
2.2 呼気検査について
2.2.1 健常者の呼気
2.2.2 肺がん患者と健常者での呼気の違い
2.2.3 肺がんの呼気分析
2.2.4 呼気成分解析システムによる肺がん検出の試み
2.2.5 呼気からの遺伝子異常推定の試み
2.2.6 呼気凝縮液を用いた肺がんの遺伝子異常の検出
2.3 おわりに
3 ピロリ菌の測定:尿素呼気試験法
3.1 はじめに
3.2 H. pyloriの特徴
3.3 診断と治療
3.4 13C 尿素呼気試験法
3.5 測定原理
3.6 POCone の動作原理
3.7 測定原理
3.8 POCone(R)の現状
4 呼気中アセトンガスの計測意義
4.1 はじめに
4.2 呼気中にアセトンガスが生じるしくみ
4.3 病気ではなく,生活上の原因
4.3.1 過度なダイエット,糖質制限,飢餓状態
4.3.2 激しい運動
4.4 病気および代謝異常による原因
4.4.1 糖尿病
4.4.2 糖尿病性ケトアシドーシス
4.4.3 高脂肪質食症,肝機能障害・肝硬変,高ケトン血症をきたす疾患・症状など
4.4.4 子供の周期性嘔吐症・自家中毒・アセトン血性嘔吐症
4.5 呼気中アセトンガスの計測意義と測定について
5 呼気診断による喘息管理
5.1 はじめに
5.2 喘息の病態と呼気診断
5.3 一酸化窒素:NO
5.3.1 NO産生のメカニズム
5.3.2 呼気NOの測定方法
5.3.3 喘息の診断における呼気NO測定
5.3.4 喘息治療管理における呼気NO測定
5.4 硫化水素:H2S
5.5 一酸化炭素:CO
5.6 おわりに
6 呼気アセトン用バイオスニファ(ガスセンサ)による脂質代謝評価
6.1 はじめに
6.2 アセトンガス用の光ファイバ型バイオスニファ
6.2.1 光ファイバ型バイオスニファの作製
6.2.2 アセトンガス用バイオスニファの特性評価
6.3 運動負荷における呼気中アセトン濃度の計測
6.3.1 バイオスニファを用いた運動負荷における呼気中アセトン濃度の計測方法
6.3.2 運動負荷に伴う呼気中アセトン濃度の経時変化
6.4 まとめと今後の展望
7 皮膚一酸化窒素の計測
7.1 はじめに
7.2 一酸化窒素(NO)の生理的機能
7.2.1 血管拡張のメカニズム
7.3 NO 測定方法
7.3.1 皮膚ガスの特徴
7.4 ヒトの皮膚ガス採取方法
7.5 ラットの皮膚ガス採取方法
7.6 糖尿病・肥満と皮膚ガスNO 濃度
7.7 運動・低酸素環境と皮膚ガスNO 濃度
7.8 おわりに
【第II編 生体ガス計測のための高感度ガスセンシング技術】
第1章 計測技術の開発
1 昆虫の嗅覚受容体を活用した高感度匂いセンシング技術
1.1 はじめに
1.2 昆虫の嗅覚受容体の特徴
1.3 「匂いセンサ細胞」によるセンシング技術
1.3.1 性フェロモン受容体を用いた「匂いセンサ細胞」の原理検証
1.3.2 一般臭検出素子の開発
1.3.3 細胞パターニングによる匂い識別技術
1.4 「匂いセンサ昆虫」によるセンシング技術
1.5 おわりに
2 抗原抗体反応やAI を用いたガスセンシング
2.1 はじめに
2.2 超高感度匂いセンサ
2.3 AI を用いた匂いセンサ
2.4 展望
3 呼気・皮膚ガスのための可視化計測システム(探嗅カメラ)
3.1 はじめに
3.2 酵素を利用した生体ガスの高感度センシング
3.3 生体ガス中エタノール用の可視化計測システム「探嗅カメラ」
3.3.1 エタノールガス用探嗅カメラ
3.3.2 呼気・皮膚ガス中エタノールの可視化計測とアルコール代謝能の評価応用
3.4 おわりに
4 機械学習を用いた匂い印象の予測
4.1 はじめに
4.2 匂いの印象予測の原理
4.3 計算機実験の準備
4.4 深層ニューラルネットワークによる匂い印象予測
4.5 オートエンコーダによる次元圧縮
4.6 予測モデルの訓練
4.7 次元圧縮手法の比較
4.8 ニューラルネットワークの印象予測精度
4.9 研究の今後の展望
5 超小型・高感度センサ素子MSS を用いた嗅覚センサシステムの総合的研究開発
5.1 はじめに
5.2 膜型表面応力センサ(MSS)
5.3 MSS を用いた呼気診断
5.4 感応膜の開発
5.5 ニオイの評価法
5.6 おわりに
6 匂いの可視化システム
6.1 はじめに
6.2 匂いの可視化センシング
6.2.1 匂いの質の可視化:匂いコードセンサと匂いクラスタマップ
6.2.2 生体由来の匂いと匂い型に基づく人の識別
6.3 匂いの可視化とイメージセンシング
6.3.1 匂いイメージセンサ
6.3.2 匂い可視化例
6.4 匂いセンサのハイパー化
6.5 おわりに
7 ヘルスケアを目的とした揮発性有機化合物(VOC)を検出するナノ構造のガスセンサ素子
7.1 はじめに
7.2 酸化モリブデンとナノ構造の基板成長
7.3 ガスセンサ素子の作製とセンサ特性
7.4 まとめ
8 口臭測定器 ブレストロンII-高感度VSC センサによる呼気中VSC 検出機構と活用事例-
8.1 はじめに
8.2 口臭測定器に要求される性能
8.3 ブレストロンIIの検出メカニズム
8.4 高感度VSC センサの構造と検出原理
8.5 高感度VSC センサの感度特性
8.6 ブレストロンIIを用いた性能評価(測定条件の影響)
8.7 ガスクロによる計測結果との相関
8.8 使用上の注意点
8.9 ブレストロンの活用事例
9 生体ガス計測におけるドコモの取り組み
9.1 はじめに
9.2 呼気計測装置の開発とセルフ健康検査への応用
9.3 皮膚ガス計測装置の開発と健康管理への応用
9.4 おわりに
10 呼気中アンモニアの即時検知を目指した水晶振動子ガスセンサシステムの開発
10.1 はじめに
10.2 水晶発振子の原理および検知膜の製膜過程の追跡
10.3 湿度およびアンモニアに対する応答特性の評価
10.4 呼気中のアンモニアガス検知
10.5 おわりに
第2章 メーカーによる研究開発の動向
1 肺がん診断装置の開発
1.1 はじめに
1.2 肺がんバイオマーカーとその測定技術
1.2.1 肺がんバイオマーカー
1.2.2 揮発性肺がんバイオマーカー
1.2.3 揮発性肺がんマーカーの測定技術
1.3 呼気肺がん診断システムの開発
1.3.1 呼気濃縮技術の開発
1.3.2 呼気診断センサチップの開発
1.3.3 呼気診断センサチップ測定装置の開発
1.4 おわりに
2 アンモニア成分の測定技術と携帯型呼気センサーの開発
2.1 はじめに
2.2 呼気分析に高まる期待
2.3 新しいアンモニア検知材料CuBr
2.4 高感度・高選択なセンサーデバイス
2.5 手軽で迅速な呼気センサーシステム
2.6 呼気中アンモニア濃度のサンプリング測定
2.7 ガス選択性と呼気分析の新たな応用
2.8 おわりに
3 脂肪燃焼評価装置
3.1 はじめに
3.2 直接熱量測定による消費エネルギー評価
3.3 これまで研究されてきた「脂肪燃焼評価法」
3.4 呼気アセトン濃度分析による脂肪燃焼評価法
3.5 脂肪燃焼評価における今後の展望
3.6 おわりに
4 見えない疲労の見える化 ~パッシブインジケータ法を用いた皮膚ガス測定~
4.1 働き方と疲労
4.2 パッシブインジケータの開発
4.2.1 パッシブインジケータ
4.2.2 皮膚ガスとは
4.2.3 皮膚アンモニア
4.2.4 皮膚アンモニアの測定法
4.3 パッシブインジケータの仕組み
4.3.1 構造
4.3.2 比色認識の原理
4.3.3 使い方
4.4 アプリケーション例
4.4.1 製造業における現場作業者とデスクワーカー(日内変動)
4.4.2 介護施設における介護職従業員(週内変動)
4.4.3 公立中学校における教員(週内変動)
4.5 今後の展望
5 生体ガス分析用質量分析装置
5.1 はじめに
5.2 生体ガス分析用質量分析装置
5.2.1 装置の概要と原理
5.2.2 生体ガス濃度分析における質量分析計の利点
5.3 ガス気量(換気量)の計測
5.4 生体ガス分析におけるガス濃度の意味と留意点
5.5 生体ガス気量(換気量)の表示法
5.6 酸素消費量や二酸化炭素排出量などのガス出納量の算出法
5.7 ガス分析と気量計測とのラグタイム補正
5.8 ガスサンプリングの手法
5.8.1 マルチサンプリング
5.8.2 膜透過サンプリング
5.9 生体ガス分析の応用例
5.9.1 人の呼気ガス分析
5.9.2 微生物・細胞培養排ガス分析
5.9.3 動物の呼気ガス分析
5.9.4 13CO2/12CO2 安定同位体ガス分析
-
月刊機能材料2023年5月号(電子版)
¥4,070
【特集】自動運転社会に向けた車載ミリ波レーダ技術
★先進運転支援システム(ADAS)の機能が車両に搭載されるようになり,ミリ波レーダーは車両の周囲の状況を認知する上で大きく貢献しております。本特集では,自動運転社会の実現において重要な技術のひとつであるミリ波レーダーにまつわる研究開発動向について紹介しております。
<著者一覧>
磯村孝人 ポリプラスチックス(株)
高尾和希 豊田合成(株)
鈴木洋介 キーコム(株)
時枝幸伸 JRCモビリティ(株)
星将広 JRCモビリティ(株)
赤池幸紀 (国研)産業技術総合研究所
細貝拓也 (国研)産業技術総合研究所
小野裕太郎 筑波大学
鶴田諒平 筑波大学
山田洋一 筑波大学
渡辺義見 名古屋工業大学
湯浅友暉 名古屋工業大学
佐藤尚 名古屋工業大学
大久保智 (地独)東京都立産業技術研究センター
藤巻研吾 (地独)東京都立産業技術研究センター
塚本眞幸 名古屋大学
若林知紀 名古屋大学
尾山公一 名古屋大学
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【特集】自動運転社会に向けた車載ミリ波レーダ技術
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レーダー部品に求められる特性とジュラネックス ®
Characteristics Required for Radar Parts, and Introduce of DURANEX®
ミリ波レーダーのエンプラ部品には,「アンテナ基板を保護し車両と締結されるケース」,「アンテナ基板を保護し電波を透過させるレドーム」,「誤検知抑制のための電磁波吸収部品(Absorber)」がある。これらの部品の要求特性について述べ,「長期信頼性」,「レーザー溶着性」,「電磁波吸収性」のそれぞれに優れたジュラネックス®PBTを紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 ポリブチレンテレフタレート(PBT)
3 ミリ波レーダーのエンプラ部品と必要特性
3.1 ケース
3.2 レドーム
3.3 電磁波吸収部品(Absorber)
4 おわりに
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ミリ波レーダー対応ガーニッシュ開発のこれまでと今後の方向性
Development and Future Direction of Garnish for Millimeter-Wave Radar
近年,道路交通法の改定により自動運転を解禁する動きが加速しており,各OEMともに自動運転化を見据え,自動車の安全性を高めるための予防安全システムを普及させようとしており,予防安全システム市場は今後も拡大していくと予想される。本稿では予防安全システムの1つであるミリ波レーダーに対応したガーニッシュの開発事例と今後の動向を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 製品の概要
3 これまでのニーズ
4 製品の特徴
4.1 ミリ波透過性への対応
4.2 広角検知への対応
4.3 低コスト化への対応
4.4 寒冷地への対応
5 BEV・自動運転化に伴うミリ波透過製品開発の方向性
6 おわりに
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自動車用ミリ波レーダーを支える表面処理技術
Surface Finishing Technology for Improving a Radar Performance on Automobile
ミリ波レーダーのアンテナ前面にはミリ波レーダーを保護するがミリ波は通すレドームがある。このレドームの前には多くの場合,自動車のマークの入ったエンブレムやカバーがあり,それらもミリ波を通し,しかもミリ波を曲げたり拡散したりしてはいけない。一方,例えばエンブレムの後ろのレーダーを囲む材料はエンブレムからの反射波を吸収した方が好ましい。これらに用いる表面処理技術とその評価方法について述べる。
【目次】
1 レドームやカバーの最適厚さ,反射防止膜の設計法およびその評価法
1.1 最適厚さ
1.2 反射防止膜の最適化
1.3 評価法
2 エンブレムの構造と評価法
2.1 電波が透過する金属皮膜
2.2 電波透過性の試験
3 レーダーを囲む材料の電波吸収とその評価法
3.1 試作シートの複素誘電率測定
3.2 電波吸収率の測定
4 別な電波吸収法とその測定法
5 撥水処理法
6 親水化処理法
7 まとめ
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ミリ波レーダによる速度情報に着目した物標識別
Target Classification Based on Velocity Information Acquired by Millimeter-Wave Radar
自動運転の実現において,車両,構造物,人物の物標識別は歩行者保護の観点で重要な機能である。昨今,ディープラーニングによる人工知能技術が飛躍的に進歩していることから,カメラ画像を用いた物標識別の研究開発が活発に進んでいる。多くの画素から構成される画像による物標識別に膨大な演算を要することに対し,レーダの検出情報を利用すると小規模の人工知能(AI)で物標識別を実現することが可能である。本稿では,ミリ波レーダによる速度情報を利用した物標識別について報告する。
【目次】
1 はじめに
2 ミリ波レーダによる物標識別
2.1 レーダ検知処理
2.1.1 速度検出原理
2.1.2 速度検出処理
2.2 物標識別処理
2.2.1 歩行者の速度成分
2.2.2 人工知能による識別
3 評価結果
3.1 特徴量の有効性
3.2 屋外識別実験
4 まとめ
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[Material Report-R&Dー]
極性植物分子を用いた仕事関数制御
Controlling Work Function by Utilizing a Polar Phytochemical
有機デバイスの持続可能な普及には,廃棄環境負荷を考慮したデバイス作りが欠かせない。本研究では,コーヒーなどの植物に普遍的に存在するカフェ酸を電極上に選択的に配向させることで,様々な電極の仕事関数を0.5eV程度増加できることを見出した。カフェ酸修飾電極を用いると,有機半導体に流れる電流密度が大幅に増加し,バイオ材料の可能性を実証した。
【目次】
1 研究の背景
2 電極修飾層への応用
3 仕事関数の増加と分子配向
4 電流密度増加の検証
5 まとめ
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ヘテロ凝固理論に基づく積層造形用ステンレス鋼粉末の開発
Development of Stainless Steel Powder for Additive Manufacturing
Based on Heterogeneous Nucleation Theory
ヘテロ凝固理論を積層造形に応用すれば,結晶粒の微細化,凝固の均一化および欠陥発生の抑制が期待され,造形性の向上が見込まれる。さらに,積層造形における繰り返し加熱による結晶粒の粗大化も,ヘテロ凝固核粒子のピン止めにより阻止できる。本稿では,SrOヘテロ凝固核粒子を添加したSUS316Lステンレス鋼粉末の積層造形について解説する。
【目次】
1 はじめに
2 ヘテロ凝固核の探索
3 粉末の作製と評価
4 ヘテロ凝固核粒子を添加した積層造形
5 ヘテロ凝固核粒子のピン止め効果
6 おわりに
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ビスマレイミドへの炭素求核剤のマイケル付加反応によって生成するポリイミド
Polyimides Formed by the Michael Addition Reaction of Carbon Nucleophiles to Bismaleimides
ビスマレイミド系樹脂は,繊維強化複合材料のマトリックス樹脂などとして産業界で重要な役割を担っている。この基盤となっているのは,電子受容体としてのビスマレイミドが織りなす多彩な反応である。マレイミド部の二重結合は,ジアミンとのマイケル付加反応,アリル化合物とのエン反応,ジエンとのディールス・アルダー反応などに関与する。本稿では,アルコキシベンゼンを二つ持つ求核剤のビスマレイミドへのマイケル付加反応によって生成する新規なポリイミドについて紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 マイケル付加反応によるポリイミドの合成
3 ポリイミド7aの構造決定
4 ポリイミドの物性
5 まとめ
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[Market Data]
難燃剤の概要と市場動向
【目次】
1 難燃剤の概要
1.1 難燃剤のメカニズム
1.2 難燃剤の種類
1.3 有機難燃剤
1.3.1 ハロゲン系難燃剤
1.3.2 リン系難燃剤
1.3.3 窒素系難燃剤
1.4 無機系難燃剤
1.4.1 水酸化アルミニウム
1.4.2 水酸化マグネシウム
1.4.3 三酸化アンチモン/アンチモン化合物
1.4.4 スズ酸亜鉛
1.4.5 ホウ酸亜鉛/ホウ酸化合物
1.4.6 その他フィラー系難燃剤
2 難燃剤の市場動向
2.1 ハロゲン系難燃剤
2.1.1 臭素系難燃剤
2.1.2 塩素系難燃剤
2.2 リン系難燃剤
2.3 窒素系難燃剤
2.4 無機系難燃剤
3 主要難燃剤の適用樹脂
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[Material Profile]
ブロモベンゼン -
自動車用プラスチック新材料の開発と展望 (普及版)
¥4,950
2011年刊「自動車用プラスチック新材料の開発と展望」の普及版!自動車の軽量化において、高品質を誇る日本の自動車部品・材料のプラスチック化の話題とパーツごとの独自の進化を解説!!
(編集:シーエムシー出版 編集部)
<a href="https://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=5235"target=”_blank”>この本の紙版「自動車用プラスチック新材料の開発と展望 (普及版)」の販売ページを見る(別サイトへ移動)</a>
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2011年当時のものを使用しております。
倉内紀雄 倉内技術経営ラボ
箱谷昌宏 ジャパンコンポジット(株)
岡本正巳 豊田工業大学
北野彰彦 東レ(株)
藤田祐二 三菱化学(株)
新井雅之 日本ポリプロ(株)
菅原 誠 SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社
伊東禎治 ダイセル・エボニック(株)
帆高寿昌 帝人化成(株)
柳井康一 日本ゼオン(株)
常岡和記 三菱自動車工業(株)
寺澤 勇 三菱自動車工業(株)
白石信夫 (株)白石バイオマス
松坂康弘 三井化学(株)
太田 実 フドー(株)
小山剛司 フドー(株)
井上 隆 山形大学
堺 大 クオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン(株)
金澤 聡 日本ポリエチレン(株)
林七歩才 (株)クラレ
藤田容史 ポリプラスチックス(株)
吉村信宏 東洋紡績(株) 総合研究所
澤田克己 ダイセル・エボニック(株)
出口浩則 出光興産(株) 機能材料部
岡田明彦 出光興産(株) 機能材料部
広野正樹 三菱エンジニアリングプラスチックス(株)
芹澤 肇 ポリプラスチックス(株)
加藤清雄 旭化成ケミカルズ(株)
松田孝昭 旭化成ケミカルズ(株)
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<<目次>>
第1章 自動車樹脂部品の動向と将来展望
1 自動車樹脂化の流れ
2 次世代自動車の動向
3 次世代自動車と高分子材料
4 新素材・新技術の例
4.1 次世代自動車を支える軽元素
4.2 重要なナノテクノロジーの例
5 まとめ
第2章 ボディー
1 外装・外板
1.1 低密度クラスA-SMC
1.1.1 はじめに
1.1.2 低密度クラスA-SMCの開発動向
1.1.3 低密度クラスA-SMCによる軽量化効果
1.1.4 低密度クラスA-SMCの適用例
1.1.5 おわりに
1.2 ナノコンポジット材料
1.2.1 はじめに
1.2.2 ナノコンポジットの種類とナノフィラー
1.2.3 用途分野
1.2.4 新規な3次元ナノ多孔体
1.2.5 展望
1.3 炭素繊維複合材料の自動車ボディへの適用
1.3.1 はじめに
1.3.2 海外の適用状況
1.3.3 国内の適用状況
1.3.4 まとめと今後の展望
1.4 バンパー材としてのPPの技術開発
1.4.1 はじめに
1.4.2 PPの特徴
1.4.3 PPバンパーの歴史
1.4.4 PPバンパー材開発のための要素技術
1.4.5 おわりに
1.5 フェンダー用樹脂材料の開発―Noryl GTX樹脂―
1.5.1 はじめに
1.5.2 フェンダーの樹脂化とメリット
1.5.3 フェンダー用樹脂材料と要求性能
1.5.4 Noryl GTX 樹脂と特徴
1.5.5 フェンダー樹脂化の課題と対応
1.5.6 樹脂フェンダーの今後
1.5.7 おわりに
1.6 ポリメタクリルイミド(PMI)硬質発泡材 ロハセルの自動車への展開
1.6.1 はじめに
1.6.2 ロハセルとは
1.6.3 ロハセルの特長
1.6.4 サンドイッチ構造におけるロハセル
1.6.5 ロハセルの加工方法
1.6.6 ロハセルの性能vsコスト
1.6.7 ロハセルの自動車向け用途例
1.6.8 おわりに
2 窓
2.1 ポリカーボネート樹脂製の自動車窓
2.1.1 樹脂グレージングを支える新素材技術
2.1.2 樹脂グレージングを支える新加工技術
2.1.3 実用化技術例(J-X3αテクノロジーによる窓とボディの一体化成形技術)
2.1.4 今後の展望
3 内装
3.1 インストルメントパネル表皮用パウダースラッシュ材料
3.1.1 はじめに
3.1.2 インストルメントパネルの基本構造
3.1.3 インストルメントパネル表皮の成形方法
3.1.4 パウダースラッシュ材料
3.1.5 おわりに
3.2 液状化木材フェノール樹脂成形品
3.2.1 液状化木材フェノール樹脂の概要
3.2.2 成形材料の製造工程
3.2.3 自動車用カップ型灰皿の要求性能
3.2.4 成形材料の性能
3.2.5 今後の課題
3.2.6 まとめ
3.3 植物由来ポリウレタン
3.3.1 はじめに
3.3.2 植物素材の選定
3.3.3 植物由来ポリウレタン
3.3.4 まとめ
3.4 バイオマスフェノールコンパウンド
3.4.1 はじめに
3.4.2 バイオマスフェノール樹脂
3.4.3 バイオマスフェノールコンパウンド
3.4.4 今後の展開
4 構造部品
4.1 耐衝撃性・耐熱老化性PLAアロイ
4.1.1 はじめに
4.1.2 PLAのゴム補強
4.1.3 結晶性プラスチックとのアロイ化による靭性向上
4.1.4 耐衝撃性・耐熱老化性PLAアロイ
4.1.5 靭性発現機構
5 アンダーボデーシールド
5.1 GMTコンポジット材料の展開
5.1.1 はじめに
5.1.2 GMTの特徴と用途事例
5.1.3 GMTex?の特徴と用途事例
5.1.4 SymaLITE?とその用途事例
5.1.5 アンダーボデーシールド材としてのGMT
5.1.6 一般乗用系車種のアンダーボデーシールドに求められるニーズ
5.1.7 これからの自動車設計において
第3章 燃料システム
1 燃料タンク
1.1 HDPE樹脂
1.1.1 ポリエチレン燃料タンク
1.1.2 ポリエチレン燃料タンクのメリット
1.1.3 ポリエチレン燃料タンクの多層化
1.1.4 多層ポリエチレン燃料タンクの層構成と使用材料
1.1.5 多層ポリエチレン燃料タンク用材料
1.1.6 溶着部品用材料
1.1.7 アドブルー(尿素水)タンク用材料
1.1.8 今後の展望
1.2 EVOH系燃料タンクとバイオ燃料への対応
1.2.1 はじめに
1.2.2 EVOH樹脂
1.2.3 EVOH系燃料タンク
1.2.4 おわりに
2 燃料系部品
2.1 POM樹脂(フューエルポンプモジュール)
2.1.1 はじめに
2.1.2 燃料系部品の校正
2.1.3 燃料系部品における樹脂材料
2.1.4 フューエルポンプモジュール
2.1.5 バイオ燃料への対応
2.1.6 おわりに
第4章 機構部品
1 エンジン系部品
1.1 ポリアミド樹脂
1.1.1 はじめに
1.1.2 自動車部品に採用されている樹脂とポリアミド樹脂の位置づけ
1.1.3 具体的な開発例
1.1.4 おわりに
2 駆動系部品
2.1 PEEK樹脂
2.1.1 はじめに
2.1.2 PEEKの歴史,需給動向
2.1.3 ベスタキープの商品群と主な特長
2.1.4 各産業分野におけるベスタキープ(自動車分野以外)
2.1.5 自動車分野
2.1.6 各種加工法におけるベスタキープ
2.1.7 べスタキープの技術開発動向について
2.1.8 おわりに
2.2 炭素繊維複合材料のプロペラシャフトへの適用
2.2.1 国内の適用状況
2.2.2 CFRP製プロペラシャフトの特長
第5章 電装部品・ランプ
1 電装部品
1.1 SPS樹脂のHV車への応用
1.1.1 はじめに
1.1.2 SPSとは
1.1.3 SPSの特徴
1.1.4 HV車分野への応用展開
1.1.5 おわりに
1.2 ジアリルフタレート樹脂成形材料
1.2.1 ジアリルフタレート樹脂とは
1.2.2 プレポリマーの製造と特徴
1.2.3 ジアリルフタレート樹脂成形材料(ダポール)の特徴と用途
2 ランプ
2.1 ヘッドランプレンズ(PC樹脂)
2.1.1 ポリカーボネート樹脂(PC)製ヘッドランプの特徴とPC化のメリット
2.1.2 ヘッドランプに要求される性能
2.1.3 ハードコート技術と塗膜性能
2.1.4 ヘッドランプグレード「ユーピロンMLシリーズ」
2.1.5 ヘッドランプ周辺技術
2.1.6 今後の材料系の課題
2.2 COC樹脂
2.2.1 はじめに
2.2.2 COCの特長
2.2.3 期待される用途
2.2.4 まとめ
第6章 タイヤ―省燃費タイヤトレッド用変性S-SBRの開発動向―
1 まえがき
2 環境との調和と省燃費性
3 タイヤの転がり抵抗の低減
4 転がり抵抗とブレーキ性能の制御と評価技術
5 S-SBRのポリマーデザイン
6 今後の材料開発の動向
第7章 自動車用プラスチックの開発状況―主要樹脂別使用実態と開発の方向・話題―
1 PE樹脂
2 PP樹脂
3 ABS樹脂
4 PMMA樹脂
5 PC樹脂
6 PBT樹脂
7 ポリアミド樹脂
8 ポリアセタール(POM)樹脂
9 PPS樹脂
10 LCP樹脂
11 PEEK樹脂
12 PPE樹脂
13 バイオマスプラスチック
14 ポリアミド(バイオポリアミド)
15 次世代自動車(HEV,EV)向けプラスチック
16 ポリアミド(バイオポリアミド)
17 次世代自動車(HEV,EV)向けプラスチック -
月刊バイオインダストリー 2021年1月号
¥4,950
<著者一覧>
矢澤一良 早稲田大学
孫 輔卿 東京大学
飯島勝矢 東京大学
葛谷雅文 名古屋大学
鈴木隆雄 桜美林大学
大澤俊彦 愛知学院大学
長竹貴広 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
國澤 純 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
山口浩平 東京医科歯科大学
戸原 玄 東京医科歯科大学
香川靖雄 女子栄養大学
功刀 浩 帝京大学
田中友規 東京大学
安藤 進 IMS グループ クローバーのさと
大渕修一 (地独)東京都健康長寿医療センター研究所
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【特集】抗フレイルと予防医学
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抗フレイルと予防医学~特集にあたって~
Anti-Frail for Preventive Medicine
1 はじめに
2 ロコモティブシンドロームからフレイルへ
3 ロコモ,フレイル対策としての運動系・抗疲労系機能性食品素材の有効活性
4 抗疲労系機能性食品と「筋肉・脳相関」
5 おわりに
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フレイル対策の実践
Combined Practces for Frailty Prevention
フレイルは健康状態と要介護状態の中間的な段階であり,可逆性があるため,適切なタイミングでの予防・対策により健康な状態に戻れる概念である。フレイル予防・介入には,「運動」「栄養・口腔」,「社会参加」の3 本柱が重要とされている。そのなか,「運動」と「栄養・口腔」は身体的フレイルの予防・介入の中核となる。加齢による骨格筋量の減少や食欲不振による慢性的な低栄養は相互に影響し,さらに悪循環となり,心身機能の低下を加速させることからもサルコペニアと低栄養に対する予防・介入はフレイル予防対策の大きな部分を占めている。現在,フレイルの予防・介入策は確立されているとは言い難いが,アジア太平洋のフレイル管理の診療ガイドラインでは,フレイル管理の原則として,「フレイルはサルコペニアと重複する。そのため管理の原則は両者間で同一になりうる」と述べられている。日本サルコペニア・フレイル学会の「サルコペニア診断ガイドライン2017 年版」においても,栄養と運動がサルコペニアの発症を予防・抑制できるかについて,強く推奨すると示している(表)。
実際,フレイル高齢者における運動や栄養の介入効果については多数報告されている。「運動」や「栄養」単独の効果だけではなく,組み合わせによる増大効果(augment effect)に関してもランダム化介入試験などによる検討が行われ,効果検証されるようになってきた。このような動向からも,フレイルの予防・介入策は「運動」,「栄養・口腔」,「社会参加」をどのように組み合わせて,相乗効果をもたらすか,また続けられる組み合わせはなにかが重要になっている。最近の知見をあげながら,その組み合わせの例を紹介する。
【目次】
1 運動:種類の組み合わせ効果
2 栄養:運動や口腔との組み合わせ効果
3 ウイズ・ポストコロナ社会における「社会参加」の創意工夫
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フレイル,サルコペニア,ロコモティブシンドロームの概念
The Concept of Frailty, Sarcopenia, and Locomotive Syndrome
フレイル,サルコペニア,ロコモティブシンドロームは昨今健康寿命延伸との関連性で良く聞かれるタームである。ただ,それぞれの正確な定義,診断法などは意外と周知されていない。本章ではそれぞれの概念,診断,相違点,地域高齢者の有病(症)率などについて言及する。
【目次】
1 はじめに
2 フレイルの概念
3 サルコペニア
4 ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
5 フレイル,サルコペニア,ロコモティブシンドロームとの相互関係
6 さいごに
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フレイルと認知症
Frailty & Dementia
わが国の超高齢社会における高齢者の健康の大きな課題となっているフレイルと認知症について両者の概念,疫学的データを述べた。特に認知的フレイルの特徴や,認知症の前段階とも考えられる軽度認知障害(MCI)における認知症予防対策に関する科学的根拠の構築状況についても実験例を中心として紹介した。
【目次】
1 フレイルと予防対策
2 認知的フレイルについて
3 認知症予防としての軽度認知障害の重要性
4 BDNFと脳機能
5 わが国の地域在宅高齢者を対象としたBDNFに関する研究の紹介
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フレイルとフリーラジカル障害
Frailty and Free Radical Damage
高齢期では加齢に伴ない「フリーラジカル・活性酸素」の過剰な産生が「酸化ストレス障害」を生じ,「フレイル」の大きな原因となっている。本稿では,「酸化ストレス障害」のメカニズムを概説し,「植物エクオール」や「アスタキサンチン」,「レモンフラボノイド」などの「抗酸化物質」による「フレイル」予防の可能性を紹介する。
【目次】
1 「フレイル」と「サルコペニア」
2 「酸化ストレス障害」はなぜ生じるか?
3 「フレイル」の予防における「酸化ストレス障害バイオマーカー」の開発への期待
4 「フレイル」予防における「抗酸化物質」への期待
5 抗酸化評価系のヒト臨床への応用
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加齢による免疫フレイル・炎症・脂質代謝
Frailty in Immune System:Ageing, Inflammation and Lipid Metabolism
加齢は感染症への罹患や重症化のリスク因子であり,その背景には免疫老化や炎症制御機構の破綻が考えられる。本項では,免疫老化におけるT 細胞の質的変容や,胸腺や二次リンパ組織の構造変化,ワクチン応答の差,また筆者らが最近見出した抗炎症性脂質代謝物に関する知見を交えて最近の話題を提供する。
【目次】
1 はじめに
2 加齢による胸腺の退縮とT細胞の変容
3 加齢による二次リンパ組織の変容とワクチン応答の減弱
4 炎症制御における脂質代謝の重要性
5 ω3脂肪酸代謝物による新たな炎症制御機構
6 おわりに
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口から始める,フレイル予防
Frail Measures Starting From the Oral Cavity
オーラルフレイルは,口腔機能の軽微な低下から心身の機能低下に至るまでの一連の現象および過程を指す。フレイルは健常と障害の中間に位置するため,適切な介入による予防効果は高い。口腔・嚥下機能向上には,口腔だけでなく,身体へのアプローチも重要である。フレイル対策には,口腔・嚥下,運動,栄養などが一体化したプログラムの構築が必須であり,同時に対象者を適切に動機付けすることも重要である。
【目次】
1 オーラルフレイルとは?
2 オーラルフレイル理解の第一歩,口腔機能って何??
2.1 口腔乾燥
2.2 口腔衛生環境
2.3 舌圧
2.4 咬合力
2.5 咀嚼能力
2.6 嚥下機能
3 オーラルフレイルの勘所 口腔と全身の関連について
4 オーラルフレイルを広げるために~高齢者のニーズを捉える~
5 まとめ ~オーラルフレイルからの抗フレイル~
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抗フレイルのための栄養学
Nutrition to Prevent Frail
フレイル予防の基本は全ての栄養素を揃える食品多様性である。特にサルコペニアを予防する蛋白質摂取量は1.2~1.5 g/ 体重kg/ 日を3 食に等しく分け,消化能と同化能の低下に半消化態蛋白質,ロイシン,HMB 等を使う。さらに炎症性老化を防ぐ食事炎症指数の低い食事とし,老化で拡大する個人差の原因である遺伝子多型に対応した食事が望ましい。
【目次】
1 フレイル検診
2 心身活動と食事多様性で予防
3 低栄養とサルコペニアの予防
3.1 三大栄養素の最適な割合
4 フレイル予防のビタミン・ミネラル
5 炎症性老化を防ぐ食事
6 フレイルからの回復運動
7 遺伝子対応抗老化栄養
8 おわりに
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フレイルと老年期の精神疾患:うつ病,認知症との関連を中心に
Frailty and Elderly Psychiatric Disorders:Focus on Depression and Neurocognitive Disorders
フレイルと関連する精神疾患として,老年期うつ病や認知症との関連がよく検討されている。うつ病はフレイルの危険性を高め,フレイルはうつ病の危険性を高める。認知症も同様であり,特に歩行速度の低下や筋力低下は認知症発症のリスクとなる。これらの3 病態は互いに関連しており,老年期の健康維持において極めて重要な要因となる。日常的な運動習慣は,これらの病態の予防に重要である。
【目次】
1 はじめに
2 うつ病とフレイル
3 認知機能障害とフレイル
4 抗フレイル対策
5 おわりに
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社会的フレイル
Social Frailty
フレイルの社会的側面(社会的フレイル)は,外出・生活範囲,社会的ネットワーク(人とのつながり),社会的サポート,社会的脆弱な状況(一般・医療資源へのアクセス,経済的困窮など)が絡み合うため,慎重に見極め,介入する必要がある。社会的フレイル対策は貧困対策や生活支援は全体に講じつつも,社会参加や人とのつながりの醸成には性差を加味することが留意点である。
【目次】
1 フレイルとは?
2 社会的フレイルとは?
3 社会的フレイル対策はなぜ必要か?
4 社会的フレイルに性差はあるのか?
5 社会的フレイル対策「人とのつながり」の重要性
6 さいごに
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後期高齢期に要介護にならないために
To Avoid The Requirement of Nursing Care in Late Old Age
後期高齢期に入ると健康上の不具合が多くなる。平均寿命に対して健康でいられる期間はおよそ10 年短いといわれる。介護保険の世話にならないためには第1 に認知症にならないことである。認知症予防を目指す臨床試験の現状を述べる。第2に高齢者は感染症に罹りやすい問題である。免疫力の低下に帰せられるが,特に感染阻止の自然免疫力を高める重要性を述べる。
【目次】
1 はじめに
2 認知症を回避する試み
2.1 中枢神経系の老化─シナプス老化から説明
2.2 中枢神経機能の改善─シナプス機能の改善から
2.3 高次脳機能を向上させる─脳可塑性の賦活によって
2.4 認知症のリスク要因─疫学研究からわかってきたこと
2.5 認知症予防─臨床試験の現状から
3 免疫系の賦活
3.1 免疫系の老化─高齢者の易感染性の理由
3.2 免疫力を高める方法─自然免疫力を高めるのがベターか
3.3 ビタミンD(VD)による感染症流行の抑え込み─有望な臨床効果
4 おわりに
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フレイルと高齢者スポーツ
Sports Participation Preventing Frailty Among Old Persons
超高齢社会に於いては,疾病の予防にくわえて加齢に伴う心身機能,並びに社会機能の低下を予防していく必要がある。この加齢に伴う心身機能や社会機能の低下のうち可逆的なものを日本老年医学会はフレイルと定義した。要介護状態となる原因は疾病よりフレイルが多い。高齢期の生活の質を高めるためにもフレイル予防が大切となる。
本稿では,このフレイル予防に有効と考えられる介入をレビューし,これらの要素を持つスポーツについて論じたい。
【目次】
1 はじめに
2 介入
3 スポーツ
3.1 運動機能低下
3.2 認知機能低下
3.3 口腔機能低下
4 おわりに
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月刊機能材料2024年2月号(電子版)
¥4,620
【特集】フレキシブルデバイスおよび構成部材の研究開発動向
★フレキシブルデバイスは,ディスプレイやバッテリー,生体応答のモニタリングなどに応用されています。名前の通り柔軟性を有することを特徴としており,そこに用いられる部材は可撓性や伸縮性に優れていることが求められています。本特集では,フレキシブルデバイスの構成部品(素材)およびデバイスの開発に関する動向について紹介しております。
<著者一覧>
野本淳一 (国研)産業技術総合研究所
西川博昭 近畿大学
松田貴文 富士化学(株)
太田裕貴 横浜国立大学
荒木徹平 大阪大学
植村隆文 大阪大学
関谷毅 大阪大学
熊谷翔平 東京工業大学
渡邉峻一郎 東京大学
竹谷純一 東京大学
竹下覚 (国研) 産業技術総合研究所
小野巧 (国研) 産業技術総合研究所
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【特集】フレキシブルデバイスおよび構成部材の研究開発動向
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近赤外帯域で高透明なフレキシブル高伝導フィルムの開発
Development of Flexible Transparent Conductive Films with High-Conductivity and High-Transparency in the Near-Infrared Range
高温熱処理により結晶化することで高電子移動度の特徴が発現する酸化インジウムを耐熱性の低いフレキシブル樹脂シート上に形成できる技術を開発した。得られたキャリア移動度は 133 cm2/Vsであり,フレキシブルシート上では世界最高値である。高移動度のため,電子密度を制御することで従来品よりも高い導電性を維持した状態で,可視域から近赤外域へと透明領域を拡張することが出来た。その優れた特性から,近赤外線を利用する電子デバイスの高性能化,軽量化,フレキシブル化,に大きく貢献できる。
【目次】
1 はじめに
2 前駆体薄膜および結晶化薄膜の特性に対する気相成膜技術の影響
3 光照射によるフレキシブルシート上透明導電膜の固相結晶化
4 おわりに
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機能性酸化物の単結晶薄膜をポリマー基板上に形成したフレキシブル複合材料の開発
Development of Flexible Composite Materials by Fabricating Single Crystalline Thin Films of Functional Oxides on Polymer Substrates
強誘電体・圧電体や強磁性体など,優れた機能性を示す酸化物材料とフレキシブルなポリマー基板を組み合わせたフレキシブル複合材料の開発を進めている。機能性酸化物は異方性が顕著なために単結晶薄膜での応用が望ましい。そこで,MgO基板上に作製した機能性酸化物の単結晶薄膜をポリマー基板に転写するプロセスの確立を検討した。
【目次】
1 はじめに
2 機能性酸化物の単結晶薄膜
3 機能性酸化物の単結晶薄膜を基板から「剥がす」プロセス
4 転写した薄膜の損傷を抑制するPt保護層の形成
5 おわりに
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カーボンナノチューブ(CNT)の分散技術開発とフレキシブル電極への応用
Development of Carbon Nanotube Dispersion Technology and Its Applications for Flexible Electrode
カーボンナノチューブ(CNT)は高い導電性を有しており次世代の電極材料として期待されている。均一で低抵抗のCNT電極を実現するため,無機材料による CNT分散技術を開発してきた。この無機系CNT分散液を用いて作製したCNT膜の電気・機械特性とフレキシブルデバイス用の電極への適用の可能性を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 CNT分散技術の開発
3 CNT導電膜の特性
4 CNT電極のフレキシブルデバイスへの応用
5 おわりに
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液体金属による伸縮ガス・湿度バリアフィルムを用いた伸縮リチウムイオンバッテリーの実現
Stretchable Lithium Ion Battery Using Stretchable Gas/Humidity Barrier Film with Liquid Metal
近年,低融点金属に注目が集まっている。特に,ガリウム系の液体金属は,水銀などと異なり生体適合性が高いことから,この材料を用いた様々なアプリケーションが提案されている。本論では,それら応用の中でも,今後の超柔軟デバイスへの適応が期待されているストレッチャブルバッテリーのガスバリアフィルムに関する加工と特徴に関して論ずる。
【目次】
1 液体金属概要
2 液体金属を用いたガス・湿度バリアフィルムの概要
3 液体金属を用いたガス・湿度バリアフィルムの特性
3.1 材料特性
3.2 ガス透過測定
3.3 高変形性電池の特徴
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柔軟・透明な導電性材料の開発と生体信号計測センサシートへの応用
Development of Stretchable and Transparent Conductors and Their Applications toward Biometric Sensor Sheets
近年,生体信号用のウェアラブルデバイスが開発されつつある。しかし,身体の個体差による電極の浮きや装着圧による痛みなどの課題があった。著者らは,ゴムのように伸縮する生体電極や超柔軟な薄膜トランジスタを開発し,しっかり皮膚に密着して生体安全性の高いパッチ式電位計測システムを創出した。肌に貼るだけで医療機器と同様な信号の質で,長期にワイヤレス計測できる。さらに,目に見えない透明性を備えるセンサシートを開発し,日常生活で自然な生体信号計測を捉えるための活用を検討している。
【目次】
1 はじめに
2 生体電極プローブ
3 金属ナノワイヤを用いた透明配線
4 透明トランジスタ
5 脳波計測
6 まとめ
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塗布型半導体を用いた相補型発振回路の開発
Complementary Ring Oscillators Based on Solution-Based Semiconductors
本研究では,高キャリア移動度を示す塗布型半導体として,単結晶有機半導体とアモルファス酸化物半導体とを合理的に組み合わせるための集積化プロセスを開発した。実例として5段相補型リングオシレータを作製したところ,大気下で77 kHzの発振周波数を示し,塗布型半導体による最高クラスの高周波応答性を実証することに成功した。
【目次】
1 はじめに
2 塗布型半導体相補型発振回路の作製
3 塗布型半導体相補型発振回路の特性評価
4 おわりに
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[Material Report-R&Dー]
ポリシロキサン-バイオポリマー複合エアロゲルの開発
Development of Polysiloxane-Biopolymer Composite Aerogels
ポリシロキサンの多孔体と,バイオポリマーの架橋体を,同じ空間内に逐次的に形成させることで,均質な複合エアロゲルを作製する手法を開発した。撥水性と曲げ変形の両立など,単体の素材では実現できなかった機能を,ひとつの材料で実現できる。エアロゲル材料の新しいカテゴリーとして,幅広い組合せと機能の開拓が期待される。
【目次】
1 エアロゲルとは
2 さまざまな素材のエアロゲル
3 バイオポリマーエアロゲルのむずかしさ
4 ポリシロキサン-バイオポリマー複合エアロゲル
5 課題と展望
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[Market Data]
フラットパネルディスプレイ用ケミカルスの市場動向
フラットパネルの世界市場は,2021年はピークを迎え約19.9兆と推定される。そのうち約74%を液晶ディスプレイが占めるが,有機ELディスプレイとの競合は大型パネルのみならず中小型市場においても激しさを増し,液晶のシェアは下がり続けると考えられる。液晶は中国メーカーが完全に主導権を握り,有機ELディスプレイにおいても同様の傾向が顕著に見られるようになってきている。
【目次】
1 フラットパネルディスプレイ市場
2 液晶ディスプレイ市場
3 有機EL市場
4 電子ペーパー市場
5 液晶ディスプレイ構成材料
5.1 概要
5.2 光学フィルム
5.3 バックライトユニット
6 有機EL構成材料
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[Material Profile]
ビニルエステル樹脂
モノクロロ酢酸ビニル -
再生医療・細胞治療のための細胞加工物評価技術《普及版》
¥3,960
2016年刊「再生医療・細胞治療のための細胞加工物評価技術」の普及版。再生医療・細胞治療における、ウイルス・細菌や不純物混入、同一・均一性、免疫反応などの評価手法から安全指針、品質管理を網羅した1冊。
(監修:佐藤陽治)
<a href="http://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=9230"target=”_blank”>この本の紙版「再生医療・細胞治療のための細胞加工物評価技術(普及版)」の販売ページはこちら(別サイトが開きます)</a>
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2016年当時のものを使用しております。
佐藤陽治 国立医薬品食品衛生研究所
内田恵理子 国立医薬品食品衛生研究所
古田美玲 国立医薬品食品衛生研究所
山口照英 金沢工業大学
蓜島由二 国立医薬品食品衛生研究所
清水則夫 東京医科歯科大学
外丸靖浩 東京医科歯科大学
渡邊健 東京医科歯科大学
森尾友宏 東京医科歯科大学
宮川繁 大阪大学
安田智 国立医薬品食品衛生研究所
小原有弘 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
羽室淳爾 京都府立医科大学
井家益和 ㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
斉藤大助 九州大学
須山幹太 九州大学
小原收 (公財)かずさDNA研究所
加藤竜司 名古屋大学
蟹江慧 名古屋大学
水谷学 大阪大学
紀ノ岡正博 大阪大学
高橋匠 東海大学
豊田恵利子 東海大学
佐藤正人 東海大学
大島勇人 新潟大学
本田雅規 愛知学院大学
齋藤充弘 大阪大学
澤芳樹 大阪大学
馬場耕一 大阪大学
西田幸二 大阪大学
舘野浩章 (国研)産業技術総合研究所
佐俣文平 京都大学
土井大輔 京都大学
髙橋淳 京都大学
廣瀬志弘 (国研)産業技術総合研究所
竹内朋代 筑波大学
嶽北和宏 (独)医薬品医療機器総合機構
尾山和信 (独)医薬品医療機器総合機構
大迫洋平 京都大学
金子新 京都大学
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<<目次>>
【第1編 細胞加工物の評価技術】
第1章 再生医療・細胞治療製品のマイコプラズマ検査
1 はじめに
2 培養細胞を汚染するマイコプラズマの性質
3 日局17のマイコプラズマ否定試験の概要
4 培養法
4.1 原理と特徴
4.2 操作法と注意点
5 DNA染色法
5.1 原理と特徴
5.2 操作法と注意点
6 核酸増幅法(Nucleic Acid Amplificatio Test:NAT)
6.1 原理と特徴
6.2 操作法と注意点
6.3 NATのバリデーション
7 再生医療製品にマイコプラズマ否定試験を適用する場合の考え方
7.1 試験結果が被験者への投与後にしか得られない場合
7.2 検体量が少ない場合
7.3 接着細胞の場合
7.4 培養上清を検体とする場合
7.5 最終製品にNATを適用することが困難な場合
8 おわりに
第2章 エンドトキシン規格値と検査法
1 はじめに
2 in vitro LPS規格値の設定:培養細胞に対するLPSの影響
2.1 細胞増殖に及ぼす影響
2.2 分化能に及ぼす影響
3 in vivo LPS規格値の設定:LPSの生体影響
4 エンドトキシン試験
4.1 測定法
4.2 スキャホールド等の医用材料・実験器具等の測定
4.3 培地,血清,培養上清および細胞等の測定
4.4 HCPT
5 おわりに
第3章 ウイルス検査
1 はじめに
2 検査対象ウイルス
3 ドナー検査
3.1 血清学的検査
3.2 核酸増幅検査
3.3 ウインドウピリオドを勘案した検査
4 生物由来原料の検査
5 細胞加工物のウイルス検査
6 ウイルスの迅速検査系の開発
6.1 網羅的ウイルス検査
6.2 ウイルスの迅速定量法
7 データ収集
8 おわりに
第4章 重症心不全治療に用いられる移植細胞に関する免疫学的考察
1 はじめに
2 自己細胞による細胞治療の利点と欠点
3 アロ体性幹細胞の心不全に対する有効性,免疫原性
3.1 他家骨髄間葉系幹細胞
3.2 他家筋芽細胞
4 iPS細胞由来心筋細胞の免疫原生
4.1 移植急性期における宿主移植片反応
4.2 移植慢性期における宿主移植片反応
4.3 他家iPS細胞由来移植片の生着と寿命
4.4 iPS細胞の免疫原性に関する基盤研究
5 免疫学的メカニズムを用いた細胞治療の有効性向上
第5章 造腫瘍性評価
1 はじめに
2 ヒト細胞加工製品の造腫瘍性試験における考え方
3 ヒト細胞加工製品における造腫瘍性関連試験
3.1 in vivo 造腫瘍性試験
3.2 フローサイトメトリー
3.3 定量的逆転写PCR(qRT-PCR)
3.4 ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)
3.5 GlycoStem法
3.6 Essential-8/LN521培養増幅法
3.7 (デジタル)軟寒天コロニー形成試験
3.8 細胞増殖特性解析
4 おわりに
第6章 生細胞数・生細胞率検査と細胞同一性検査
1 はじめに
2 生細胞数・生細胞率検査
2.1 細胞計数の方法
2.2 生死の判定
2.3 自動計数機器
2.4 細胞計数のタイミング
2.5 計数結果の記録
3 細胞同一性検査
3.1 STR-PCR法によるヒト細胞認証試験
3.2 その他の方法
第7章 培養細胞の均質性検査
1 はじめに
2 培養ヒト角膜内皮細胞の移入による角膜組織の再建
3 細胞の品質規格の重要性
4 臨床の安全性と有効性の再現性を支える品質
4.1 培養ヒト角膜内皮細胞の形態・細胞特性は不均質である
5 移植に適した目的細胞の選定と効能試験
6 培養ロット・条件による不均質な細胞亜集団組成の変動
7 移植目的細胞の確認試験法
7.1 細胞密度,FACS,産生産物
7.2 目的細胞の純度試験法(FACSによる目的細胞の純度検定)
8 移植に用いる目的細胞の同質性の検証試験
8.1 目的細胞の同質性確認試験法(細胞の機能性指標を用いる試験法)
9 目的細胞・非目的細胞の生体機能確認試験法
10 おわりに
第8章 非細胞成分由来不純物検査
1 はじめに
2 非細胞成分と製造工程由来不純物
2.1 非細胞成分の安全性評価
2.2 製造工程由来不純物の安全性評価
3 非細胞成分由来不純物
3.1 原料および材料の品質
3.2 製造工程由来不純物
4 実例
4.1 培地と添加物
4.2 ウシ血清
4.3 抗生物質
4.4 細胞剥離液
4.5 スキャフォールド
4.6 製品保存液
5 おわりに
第9章 次世代シーケンシングによる細胞のゲノム安定性評価
1 はじめに
2 巨視的レベルのゲノム構造変化の次世代シーケンシングによる検出
3 微視的レベルのゲノム構造変化の次世代シーケンシングによる検出
4 エピゲノム変異の検出法
5 RNAプロファイリングによるゲノム構造変化の検出
6 現在の課題と今後の展望
第10章 画像を用いた細胞加工物および培養工程の評価
1 序論:細胞評価としての細胞観察
2 細胞画像を用いた細胞評価(細胞形態情報解析)
2.1 細胞評価に細胞画像を用いるためには
2.2 細胞画像から得られる情報とは
2.3 細胞画像を用いた細胞評価適応例
2.4 細胞画像を用いた細胞評価の生物学的考察
3 細胞形態情報解析の展開
4 細胞形態情報解析を支える細胞加工工程情報
5 最後に
第11章 製造のモニタリング評価
1 はじめに
2 再生医療等における製品形態の多様性と製造モニタリングの考え方
3 再生医療等製品の製造で生じる現状の課題
4 製造モニタリングについて
4.1 環境モニタリング
4.2 工程モニタリング
5 加速度センサーを用いた動作キャリブレータの可能性
6 おわりに
【第2編 治療部位・疾患別の評価技術】
第12章 関節軟骨再生の細胞加工物(製品)評価技術
1 はじめに
2 膝関節軟骨再生の原材料と最終製品の分類
3 ヒト体細胞由来製品の評価項目
4 自己軟骨細胞シートにおける評価技術
5 同種軟骨細胞シートにおける評価技術
6 ヒト人工多能性幹(iPS)細胞由来製品の評価項目
7 おわりに
第13章 歯
1 はじめに
2 歯髄の発生と構造
2.1 歯髄の発生
2.2 歯髄の構造
3 歯髄の特徴と分化能
4 永久歯,乳歯および過剰歯の歯髄幹細胞
5 歯髄幹細胞の評価技術
5.1 歯髄幹細胞の未分化性を評価する技術
5.2 in vitroにおける硬組織形成細胞への分化能を評価する技術
5.3 in vivo実験を用いた硬組織形成能の機能評価技術
5.4 表面抗原解析による歯髄幹細胞の機能評価技術
6 iPS細胞の樹立
7 おわりに
第14章 心臓・血管系
1 はじめに
2 移植細胞シートの機能評価
3 非臨床試験での評価
3.1 有効性を示唆するために必要な実験
3.2 非侵襲的評価方法(心エコー,CT,MRI)
3.3 侵襲的評価(組織学的評価,遺伝子・タンパク質発現解析)
3.4 移植細胞の残存評価
3.5 動物実験モデル
4 臨床試験での評価
4.1 筋芽細胞シート移植における細胞機能評価
4.2 「ハートシート」における臨床評価
5 おわりに
第15章 培養細胞シートを用いた角膜再生治療への取り組み
1 はじめに
2 角膜上皮疾患と再生治療の背景
3 自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植による角膜再生治療
4 ヒトiPS細胞由来培養上皮細胞シートを用いた角膜再生治療の開発
5 自家培養角膜上皮細胞シートを用いた企業主導治験
6 角膜内皮の再生治療
7 おわりに
第16章 糖鎖を標的としたヒト間葉系幹細胞の品質管理技術の開発
1 背景
2 糖鎖は「細胞の顔」?
3 細胞表層糖鎖を迅速高感度に解析する技術:レクチンアレイ
4 ヒト多能性幹細胞の糖鎖
5 ヒト間葉系幹細胞の糖鎖
6 α2-6シアリルN型糖鎖の機能
7 まとめ
第17章 神経
1 はじめに
2 神経細胞の評価技術
2.1 qPCR法
2.2 免疫細胞化学
2.3 フローサイトメトリー
2.4 神経突起の評価
2.5 電気生理学的手法による評価
3 ドパミン神経細胞の評価技術
3.1 核型分析
3.2 SNP分析
3.3 CNV分析
3.4 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
3.5 パーキンソン病ラットモデル
4 おわりに
【第3編 評価技術についての動向】
第18章 国際標準化の状況
1 はじめに
2 再生医療等製品に関する試験法・評価法の国際標準化の状況
3 細胞加工装置に関する国際標準化の状況
4 再生医療用途の足場材料に関する国際標準化の状況
5 再生医療分野の国際標準化の展望
6 おわりに
第19章 研究用組織試料の収集と分譲
1 はじめに
2 組織試料の収集にあたって
2.1 インフォームド・コンセント
2.2 組織試料採取の準備
3 凍結組織試料の収集・保管
3.1 組織の採取
3.2 組織の処理・組織片試料(dry sample)の調整
3.3 包埋組織試料(OCT sample)の調整
4 凍結組織試料の搬送
5 感染性試料の扱い,試料の廃棄
6 ホルマリン固定パラフィン包埋試料の作製・保管
7 試料の分譲
7.1 倫理審査
7.2 共同研究契約,試料分譲同意書
7.3 分譲手数料
8 おわりに
第20章 ヒト細胞加工製品の品質及び非臨床安全性の確保に関する各種指針を踏まえた私見
1 はじめに
2 ヒト細胞加工製品の品質確保
2.1 一般的な品質確保の考え方について
2.2 ヒト細胞加工製品の特徴
2.3 ヒト細胞加工製品の品質確保を適正かつ合理的に行うための留意事項
2.4 品質確保のまとめ
3 ヒト細胞加工製品の非臨床開発時点における品質からみたin vivo試験や評価の考え方
3.1 一般的留意事項
3.2 造腫瘍性評価について
4 おわりに
第21章 再生医療等製品の製造管理及び品質管理
1 はじめに
2 再生医療を取り巻く新たな規制の枠組み
3 再生医療等製品の特徴と品質設計における課題
4 再生医療等製品の品質における基本の考え方
5 技術移管に向けた製品品質の理解と知識管理の重要性
6 再生医療等製品の製造管理及び品質管理における要点と課題
7 品質リスクマネジメントの考え方
8 ベリフィケーションによる品質保証のアプローチ
9 治験製品の製造管理及び品質管理の要点
10 再生医療等製品のCMC 開発研究での留意点
11 おわりに
第22章 臨床用原材料細胞のセルバンク
1 はじめに
2 再生医療用HLA-ホモiPS細胞ストックプロジェクト
3 「臨床用原材料細胞のセルバンク」としてのiPS細胞ストック
4 FiTにおける臨床用iPS細胞の製造・品質管理
4.1 ドナー適格性の判定
4.2 製造に使用する原料等・工程資材
4.3 製造方法
4.4 品質管理方法
5 おわりに
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計測・モニタリング技術―化学計測・計装の最先端とその応用―(普及版)
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2011年刊「計測・モニタリング技術―化学計測・計装の最先端とその応用―」の普及版!化学分析技術、プロセス産業におけるシステム技術と様々な分野における実際の計測・モニタリングの応用事例を紹介!!
(監修:山下善之)
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2011年当時のものを使用しております。
山下善之 東京農工大学
榊原 潤 筑波大学
井藤浩志 (独)産業技術総合研究所
久保真治 (独)日本原子力研究開発機構(JAEA)
長家康展 (独)日本原子力研究開発機構(JAEA)
船津公人 東京大学
金子弘昌 東京大学
加納 学 京都大学
鄭 立 (株)山武
笹岡英毅 (株)山武
源吉 聡 横河電機(株)
喜多井剛志 (株)山武
米山 徹 千代田化工建設(株)
久保内昌敏 東京工業大学
山下 亨 出光興産(株)
寒川誠二 東北大学
高見昭憲 (独)国立環境研究所
大原寿樹 横河電機(株)
佐藤義雄 荏原実業(株)
勝木雅人 横河電機(株)
三澤健太郎 東京工業大学
藤井正明 東京工業大学
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<<目次>>
第1章 総論
1 はじめに
2 センシング・分析技術
3 システム化技術
4 計測・モニタリング技術の応用
5 おわりに
第2章 先端計測分析技術
1 レーザ誘起蛍光法による水の温度と濃度の計測
1.1 はじめに
1.2 蛍光強度
1.3 濃度の計測
1.4 蛍光染料の最適濃度
1.5 消光について
1.6 温度の計測
1.7 二色LIF法への発展
1.8 その他の応用例
2 原子間力顕微鏡による精密ナノ計測
2.1 原子間力顕微鏡装置の特徴
2.2 原子間力顕微鏡装置
2.3 形状測定のためのカンチレバー選択と測定モード
2.4 測定例
2.5 液中アプリケーション
2.6 ナノ物性計測とカンチレバー
2.7 おわりに
3 放射線によるオンライン組成計測
3.1 化学プロセスシステムにおける放射線利用計測
3.1.1 化学プロセスシステムにおける組成計測
3.1.2 放射線を利用する計測の特徴
3.2 放射線源と検出器
3.2.1 放射線の種類
3.2.2 放射性同位体
3.2.3 密封線源
3.2.4 放射線の検出器
3.3 放射線と物質との相互作用
3.3.1 光子と物質との相互作用
3.3.2 中性子と物質の相互作用
3.4 放射線による組成計測方法
3.4.1 放射線密度計による組成計測
3.4.2 厚さが一定でない試料の組成計測
3.4.3 放射線透過によるイオウ成分計測
3.4.4 石油・水・ガス混合物の成分比率計測
3.4.5 試料のかさ密度を補正する中性子線源による水分量計測
3.4.6 熱化学水素製造プロセスに用いる溶液の組成計測
第3章 システム技術
1 ソフトセンサー―測定困難な対象を高精度で推定する技術―
1.1 ソフトセンサーとは
1.2 ソフトセンサーの役割
1.3 ソフトセンサーの課題
1.4 ソフトセンサーの研究例
1.5 おわりに
2 多変量統計的プロセス管理
2.1 はじめに
2.2 主成分分析
2.3 主成分分析に基づく多変量統計的プロセス管理
2.4 寄与プロットによる異常原因の特定
2.5 動特性の取り扱い
2.6 バッチプロセスの管理
2.7 品質変数の取り扱い
2.8 様々な運転条件への対処
2.9 独立成分分析の利用
2.10 おわりに
3 プロセス・オートメーション用センサー・ネットワーク
3.1 はじめに
3.2 プロセス・オートメーション用センサー・ネットワークとは
3.3 プロセス・オートメーション用センサー・ネットワークへの技術要求
3.3.1 通信信頼性
3.3.2 実時間性
3.3.3 通信距離
3.3.4 防爆・防水対応
3.3.5 消費電力
3.3.6 長期安定供給
3.4 プロセス・オートメーション用センサー・ネットワークの分類
3.4.1 4~20mA電流ループ
3.4.2 フィールドバス
3.4.3 HART通信
3.5 プロセス・オートメーション用ワイヤレス・センサー・ネットワーク
3.5.1 ワイヤレス・センサー・ネットワークのアプリケーション
3.5.2 ワイヤレス・センサー・ネットワークの技術要素
3.5.3 ワイヤレス・センサー・ネットワークの標準化動向
3.6 おわりに
4 プラント時系列データ解析
4.1 はじめに
4.2 時系列データ解析
4.3 時間周波数解析
4.4 ウェーブレット変換とは
4.5 ウェーブレット変換の定義
4.6 ウェーブレット変換によるプラント時系列データの解析
5 計測・制御システムと運転監視
5.1 はじめに
5.2 DCSのアーキテクチャ
5.3 DCSのコントローラ概要
5.3.1 制御演算
5.3.2 コントローラの入出力部
5.4 DCSのHMI(Human Machine Interface)概要
5.4.1 計器画面
5.4.2 グラフィック監視画面
5.4.3 アラームサマリ画面
5.4.4 トレンド監視画面
5.5 高度アラーム監視
5.5.1 複数プロセス値の相関関係を監視(領域監視)
5.5.2 統合アラーム管理
5.6 DCSの課題と今後の展開
6 無線計装システム
6.1 はじめに
6.2 無線計装システムと無線通信技術
6.2.1 無線LAN
6.2.2 無線PAN
6.2.3 共存
6.3 無線計装システムの導入事例
6.3.1 防火用水タンクレベル監視
6.3.2 低温貯蔵庫内温度監視・ドア密閉状態監視
6.3.3 ガス漏洩検知
6.4 無線計装システムへの期待
6.5 おわりに
7 プロセス安全計装システム
7.1 はじめに
7.2 機能安全規格
7.3 安全とリスク
7.4 安全計装システムのライフサイクル
7.5 安全計装システム設計
7.5.1 プロセス危険解析(PHA: Process Hazard Analysis)
7.5.2 必要安全度水準の決定(SIL Assignment)
7.5.3 安全計画(Safety Plan)
7.5.4 構成ループの評価検討(SIL Verification)
7.5.5 ハードウェアデザイン
7.6 改訂IEC 61508
7.7 おわりに
第4章 応 用
1 装置材料の腐食モニタリング
1.1 はじめに
1.2 化学装置内部の腐食モニタリング
1.2.1 UT法による腐食モニタリング
1.2.2 物理的,化学的手法による腐食モニタリング
1.2.3 電気化学的腐食モニタリング
1.2.4 電気化学ノイズ法の概要
1.3 大気腐食モニタリング
1.3.1 ACMセンサの概要
1.3.2 大気腐食モニタリングの鋼構造物への適用例
1.3.3 大気腐食モニタリングのCUIへの適用例
1.4 有機材料の腐食モニタリング
1.4.1 環境液浸透をモニタリングする試み
1.4.2 樹脂劣化反応をモニタリングする試み
1.5 おわりに
2 石炭ボイラ内部の燃焼・灰溶融状態のモニタリングと運転管理
2.1 はじめに
2.2 高温炉内監視カメラの仕様・特長
2.3 ボイラへの設置方法
2.3.1 簡易設置
2.3.2 遠隔操作回転システム
2.4 実機ボイラ設置事例
2.4.1 コーナー燃焼方式
2.4.2 対向燃焼方式
2.5 おわりに
3 プラズマプロセスダメージリアルタイムモニタリング
3.1 はじめに
3.2 オンウェハプラズマモニタリングセンサ
3.2.1 電荷蓄積量センサ
3.2.2 紫外線照射損傷センサ
3.2.3 センサシステムイメージ
3.3 おわりに
4 大気エアロゾルのモニタリング
4.1 はじめに
4.2 大気エアロゾルの動態
4.2.1 発生
4.2.2 輸送
4.2.3 反応
4.2.4 消失
4.3 エアロゾル質量分析計とその観測結果の解析
4.3.1 エアロゾル質量分析計の構造と測定法
4.3.2 観測例とその解釈
4.4 おわりに
5 近赤外分光分析によるモニタリング
5.1 はじめに
5.2 近赤外線とは
5.3 単位について
5.4 近赤外分光分析計について
5.5 近赤外分光分析法について
5.6 近赤外分光分析における定量法
5.7 オンライン測定への応用例
5.7.1 調合・調製プロセス
5.7.2 バッチ反応の終点モニタへの応用例
5.7.3 不純物監視
5.7.4 混酸の測定
5.7.5 エチレンプラントのモニタリング
5.7.6 ブチルゴム製造プロセスへの応用
5.8 おわりに
6 多項目オンライン自動計測システムによる水処理プロセスの効率運用と安全管理
6.1 はじめに
6.2 装置の概要
6.3 本計測システムの特徴
6.4 測定原理
6.4.1 光学式検出器(spectro::lyser)
6.4.2 電気化学式検出器
6.4.3 蛍光式検出器(oxi::lyser)
6.4.4 演算・表示器(con::stat)
6.5 光学式検出器(spectro::lyser)の校正について
6.6 プロセス・水質の異常監視
6.6.1 プロセスおよび処理排水の水質の異常監視
6.6.2 地下水の水質異常監視
6.7 下水処理施設における効率運用
6.8 オンライン計測
6.9 おわりに
7 生産エネルギーの見える化―生産ラインにおけるエネルギー無駄ゼロへ導くIT活用―
7.1 はじめに
7.2 FEMSの位置付け
7.3 工場の省エネ活動の課題
7.4 省エネ活動の体制構築
7.5 工場におけるエネルギーの「見える化」
7.6 EMS(Energy Management System)
7.7 省エネ事例
7.7.1 見える化から実現した省エネ効果事例
7.7.2 大手化学メーカーの製造エネルギーの把握から明らかになった省エネ事例
7.8 おわりに
8 燃焼排出ガス中の有害物質のリアルタイム濃度計測
8.1 はじめに
8.2 REMPI法とは
8.3 REMPI法の原理
8.4 超音速ジェット
8.5 装置構成
8.5.1 レーザー部
8.5.2 真空装置部
8.6 実際の分析例
8.7 さらなる応用 -
月刊バイオインダストリー 2023年3月号(電子版)
¥4,950
<著者一覧>
野中 寛 三重大学
石原雄大 日本モウルド工業㈱
根本純司 北越コーポレーション㈱
酒井日出子 (地独)東京都立産業技術研究センター
三宅 仁 アイ-コンポロジー㈱
梶川翔平 電気通信大学
三木恒久 (国研)産業技術総合研究所
足立幸司 秋田県立大学
中西昭仁 東京工科大学
福西広晃 東京工科大学
河田幸視 近畿大学
ユソフ・M.・ファティマ マレーシアプトラ大学;国際水産養殖・水生科学研究所
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【特集】パルプや木質の成形技術 ─100%バイオマスプロダクトを目指す─
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特集にあたって
Introduction
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パルプモールドの需要や開発動向
The Molded Fiber Market Outlook / Development and Trends
パルプモールドとは新聞・雑誌・段ボール等の古紙を主原料とし,所定の形状の方に張った金網により原料を漉き上げ,乾燥させた紙成型品を示す。手抄き和紙と製造方法における基本コンセプトを同一とする。一般的には鶏卵・青果物・工業品等の緩衝材として段ボール内でクッション材として利用され,近年では脱プラを意識したパッケージとして外装そのものをパルプモールドにて採用するケースも増えている。
1 歴史
2 製造方法
3 世界情勢
4 国内情勢
5 環境性能
6 開発動向
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成形可能なオールセルロース材料バルカナイズドファイバー
Moldable All-cellulose Sheet“Vulcanized fiber”
ナノおよびマイクロサイズのセルロースが融合したオールセルロース材料「バルカナイズドファイバー」は,環境,機能,感性という3 つの価値のバランスに優れる。従来から構造材としても利用されてきたが,成形を含む加工についての情報は少なかった。本報告では,材料の歴史や特徴などを概説するとともに,接着や成形加工などの基礎的知見も紹介する。
1 はじめに
2 歴史
3 構造
4 物理的な特徴
5 加工
5.1 接合方法の検討
5.2 成形加工の検討
6 おわりに
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100%天然素材を用いたストロー試作
Prototype Straws Made From 100% Natural Materials
プラスチックストローは身近な製品として使用されている。しかし,世界各地で海洋汚染問題が注目される中,プラスチックストロー廃止の動きが世界的に進められている。そこで,環境負荷が少なく,使用時に安全性の高い,100%天然素材でできたストロー試作をした。その結果,使用可能なストロー試作ができた。
【目次】
1 はじめに
2 試作
2.1 材料
2.2 実験
3 結果と考察
4 おわりに
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成形自由なウッドプラスチック「i-WPC」及び海洋生分解性バイオマス複合プラスチック「Biofade」
Moldable Wood Plastic Composite “i-WPC” and Marine Biodegradable Biomass Composite“Biofade”
2021 年から日本においても「脱炭素」が叫ばれるようになり,ポリマー材料もバイオマス由来への転換が少しずつ図られている。近年のバイオマス複合プラスチック材料は,バイオベース度向上だけでなく,成形法の多様化が大きく進化し幅広い利用が可能となっている。さらに陸上環境はもとより海洋での生分解性までも実現可能となってきた。
【目次】
1 はじめに
2 先進的な木粉プラスチック複合材料「i-WPC」(Innovative WoodPlastic Composite)
2.1 先進的ウッドプラ複合材「i-WPC」の概要
2.2 i-WPCの物性
2.3 i-WPCの成形
3 海洋生分解性バイオマス複合材料「Biofade」
3.1 海水での生分解性
3.2 Biofadeの概要
3.3 Biofadeの生分解性
3.4 Biofadeの物性
3.5 Biofadeの成形
4 おわりに
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スクロースおよびクエン酸混合木粉の射出成形および押出し成形
Injection Molding and Extrusion of Wood Powder Combined with Sucrose and Citric Acid
100%バイオマスプロダクトを効率的に製造する方法として,天然由来資源であるスクロースおよびクエン酸をバインダとして木粉に混合し,成形加工する技術を開発した。加工条件を適正化することによって,木粉は良好に熱流動し,射出成形や押出し成形によって外観や特性に優れた成形品を得ることに成功した。
【目次】
1 はじめに
2 スクロースおよびクエン酸混合木粉の流動性
3 スクロースおよびクエン酸混合木粉の射出成形
4 スクロースおよびクエン酸混合木粉の押出し成形
5 おわりに
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木質系素材の組織構造を活かした三次元成形と複合材料化(木質流動成形)
Flow Plastic Forming of Wood-based Compoistes with Fiber Cell Structures
国立研究開発法人 産業技術総合研究所では,木質系素材のマテリアル利用を加速するための複合材料化ならびに成形加工の要素技術の開発に取り組んできた。本報では,木質系素材の極限物性である塑性流動を利用した成形手法と得られる成形品の信頼性を高めるための他の物質との複合材料化の例を概説する。
【目次】
1 はじめに
2 木質系素材の固相流動化
3 木材の変形・流動特性
4 半密閉金型を用いた水膨潤木材の成形
5 各種膨潤木材の大気圧下での変形挙動と成形
6 木質流動成形の実例
7 おわりに
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木材の立体形状加工
Solid Shape Processing of Wood
再生可能資源への転換や新たな付加価値のために木材を活用した部材・製品開発の動きが活発化する中,自由度の高い形状に応える立体形状加工の進歩も期待されている。今回は,展延性や熱流動性に乏しい木材の加工特性と木材加工技術体系を交えながら近年の取り組みについて紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 木材の立体形状加工
3 おわりに
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BIO REVIEW
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AI を用いた微生物混合液の解析手法開発~バイオプラスチックスや食品の発酵生産などの応用に向けて~
Development of an Analytical Method of Microbial Mixtures with AI Aiming to Applied Use for Bioplastic-and Fermentation-production
従来,食品産業を中心に微生物叢を用いた発酵生産がなされてきたが,その生産方法は経験に大きく依存してきた。近年微生物に対する解析方法は躍進し,特に微生物から一度に得られる情報を網羅的に解析する手法が大きな進展を見せている。しかし解析対象を単一微生物ではなく微生物叢とするとき,複数の微生物応答を対象にしなければいけないことや,その上で異なる種類の網羅解析情報を統合しなければいけないことなど,解析作業が人の手に収まりきらない現状に直面している。そこで,人工知能 (AI) を用いて網羅解析を行うことによって,微生物叢の発酵生産を理解し制御することを最終目標とする研究がすすめられた。微生物叢の情報をAIで網羅解析する第一歩として,explainable AI (XAI) 技術に基づいて,微生物混合液の微生物組成を吸光スペクトラムから簡便に予測するモデルを開発した。これらの技術は微生物叢の発酵生産に大きく寄与できる可能性があり,バイオプラスチックスの原料生産や食品の発酵生産に貢献しうると考えたので本稿にてまとめて説明する。
【目次】
1 微生物混合液におけるAI技術を用いたオミクス解析の可能性
2 吸光スペクトラムデータを用いたAIによる微生物混合液の微生物組成の予測
3 今後の展望
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トロピカルフルーツを加えた餌によるマレーシア産mahseer Tor tambroides(Bleeker, 1854)の養殖実験
Aquaculture Experiment of Malaysian Mahseer, Tor tambroides(Bleeker, 1854)using Tropical Fruits Containing Diets
本稿は,コイ科のTor. tambroidesを対象としたフルーツ魚の養殖実験を,背景等にも触れながら紹介する。2節では,野生でフルーツを採餌する魚を概観し,3節では,フルーツ魚の研究事例を整理した上で,どのような背景や目的で取り組まれ,どんな効果があるかを整理する。4節では,養殖実験で,体重増加や生存率が向上したことを紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 フルーツと魚
2.1 魚類とフルーツ
2.2 魚料理とフルーツ
3 フルーツ魚
3.1 フルーツ魚の火付け役と事例数
3.2 背景・目的,効果
4 マレーシアにおけるフルーツ魚の研究
4.1 養殖対象魚種
4.2 先行研究
4.3 研究1の概要
4.4 研究2の概要
5 おわりに
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BIO BUSINESS
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化粧品工業
2021 年の化粧品の出荷実績は出荷個数25 億2,596 万個(前年比92.9%),出荷金額1兆3,529 億円(前年比91.5%)となり,市場が縮小している。新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により,外国人旅行者によるインバウンド需要が消失,外出自粛や店舗休業などによりメイクアップを中心とした化粧品の国内需要は2020 年に続いて大幅に減少した。海外に目を向けると,ヨーロッパでは化粧品に対する環境規制が厳格化,環境フットプリント(足跡)を踏まえた対応が日本メーカーに求められている。また東アジア市場では韓国・中国の化粧品メーカーが台頭し,国際競争が激化している。国内市場の低迷打破と海外市場でのビジネス戦略など日本の化粧品メーカーの課題は多い。
【目次】
1 需給動向
2 輸出入動向
3 化粧品受託製造市場の動向
4 日本メーカーの技術開発
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月刊バイオインダストリー 2020年10月号
¥4,950
<著者一覧>
小川 順 京都大学
安藤晃規 京都大学
奥田知生 京都大学
菊川寛史 静岡県立大学
阪本鷹行 徳島大学
櫻谷英治 徳島大学
岸野重信 京都大学
藤原昂平 慶應義塾大学
磯部洋輔 (国研)理化学研究所
有田 誠 慶應義塾大学
竹田浩章 (国研)理化学研究所
和泉自泰 九州大学
馬場健史 九州大学
守口 徹 麻布大学
原馬明子 麻布大学
石田 渓 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
長竹貴広 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
國澤 純 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所
小倉正恒 国立循環器病研究センター研究所
後藤 剛 京都大学
岩瀬麻里 京都大学
川原崎聡子 京都大学
高橋春弥 京都大学
野村 亘 京都大学
井上和生 京都大学
河田照雄 京都大学
河島 洋 サントリーグローバルイノベーションセンター㈱
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【特集】ω-3脂肪酸
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特集にあたって
-ω-3 脂肪酸をつくる・理解する・展開する-
Introduction -Producing, Understanding, Developing ω-3 Fatty Acids-
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油糧微生物による種々のω3 脂肪酸含有油脂の発酵生産
Production of Various ω3-polyunsaturated Fatty Acid-containing Lipids by Oleaginous Microorganisms
オメガ3 高度不飽和脂肪酸(ω3-PUFA)は近年多彩な生理機能や有効性が報告され,健康維持に欠かせない食品成分として認知されつつある。ω3-PUFA のうち,ドコサヘキサエン酸(DHA),エイコサペンタエン酸(EPA)などは,魚油が主要な供給源となっているが,今後の需要の増加への対応や安定供給のために代替供給源の開発が活発化している。本稿では,DHA やEPA に加え,天然では希少なω3-ドコサペンタエン酸(ω3-DPA),エイコサテトラエン酸(ETA)を含有する油脂の微生物生産を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 Crypthecodenium sp. D31株によるDHA高含有油脂の発酵生産
3 Aurantiochytrium sp. T7株によるω3-DPA高含有油脂の発酵生産
4 Mortierella alpinaの分子育種株によるEPA高含有油脂の発酵生産
5 Mortierella alpina S14の分子育種株によるETA高含有油脂の発酵生産
6 おわりに
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腸内細菌によるω3 脂肪酸代謝と代謝物の生理機能
Omega 3 Fatty Acid Metabolism in Gut Microorganisms and Metabolite Biofunction
食事由来の主なω3 脂肪酸,α-リノレン酸,EPA,DHA が,宿主の酸化的代謝により生理活性脂質メディエーター等へ変換されるのみならず,腸内細菌による還元的代謝をうけ,水酸化脂肪酸,共役脂肪酸などの多様な代謝物に変換されることが明らかになってきた。その腸内細菌代謝の詳細と代謝物の生理機能を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 水和化代謝
3 飽和化代謝
4 ω3脂肪酸の腸内細菌代謝物の生理機能
4.1 抗炎症作用
4.2 抗酸化作用
4.3 脂肪酸合成抑制効果
4.4 消化促進作用
5 おわりに
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ω3 脂肪酸から生じる脂質メディエーターの生理機能と代謝経路
Physiological Function and Metabolic Pathways of Lipid Mediators Derived from ω3 Fatty Acids
生体内には多様な脂肪酸分子種が存在し,それらは代謝されることで様々な生理機能をもった脂質メディエーターに変換される。特にω3 脂肪酸由来の脂質メディエーターは炎症の制御や組織恒常性維持に関与することが近年報告されている。本稿ではω3 脂肪酸由来の脂質メディエーターの生理機能とその代謝経路について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 ω3脂肪酸由来の炎症収束性メディエーター(Specialized pro-resolving mediator;SPM)の生理機能
2.1 EPA由来の脂質メディエーター
2.2 DHA由来の脂質メディエーター
2.3 DPA由来の脂質メディエーター
3 ω3脂肪酸の機能性発現に関わる代謝経路
4 おわりに
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ω-3 脂肪酸含有脂質を識別する定量リピドーム解析技術
Quantitative Lipidome Analysis for Separating Lipids with ω-3 Fatty Acids
生体内には脂肪酸と極性基の組み合わせにより膨大な種類の脂質分子が存在し,脂肪酸側鎖が異なる構造異性体やその結合位置が異なる位置異性体など,個々の脂質分子の識別には高度な計測技術が必要となる。しかし,個々の脂質分子を高精度に識別かつ定量が可能な技術基盤は未だ十分に構築されていない。本稿では,こうした課題を克服するために取り組んできた超臨界流体クロマトグラフィー質量分析を用いた定量リピドーム解析技術について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 リピドーム解析の現状
3 超臨界流体クロマトグラフィーを用いた脂質クラスの分離
4 構造異性体を識別する質量分析計の選択
5 定量分析技術の開発と応用
5.1 三連四重極型質量分析計を用いた脂質分子の定量分析
5.2 荷電化粒子検出器を用いた脂質クラスの定量分析
5.3 生体試料への適用例
6 おわりに
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成長発達期における多価不飽和脂肪酸の相互作用
Interaction of Polyunsaturated Fatty Acids During Growth and Development Period
Δ6 不飽和化酵素欠損マウスの生後2 日齢から,人工哺乳法により多価不飽和脂肪酸のバランスを調整した人工乳を与え,成長発達期における各脂肪酸の機能性とその相互作用について検討した。 その結果,身体成長にはARA が,脳機能を含む身体の発達にはDHA が必須であることがわかった。
【目次】
1 脳神経組織の発達
2 早産児,正期産で出生しても体重の低い新生児
3 マウス,ラットの人工哺育法
4 多価不飽和脂肪酸の代謝とω3系脂肪酸の必要性
5 食餌性ω3系脂肪酸欠乏マウスの作製
6 Δ6不飽和化酵素欠損(D6D-KO)マウス
7 多価不飽和脂肪酸のそれぞれの働きについて
7.1 身体形成における多価不飽和脂肪酸の働き
7.2 脳機能における多価不飽和脂肪酸の働き
7.3 脳組織の多価不飽和脂肪酸組成
8 多価不飽和脂肪酸の摂取バランスについて
9 おわりに
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ω3 脂肪酸代謝物に見出された新たな抗炎症・抗アレルギー作用
Emerging Roles of ω3 Fatty Acid Metabolites in the Regulation of Allergic and Inflammatory Diseases
ω3 脂肪酸の抗炎症作用は古くより知られていたが,その作用機序についての全容は明らかではなかった。本稿では,ω3 脂肪酸の「代謝」に着目することで見えてきたω3 脂肪酸代謝物によるアレルギー・炎症性疾患に対する抑制作用とそのメカニズムについて概説する。
【目次】
1 はじめに
2 ω3脂肪酸の代謝
3 EPA代謝物17,18-EpETEに見出された食物アレルギー抑制効果
4 17,18-EpETEのアレルギー性皮膚炎に対する有効性と作用機序の解明
5 17,18-EpETEの立体異性体に着目した構造活性相関
6 EPA代謝物15-HEPEによるアレルギー性鼻炎抑制効果
7 ω3 DPA代謝物14-HDPAによる母乳を介した仔マウスの接触皮膚炎の軽減
8 おわりに
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ω3 脂肪酸と動脈硬化予防
Do Omega-3 Fatty Acids Prevent Atherosclerotic Cardiovascular Disease?
ω3 脂肪酸はω6 脂肪酸とは対照的に血中トリグリセリド値を低下させ,抗炎症または炎症収束的に働き,さらに血小板凝集抑制作用も有することから動脈硬化予防に有用と考えられてきた。しかし,ω3 脂肪酸を用いた臨床試験の結果は一定せず,メタ解析結果は否定的である。ω3 脂肪酸の動脈硬化予防効果について,その是非や今後の課題について概説した。
【目次】
1 はじめに
2 ω3 脂肪酸の脂質代謝への影響
2.1 血中脂質の量に及ぼす影響
2.2 血中リポタンパクの質に及ぼす影響
3 動脈硬化性疾患予防のエビデンス
3.1 魚食習慣と心血管イベント
3.2 心血管リスクマーカーとしてのEPA/AA比
3.3 介入試験による心血管イベント抑制効果
3.4 なぜω3脂肪酸と心血管イベントの関連は一定しないか?
3.5 ω3脂肪酸の腸内細菌代謝物の研究
4 おわりに
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脂肪酸および脂肪酸代謝物が褐色脂肪組織機能に及ぼす影響 ~ω-3 脂肪酸を中心に~
The Effects of Dietary Fatty Acids and Their Metabolites on The Function ofBrown Adipose Tissue ~Based around Omega-3 Fatty Acids~
褐色脂肪組織はミトコンドリア内膜中に存在する脱共役タンパク質1 の機能を介して高い熱産生能を有する組織である。褐色脂肪組織の活性は肥満や肥満に伴う代謝異常症の発症と逆相関し,肥満関連疾患の予防・改善における新たな標的組織として注目されている。いくつかの食品成分が褐色脂肪組織の活性化能を有することが示唆されており,その有効活用が期待されている。本稿では,ω -3 脂肪酸をはじめとする脂肪酸およびその代謝物による褐色脂肪組織機能制御に関する知見について,筆者らの研究結果を含めて紹介する。
【目次】
1 褐色脂肪組織の機能
2 ω-3脂肪酸・その代謝産物による褐色脂肪組織機能亢進とそのメカニズム
2.1 ω-3脂肪酸摂取による褐色脂肪組織機能の活性化
2.2 ω-3脂肪酸摂取時の褐色脂肪組織機能亢進のメカニズム
3 その他の脂肪酸・脂肪酸代謝産物による褐色脂肪組織機能調節
4 おわりに
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ω-3 脂肪酸の食品への応用
Application of Omega-3 Fatty Acids to Functional Foods
日本では2015 年から機能性表示食品制度が始まったが,ヒトにおける様々な機能性が知られているω-3 脂肪酸はその主役の一つである。ここでは,機能性表示食品を中心にω-3 脂肪酸を用いた食品について概観するとともに,ヒトにおけるエビデンスの最近の動向を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 ω-3 脂肪酸を用いた食品
2.1 DHA, EPA を用いた食品
2.2 α-リノレン酸を用いた食品
3 栄養素としてのω-3脂肪酸
3.1 摂取状況
3.2 目安量と目標量
4 ω-3脂肪酸と機能性表示食品制度
4.1 機能性表示食品制度の概要
4.2 DHA, EPAを機能性関与成分とする食品
4.3 α-リノレン酸を機能性関与成分とする食品
5 ω-3脂肪酸の機能性に関する最新の動向
5.1 機能性表示制度とω-3脂肪酸の機能性
5.2 循環器疾患リスクに関する最新情報
6 おわりに
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感覚重視型技術の最前線―心地良さと意外性を生み出す技術―《普及版》
¥3,630
2018年刊「感覚重視型技術の最前線」の普及版!「触感」「心地良さ」を追求し、感覚の評価や計測に基づいたものづくり・ことづくりを紹介した1冊。
(監修:秋山庸子)
<a href="http://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=115649"target=”_blank”>この本の紙版「感覚重視型技術の最前線 ―心地良さと意外性を生み出す技術―(普及版)」の販売ページはこちら(別サイトが開きます)</a>
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2018年当時のものを使用しております。
秋山庸子 大阪大学
岩村吉晃 東邦大学
坂本真樹 電気通信大学
渡邊淳司 日本電信電話(株)
早川智彦 東京大学
望山 洋 筑波大学
藤本英雄 名古屋工業大学
岩木 直 (国研)産業技術総合研究所
原田暢善 フリッカーヘルスマネジメント(株)
山口明彦 東北大学
近井 学 (国研)産業技術総合研究所
井野秀一 (国研)産業技術総合研究所
石丸園子 東洋紡(株)
金井博幸 信州大学
早瀬 基 花王(株)
松江由香子 クラシエホームプロダクツ(株)
西村崇宏 国立特別支援教育総合研究所
土井幸輝 国立特別支援教育総合研究所
藤本浩志 早稲田大学
長谷川晶一 東京工業大学
三武裕玄 東京工業大学
井上真理 神戸大学
仲村匡司 京都大学
木村裕和 信州大学
岡本美南 TOTO(株)
白井みどり 大阪市立大学
瓜﨑美幸 淀川キリスト教病院
山本貴則 (地独)大阪産業技術研究所
山田憲嗣 大阪大学
武田真季 大阪大学
大野ゆう子 大阪大学
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<<目次>>
【第I編 感覚のメカニズム】
第1章 感覚の分類と触覚
1 はじめに
2 触覚、特殊感覚、一般感覚、体性感覚
2.1 アリストテレスの五感と触覚
2.2 Weberの触覚と一般感覚
2.3 感覚点の研究に始まる皮膚受容器同定の試み
2.4 体性感覚
3 体性感覚の生理学
3.1 触圧覚の受容器
3.2 温度受容器と痛覚受容器
3.3 皮膚の無毛部と有毛部
3.4 深部感覚
3.5 深部受容器
3.6 自己受容感覚、固有感覚
3.7 運動感覚
3.8 単一神経活動電位記録による皮膚受容器の同定
3.9 体性感覚を伝える末梢神経の種類と伝導速度
3.10 Microneurogramにより同定されたヒトの触覚受容器
3.11 原始感覚と識別感覚:Headの2元説
3.12 識別感覚の中枢
4 無髄(C)線維の生理学:快楽的(hedonic)触覚
4.1 無髄(C)線維の活動電位記録
4.2 ヒトの触覚にかかわる無髄線維活動の記録と同定
4.3 ヒトの触覚にかかわる無髄線維興奮の最適刺激
4.4 有毛部の低閾値無髄線維の役割:有髄線維を失った患者での観察
4.5 触覚を伝える低閾値無髄線維は島皮質に投射し、体性感覚野には投射しない
4.6 GLでは島皮質が厚くなり、体性感覚野が薄くなっている
4.7 快楽的触覚を処理する脳部位は島
5 おわりに
第2章 五感と快不快
1 感覚を表すオノマトペ
2 オノマトペの音に反映される手触りの快不快
3 食べたり飲んだりした時の感覚もオノマトペの音に反映される
4 オノマトペの音に反映される手触りと味の快不快の共通性
5 オノマトペの音から感覚的印象を推定するシステム
【第II編 感覚をはかる・感覚ではかる~計測技術】
第3章 感覚のオノマトペと官能評価
1 感覚イメージとその表象
2 オノマトペによる触り心地の可視化
3 触覚オノマトペの分布図の作成
4 オノマトペ分布図と想起される素材・質感
5 オノマトペ分布図の音韻論による分析
6 オノマトペの分布図を利用した触相図の作成
7 触相図の利用法
第4章 快・不快をはかる~触覚の官能評価と物理量の関係~
1 快・不快とは
2 触覚の快・不快の決定因子の検討
3 触覚を表す言葉と触対象の系統化
3.1 触覚を表す言葉の快・不快への分類
3.2 触対象の系統化
4 快・不快と物理量の関係づけ
4.1 触対象による快・不快の官能評価の特徴
4.2 快・不快と物理量の関係
5 快・不快の物理モデル構築と妥当性評価に向けて
第5章 触覚ではかる
1 はじめに:微小面歪の検出
2 触覚コンタクトレンズ
3 Morphological Computationという視点
3.1 Morphological Computationとは
3.2 Morphological Computationとしての触知覚
3.3 ゴム製人工皮膚層メカトロサンド
3.4 典型例としてのひずみゲージサンド
4 ひずみゲージサンドによる微小面歪検出
4.1 ひずみゲージサンドの基本特性
4.2 機械学習の利用
5 おわりに
第6章 視覚ではかる―ちらつき知覚の変化に基づく簡易疲労計測技術―
1 はじめに
2 ちらつき知覚のコントラストによる変化を用いた疲労検査
3 強制選択・上下法によるちらつき知覚閾値の決定方法
4 ネットワークを用いた日常疲労計測のためのプロトタイプシステム
5 まとめ
【第III編 感覚をつくる・つかう~提示・代行技術~】
第7章 ロボットハンドへの触覚導入
1 はじめに
2 ロボットハンドで使われている触覚センサ
2.1 光学式触覚センサ
2.2 触覚のモダリティ
3 触覚センサを搭載したロボットハンドの応用事例
3.1 触覚センサを使った対象物・環境認識
3.2 触覚センサを使った物体操作
4 触覚は本当に必要か?
4.1 触覚と行動学習
5 オープンソース触覚センサプロジェクト
第8章 感覚代行
1 はじめに
2 感覚代行研究の歴史
3 視覚に障害がある人たちへの福祉技術(視覚の代行技術)
4 聴覚に障害がある人たちへの福祉技術(聴覚の代行技術)
5 楽しみを分かちあう福祉技術
6 おわりに
【第IV編 感覚を重視したものづくり・ことづくり~生活環境設計からロボットまで~】
第9章 繊維製品における心地良さの計測技術
1 はじめに
2 心地良いと感じられる商品の開発手法
3 熱・水分特性に関する心地良さの数値化
4 肌触りに関する心地良さの数値化
5 圧力特性に関する心地良さの数値化
6 生理計測による心地良さの数値化
7 おわりに
第10章 健康と快適を目指した衣服における感性設計・評価
1 はじめに
2 熱中症リスク管理に貢献するスマート衣料の開発
2.1 産学連携による包括的な課題解決策の提案
2.2 実効性を担保する設計・評価サイクルの実践
3 肥満症予防を目指した運動効果促進ウェアの開発
4 高機能ウェア開発における「着心地」という障壁
第11章 感性を考慮したスキンケア化粧品設計
1 はじめに
2 感性価値の評価
3 感性価値を化粧品へ付加するために必要な処方ポイント
3.1 五感へアプローチする方法
3.1.1 視覚へのアプローチ
3.1.2 嗅覚へのアプローチ
3.1.3 触覚へのアプローチ
3.2 意識へアプローチする方法
4 おわりに
第12章 ヘアケア製品における感性設計―シャンプーのなめらかな洗いごこちを生み出す技術―
1 シャンプーの基本機能
2 シャンプーの組成
3 心地良さを感じる機能
4 なめらかな指どおりとは
5 なめらかな指どおりを生み出す技術
6 コアセルベート
7 反力積分値による毛髪すべり性測定
8 シャンプーの感性機能設計
9 今後の展望
第13章 ユーザの特性に合わせた操作しやすいタッチパネル情報端末のGUI設計
1 はじめに
2 ユーザの特性評価と設計への応用
2.1 ユーザの身体寸法を考慮したGUI設計
2.2 画面表面での指先の滑りやすさを考慮したGUI設計
2.3 操作方法や手指の姿勢を考慮したGUI設計
3 タッチパネル情報端末のアクセシビリティ
4 おわりに
第14章 柔らかいロボットの開発
1 はじめに
2 人を傷つけず、自らが壊れないロボット
2.1 力や圧力を拡大する機構
2.2 慣性力
2.3 コンプライアンス性の高い関節、ロボット
2.4 全体が柔軟な機構
3 ぬいぐるみによる屈曲機構
3.1 素材等の選定
3.1.1 綿
3.1.2 糸
3.1.3 布
3.1.4 外皮とクッション
3.1.5 糸を巻き取るアクチュエータ
3.2 糸の組み合わせと配糸
3.3 長軸回りの回転関節
3.4 繰り返し精度と提示可能な力の範囲
4 ぬいぐるみロボットの制御
4.1 計測データに基づく運動学・逆運動学計算
4.2 力制御
4.2.1 力計測
4.2.2 制御計算の分散処理
5 ぬいぐるみロボットの動作生成
5.1 キーフレームの再生
5.2 外界センサ入力に応じた動作生成
6 ぬいぐるみロボットの機能と性能
6.1 運動性能と力制御の効果
6.2 耐久性
7 今後の展望
第15章 自動車における感性設計
1 はじめに
2 布の触感
2.1 人の皮膚特性と布の特性
2.2 触感の主観評価
2.3 布の触感の客観的評価に用いられる物理特性
2.4 客観評価式
3 自動車シート用材料の触感
3.1 試料と主観評価
3.2 主観評価
3.3 物理特性の測定
3.4 主観評価結果
3.5 物理特性と主観評価の関係
3.6 既存式(秋冬用紳士スーツ地)の客観評価式への応用
3.7 シート用材料の客観評価式の誘導
3.8 評価式を用いた客観評価と主観評価との関係
3.8.1 秋冬用紳士スーツ地の既存式による客観評価
3.8.2 誘導された自動車シート用皮革の式による客観評価
4 おわりに
第16章 木材の見えの数値化と印象評価との関係
1 はじめに
2 画像解析による材面の特徴抽出
3 木質床材の外観特性の抽出と表現
3.1 木質床材の収集
3.2 材鑑画像の取得
3.3 画像解析
3.4 画像特徴量の設定
4 材面の印象評価
5 おわりに
第17章 住環境の快適条件―温熱環境と音環境―
1 住環境の快適条件
2 住環境の温熱的快適性
3 居住空間における快適な音環境
第18章 住環境における感性設計(浴室用シャワーヘッド)
1 背景、目的
2 シャワー吐水の浴び心地に影響する心理的要因の分析
2.1 評価形容語の抽出
2.2 浴び心地に対する心理構造の分析
3 シャワー吐水のすすぎやすさに対する心理構造分析
3.1 実験① すすぎやすさとすすぎ時間の関係検証
3.2 実験② すすぎやすさの心理構造分析
3.3 すすぎ時のシャワー水流観察
3.4 すすぎやすさを高める心理的、物理的要因の考察
4 おわりに
第19章 認知症高齢者の「心地良さ」と環境づくり
1 はじめに
2 認知症高齢者の特徴
2.1 認知症とは
2.2 認知症の症状
2.2.1 中核症状
2.2.2 BPSD
2.3 加齢に伴う変化
3 認知症高齢者の環境づくりに関する研究
3.1 認知症高齢者の環境づくりの意義・目的
3.2 認知症高齢者への環境支援のための指針(PEAP 日本版3)
3.3 環境づくりに関する介入研究の紹介
3.3.1 事例1
3.3.2 事例2
4 おわりに
第20章 褥瘡予防寝具に求められる性能―シープスキン寝具の検討例―
1 はじめに
2 倫理的配慮
3 高齢被験者による実証実験と官能評価
4 高齢被験者から得られた仙骨部接触圧および組織血流量と官能評価の関係
5 高齢被験者の身体的特徴と仙骨部接触圧および組織血流量との関係
6 おわりに
第21章 看工融合領域におけるロボットによる心地良さへの試み
1 はじめに
2 看工融合領域
3 看工融合領域とロボット
3.1 洗髪ロボット
3.2 心地よさを評価するポイントについて(洗浄効果に着目)
4 おわりに
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月刊バイオインダストリー 2016年10月号
¥3,960
<<著者一覧>>
舩本誠一 東京医科歯科大学
木村 剛 東京医科歯科大学
岸田晶夫 東京医科歯科大学
田川大輔 森下仁丹(株)
高橋宏明 ユシロ化学工業(株)
白川瑛規 ユシロ化学工業(株)
加藤秀典 黒金化成(株)
牧昌次郎 電気通信大学
長岡 功 順天堂大学
華 見 順天堂大学
坂本廣司 順天堂大学
蓬田 伸 東北薬科大学
奥津徳也 栗田工業(株)
Liesbet Lagae imec
<<総目次>>
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BIO REVIEW
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生物由来材料を使った人工血管の開発動向
An overview of artificial blood vessels prepared by biological materials
これまで, 生物由来材料とはコラーゲン, ゼラチンなどの精製タンパク質あるいは化学架橋された動物由来組織を指していた。近年, 新しい加工プロセスである脱細胞化や生体内で素材を構築する技術が提案され, 生物由来材料の考え方が大幅に広がっている。本稿では人工血管に焦点を絞り, 最近の生体由来材料の応用について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 生物由来材料の最近の動向
2.1 脱細胞化生体組織
3. 生物由来材料を用いた人工血管
3.1 シルク
3.2 細胞・生体を用いて調製した細胞外マトリックス
3.2.1 細胞および生体反応を用いて調製したECMによる人工血管
3.2.2 生体組織を用いて調製したECMによる人工血管
4. 生物由来材料と人工材料の複合化の試み
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シームレスカプセルの開発と応用展開
Seamless capsule of the development and application
【目次】
1. はじめに
2. 森下仁丹シームレスカプセルの製造方法
3. 森下仁丹シームレスカプセルの機能と特性
4. 生きた乾燥ビフィズス菌末のカプセル化
5. バイオカプセルの開発
6. シームレスカプセルの機能
6.1 遮蔽効果
6.2 リリースコントロール
6.3 物質吸収
6.4 マイクロリアクター
7. シームレスカプセルの応用
7.1 レアメタル・貴金属回収カプセルの開発
7.2 環境浄化カプセルの開発
7.3 シロアリ駆除剤カプセルの開発
8. 最後に
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BIO R&D
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自己修復性ポリマーゲルの紹介
The introduction of self-healing polymer gel
【目次】
1. はじめに
2. 自己修復の技術動向
2.1 工学的な手法
2.2 物理的な手法
2.3 化学的な手法
3. 「ウィザードゲル」について
3.1 分子構造とホスト-ゲスト相互作用
3.2 耐乾燥性能
3.3 自己修復性能
3.4 その他の性能
4. おわりに
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深部観察用発光試薬の開発
Innovation of NIR luciferin analogue for in vivo imaging
光イメージングは, RIのように特別な施設を必要とせず, かつ空間分解能が高い精密計測ができることで知られているが, 生体内深部可視化が世界的課題であった。ホタル生物発光型近赤外発光材料を創製し実用化することで, 生体計測に新しい方法を提案することができた。再生医療の実用化研究には, 中・大型動物の経時精密計測が必要となる。近赤外イメージング技術は正に, このニーズに最適な技術である。発がんやがん転移の可視化にもこの技術は活用できるであろう。
【目次】
1. はじめに
2. ニーズと背景
3. 技術開発
4. 工業化について
5. 市場
6. 展望
7. おわりに
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グルコサミンの抗血小板凝集作用と抗動脈硬化作用
Anti-Platelet Aggregation and Anti-atherosclerotic Actions of Glucosamine
【目次】
1. はじめに
2. 血小板凝集抑制作用
3. 血管内皮細胞の活性化抑制
4. グルコサミンの抗動脈硬化作用
5. おわりに
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塩素化エチレン分解能を有する
嫌気性微生物群の大量培養
Large-scale production of anaerobic bacterial consortia containing the genus
著者は, 塩素化エチレン汚染地下水の微生物浄化技術に関連し, 中間生成物であるクロロエチレンを確実に無害化できるDehalococcoides属細菌を含む, 嫌気性微生物群の大量培養方法を開発した。本報では, 200L容量の発酵槽を用いた嫌気性微生物群の大量培養方法とその培養液をもちいた実汚染地下水における浄化事例について述べる。
【目次】
1. はじめに
2. 揮発性有機塩素化合物の分解機構
3. Dehalococcoides属細菌の特徴
4. Dehalococcoides属細菌を含む嫌気性微生物群の大量培養
5. 培養液の品質確認
6. バイオオーグメンテーションの現場実証試験
6.1 サイト概要
6.2 施工およびモニタリング
6.3 不飽和帯における気相中PCE 濃度の推移
6.4 施工結果
7. おわりに
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干し草の山の中の針でも見つける(またはそれを調べる)ことが出来るチップ
This chip can find the needle in a haystack( and examine it)
【目次】
1. introduction(はじめに)
2. Scanning everything from tumor cellsto stem cells
(腫瘍細胞から幹細胞まですべてをスキャン)
3. A concept comes alive(コンセプトが現実となる)
4. A smart combination of silicon technology, lens free microscopy and ultrasmall steam bubbles
(シリコン技術とレンズフリー顕微鏡法と超マイクロ水蒸気泡の賢い組み合わせ)
5. The power of parallelization(並列化の力)
※英論文に日本語を併記しております。
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BIO BUSINESS
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バイオポリアミド
Bio-polyamide
【目次】
1. 概要
2. 生産量
3. 用途
4. ポリアミド関連企業動向
5. 価格
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BIO PRODUCTS
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コラーゲン
Collagen
【目次】
1. 概要
2. 毒性
3. 製法
4. 生産
5. 需要
6. 価格・荷姿
7. 市場予測
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ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ナトリウム)
Sodium hyaluronate
【目次】
1. 概要
2. 毒性
3. 製法
4. 生産
5. 需要
6. 価格・荷姿
7. 市場予測 -
月刊バイオインダストリー 2015年12月号
¥3,960
【特集】環境ストレス耐性作物の開発に向けて
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特集にあたって
Introduction
篠崎和子 (東京大学)
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企業における環境ストレス耐性作物の開発の現状
―乾燥耐性トウモロコシを例として―
Current Status of Development of Stress Tolerant Crops in Industry
― Case of Drought Tolerant Corn―
山根精一郎 (日本モンサント(株))
地球温暖化に伴う環境ストレスの中でも, 干ばつは収穫量への影響が大きく, その対策の一環として遺伝子組換え技術を利用した乾燥耐性作物が開発されている。モンサント・カンパニーが商品化した遺伝子組換え乾燥耐性トウモロコシは効果が高く, 生産者から支持を得ている。今後, 農業生産を維持・拡大する環境ストレス耐性技術の研究開発が期待される。
【目次】
1. はじめに
2. 環境ストレス耐性作物の開発
3. DroughtGard(R)トウモロコシ(MON87460)の乾燥耐性効果
4. DroughtGard(R)トウモロコシの乾燥耐性のメカニズム
5. アフリカにおける乾燥耐性トウモロコシ
6. おわりに
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統合オミックス情報解析と作物育種への利用
Effective Application of Large-Scale Omics Data and Knowledge-Based Information on Crop Plants
工藤 徹 (明治大学)
寺島 伸 (明治大学)
矢野健太郎 (明治大学)
ゲノムやトランスクリプトームなどの大規模オミックス情報の蓄積に伴い, 有用遺伝子の探索と高度利用化の促進などが期待される。ここでは, 大規模な遺伝子発現情報に基づく遺伝子探索手法やWeb データベース・知識ベースの活用法, 圃場情報(フェノームなど)とオミックス情報の統合データベース整備について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 遺伝子発現情報解析
3. CAに基づく遺伝子発現ネットワーク構築
4. 高信頼度な遺伝子機能アノテーション情報の整備と活用
5. 圃場情報管理システムの整備
6. おわりに
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植物ゲノム編集技術の現状と作物育種への利用
Development and Application of Genome Editing for Molecular Breeding in Plants
雑賀啓明 (農業生物資源研究所)
土岐精一 (農業生物資源研究所)
ゲノム編集技術は標的遺伝子を効率良く改変できる変異導入技術である。この技術は遺伝子の機能解析などの基礎研究のみならず, 植物の分子育種などの応用研究にも広く利用され始めている。ゲノム編集技術自体の開発も加速度的に進んでおり, 今後の進展が期待される。
【目次】
1. はじめに
2. 人工制限酵素
3. ゲノム編集技術
3.1 標的変異(targeted mutagenesis)
3.2 標的組換え( 遺伝子ターゲッティング, gene targeting[GT])
4. 植物研究へのゲノム編集の利用
5. おわりに
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植物の乾燥・高温応答の解明と耐性作物の開発に向けて
Analysis of Drought and Heat Stress Response in Plant for Developing Stress-Tolerant Crops
佐藤 輝 (理化学研究所)
篠崎和子 (東京大学)
近年, 植物の環境ストレス応答の詳細な分子メカニズムが明らかにされつつある。その中で乾燥や高温ストレス耐性作物を開発するための重要な知見も得られており, 地球温暖化が進む中で環境変動による作物の減収を防ぐことが期待されている。本稿では, 環境ストレス耐性作物の開発に関わる知見や, 課題, その解決策などについて紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 環境ストレス耐性向上の効果とその汎用性の考察
3. 環境ストレス耐性向上に付随する問題
4. 環境ストレス耐性向上の制御
4.1 プロモーター開発によるストレス条件限定的な制御
4.2 化学物質添加による条件限定的な制御
4.3 ストレス条件限定的な機能を持つ共役因子の開発
4.4 環境ストレス耐性と生長の複合的な制御
5. おわりに
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大型台風にも負けない強稈性を持つ耐倒伏性イネの開発
Development of Lodging Resistant Rice with a Strong Culm for Overcoming Large Typhoons
大川泰一郎 (東京農工大学)
地球温暖化に伴う集中豪雨, 台風の大型化などによりイネの倒伏被害が拡大している。将来の食料, 飼料増産, バイオマスエネルギー原料としてイネを利用する場合, 重い穂, 地上部バイオマスを支える強健な稈に改良する必要がある。現在, イネゲノム情報を利用したマーカー選抜により効率的に耐倒伏性イネを開発できるようになってきた。
【目次】
1. はじめに
2. 強稈イネ品種の持つ特徴とその原因遺伝子
3. 強稈準同質遺伝子系統とそれらの集積による強稈コシヒカリの開発
4. 低リグニン性と強稈性を両立するイネの開発とその形質解明
5. 大型台風に負けない極強稈性イネの開発に向けて
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光障害を防ぐ植物ビタミンC トランスポーターの発見
Identification of a Vitamin C Transporter Required for Photoinhibition Tolerance
宮地孝明 (岡山大学)
森山芳則 (岡山大学大学院)
ミトコンドリアで作られたビタミンCは葉緑体に運ばれ光障害を防ぐために使われている。一連の輸送過程は光障害の防御に重要であるが, よくわかっていなかった。著者らは, この過程を司るビタミンCトランスポーターを同定した。ビタミンCが光ストレスを軽減する分子機構の一端が解明された。
【目次】
1. はじめに
2. ビタミンCの役割
3. ビタミンCの輸送機構
4. 新しい輸送活性測定法の開発
5. ほ乳類のトランスポーター研究から得たヒント
6. 植物のビタミンCトランスポーターの発見
7. おわりに
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ナトリウム排除能が高いヨシ根におけるナトリウム下方移動の証明
Evidence for Na+ Exclusion to the Direction of Root Tips in Common reed
樋口恭子 (東京農業大学)
藤巻 秀 (日本原子力研究開発機構)
筆者らは放射性Naと非破壊的画像化技術, および新たなデータ解析手法を用いて, ヨシの根では侵入したNaが地上部に到達する前に回収され根の先端に向かって送り返されていることを証明した。これは新たな耐塩性作物を作出する端緒となるとともに, 本法が植物生理学および農学に対して新たな展開をもたらすことを示している。
【目次】
1. ナトリウムに対する中生植物の応答
2. 植物体内でのナトリウム輸送・分配の観察
3. 生きた植物体内での物質移動の観察―PETIS―
4. ヨシ根におけるナトリウム下方移動の証明
5. 今後の展望
5.1 ナトリウム排除能の高いイネの作出に向けて
5.2 「核農学」の確立
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効率的な窒素栄養吸収を可能にする根-葉-根間長距離シグナル伝達
Effective Nitrogen Uptake Controlled by Root-to-Shoot-to-Root Long-Distance Signaling
田畑 亮 (名古屋大学)
松林嘉克 (名古屋大学)
土壌中の硝酸イオンの分布は不均一であるため, 植物は個体全体として硝酸イオン取り込み量を最適に保つように, 根-葉-根間の情報伝達を介して, それぞれの根において取り込み量を変化させるシステムを保持している。本稿では, この全身的な硝酸イオン取り込み制御機構において, ペプチドホルモンCEP を介した長距離シグナルが果たす重要性について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. CEPファミリーペプチド
3. CEP受容体の同定
4. CEP受容体の二重変異体における硝酸イオントランスポーターの発現量低下
5. 窒素欠乏によるCEPファミリーペプチドの発現量上昇
6. 全身的窒素要求シグナリングにおけるCEPの役割
7. CEPR受容体はCEPペプチドを地上部で認識している
8. CEPおよびCEP受容体を介した全身的窒素要求シグナリング
9. おわりに
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BIO R&D
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CHO細胞培養におけるIgG モノクローナル抗体の酸性電荷バリアントに対する温度シフトの影響
Effect of Temperature Shift on Levels of Acidic Charge Variants in IgG Monoclonal Antibodies in CHO Cell Culture
岸下昇平 (中外製薬(株))
青柳秀紀 (筑波大学)
Chinese Hamster Ovary(CHO)細胞による抗体生産において, 酸性電荷バリアント(ACV)は抗体の重要な品質特性の一つであるが, その有効な制御に着目した培養法はこれまで報告されていない。臨床開発中の抗体の生産性向上をめざし, 製法改良を行ったところ, ACV 量の増加が認められた。この問題を解決するために, Failure Modes and Effects AnalysisとPlackett-Burman計画を活用したスクリーニングを試みた結果, ACV量の制御に有効な培養パラメーターを効率的かつ客観的に見出すことができ, その有用性が示唆された。得られた知見に基づき, 培養温度を低温にシフトさせることで, CHO細胞による抗体生産においてACV 量を低下させることに成功した。
【目次】
1. はじめに
2. Plackett-Burman計画による培養の制御パラメーターのスクリーニング
3. 培養温度シフト(シフト温度・シフトタイミング)が酸性電荷バリアントへ及ぼす影響の解析
4. おわりに
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TOPICS
応用脳科学の産業分野への利用拡大
Industrial Innovation by Applied Neuroscience
萩原一平 ((株)NTT データ経営研究所)
小俣貴宣 ((株)NTT データ経営研究所)
茨木拓也 ((株)NTT データ経営研究所)
山崎和行 ((株)NTT データ経営研究所)
脳科学の産業応用は人工知能分野への脳科学研究成果の活用が行われるようになり, 急速に顕在化している。しかし, 欧米では, 以前より, IT分野に限らず, あらゆる産業分野において, 人間の脳活動, とりわけ無意識に行われる意思決定や, ダイナミックな脳システムに関する研究成果がビジネスに活用されている。本稿では, その一部を紹介しつつ, 全体的な動向を概観する。
【目次】
1. なぜ今脳科学なのか
1.1 企業が生み出すものは満足した顧客の脳
1.2 選好に関する神経科学的研究の背景
2. 新商品開発における神経科学の知見と技術の応用
2.1 脳のメカニズムに根差した商品設計
2.2 新商品が市場で消費者にどのように捉えられるかを神経科学関連技術で評価
2.3 商品・サービスの魅力を実際に消費者に訴求していく際の, 広告効果の予測や改善
3. 香りを活用したビジネスの拡がり
3.1 フレグランスの心理的効果と活用
3.2 フレーバーの心理的効果と活用
3.3 香りを活用した商品開発のトレンド
3.4 香りを活用した商品開発をサポートする共用データベースの開発
4. ニューロエコノミクス研究が示す応用脳科学の将来 -
内外美容成分―食べる化粧品の素材研究―《普及版》
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2017年刊「内外美容成分―食べる化粧品の素材研究―」の普及版。内外美容の特許事情やその素材の研究動向および、機能性表示食品市場の主要メーカー・素材について解説した1冊!
(監修:島田邦男)
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2017年当時のものを使用しております。
島田邦男 琉球ボーテ(株)
日比野英彦 日本脂質栄養学会
香西雄介 神奈川歯科大学
印南 永 神奈川歯科大学
矢野嘉宏 知財問題研究家
渡辺章夫 中部大学
米澤貴之 中部大学
照屋俊明 琉球大学
禹 済泰 中部大学;(株)沖縄リサーチセンター
坪井 誠 一丸ファルコス(株);岐阜薬科大学
田川 岳 丸善製薬(株)
向井克之 (株)ダイセル
下田博司 オリザ油化(株)
築城寿長 ダイワボウノイ(株);信州大学
宮本 達 (株)アイフォーレ
大門奈央 キユーピー(株)
吉田英人 キユーピー(株)
森藤雅史 (株)明治
竹田翔伍 オリザ油化(株)
山下修矢 農業・食品産業技術総合研究機構
立花宏文 九州大学
上岡龍一 崇城大学;表参道吉田病院
上岡秀嗣 健康予防医学研究所
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<<目次>>
【第I編 総論】
第1章 我が国における内外美容の規制の現状
1 はじめに
2 食品領域と内外美容
2.1 変遷
2.2 科学的根拠と表示
2.3 一般食品
2.4 保健機能食品
2.5 機能性表示食品
2.6 栄養機能食品
2.7 健康補助食品
3 おわりに
第2章 最近の脂質に関するトピックスと内外美容への応用
1 皮膚の構造と脂質
2 セラミドの役割
3 アシルセラミド
3.1 アシルセラミドの機能
3.2 表皮の構造とアシルセラミド
3.3 アシルセラミドの生合成
3.4 表皮におけるセラミドと皮膚バリア機能
3.5 スフィンゴ脂質の経口摂取が皮膚に与える影響
4 皮膚におけるホスホリパーゼの役割
4.1 脂質メディエーター
4.2 分泌性ホスホリパーゼA2
4.3 皮膚に特異的に発現しているホスホリパーゼ
5 おわりに
第3章 骨構造解析とその技術を応用した肌構造評価法
1 はじめに
2 骨構造と骨密度
3 骨構造解析
4 皮溝の構造解析
第4章 内外美容の最新特許事情
1 はじめに
2 内外美容の特許事情全体をどのように調べるか?
3 内外美容に関する主要技術の特許事情調査
3.1 コラーゲンに関する特許出願動向
3.2 ヒアルロン酸に関する特許出願動向
3.3 セラミドに関する特許出願動向
3.4 グルコサミンに関する特許出願動向
3.5 レスベラトロールに関する特許出願動向
4 おわりに
【第II編 内外美容素材の研究動向】
第5章 ノビレチン(シークヮーサー抽出物)の化粧品・健康食品原料への有用性
1 はじめに
2 シークヮーサーとノビレチンについて
3 ノビレチンの抗肥満効果
4 ノビレチンの抗シワ効果
5 ノビレチンの抗掻痒効果
6 ノビレチンの美白効果
7 さいごに
第6章 サケ鼻軟骨プロテオグリカンとアーティチョーク葉抽出物シナロピクリンの肌老化改善
1 はじめに
2 肌構造
3 プロテオグリカン
3.1 サケ鼻軟骨プロテオグリカン
3.2 サケ鼻軟骨プロテオグリカンの抗加齢・美容効果
3.3 ヒト皮膚細胞への作用
3.4 美容効果外用
3.5 経口摂取による美容効果
3.6 プロテオグリカンの働き
3.7 プロテオグリカンのまとめ
4 アーティチョーク葉抽出物
4.1 アーティチョーク
4.2 アーティチョーク葉に含まれるシナロピクリン
4.3 肌におけるNF-κB
4.4 アーティチョーク葉
4.5 美容効果外用
4.6 経口摂取による美容効果
4.7 アーティチョークのまとめ
5 終わりに
第7章 パイナップル由来グルコシルセラミドの内外美容
1 はじめに
2 パイナップル由来グルコシルセラミドについて
3 臨床試験による美肌効果
3.1 長期経口摂取試験
3.2 化粧用エキスの併用効果
4 メカニズムの機能性研究
4.1 表皮をターゲットにした機能性評価
4.2 真皮をターゲットにした機能性検討
5 パイナップル由来グルコシルセラミドの安全性
5.1 長期摂取試験
5.2 過剰摂取試験
6 おわりに
第8章 うんしゅうみかん由来β-クリプトキサンチンの美容効果について
1 はじめに
2 β-クリプトキサンチンによるコラーゲン産生促進作用
3 β-クリプトキサンチンによるヒアルロン酸,アクアポリン産生促進作用
4 β-クリプトキサンチンによる美白作用
5 β-クリプトキサンチン経口摂取によるシミ消去作用
6 おわりに
第9章 紫茶エキスの抗肥満およびスキンケア効果
1 はじめに
2 紫茶エキスの抗肥満作用
3 紫茶エキスのスキンケア効果
4 おわりに
第10章 機能性フタロシアニンと皮膚への作用
1 機能性フタロシアニン
1.1 はじめに
1.2 機能性フタロシアニン
1.3 機能性フタロシアニンの触媒機能
1.4 繊維への応用
1.5 消臭・抗菌繊維「デオメタフィ」
1.6 抗アレルゲン繊維「アレルキャッチャー」
1.7 黄砂・PM2.5への対応
1.8 痒み鎮静繊維「アレルキャッチャーAD」
1.9 おわりに
2 美容酵素メディエンザイムの作用メカニズム
2.1 はじめに
2.2 化粧品の安全性に関わる問題
2.3 メディエンザイムについて
2.4 メディエンザイムの皮膚透過性
2.5 メディエンザイムの有用性
2.6 内外美容の有用性
2.7 表面美容効果と内側からの美容効果
2.8 まとめ
第11章 脂質の内外美容素材としての機能
1 はじめに
2 化粧品用リン脂質
3 環状ホスファチジン酸
4 毛穴目立ち
5 N-3系脂肪酸
6 おわりに
第12章 高付加価値を持つヒアルロン酸の内外美容
1 はじめに
2 ヒアルロン酸の性質
3 ヒアルロン酸の塗布による皮膚改善効果
3.1 低分子ヒアルロン酸
3.2 超保湿型ヒアルロン酸
4 ヒアルロン酸の経口摂取
4.1 ヒトに対する経口摂取ヒアルロン酸の皮膚改善効果
4.2 紫外線照射皮膚障害マウスに対する経口投与ヒアルロン酸の光老化予防効果
4.3 経口投与のヒアルロン酸の吸収について
5 おわりに
第13章 乳由来スフィンゴミエリンの皮膚バリア機能改善効果
1 はじめに
2 乳由来のスフィンゴミエリンとその構造
3 乳由来スフィンゴミエリンの皮膚バリア機能改善効果
3.1 ドライスキンモデルによる評価
3.2 紫外線照射モデルによる評価
3.3 荒れ肌モデルによる評価
3.4 ヒトによる評価
4 おわりに
第14章 イチゴ種子エキスの角層セラミドおよび表皮バリアー機能分子に及ぼす作用
1 はじめに
2 イチゴ種子エキス
3 表皮機能に関与する分子
3.1 セラミド
3.2 フィラグリン
3.3 インボルクリン
4 実験方法
5 結果および考察
5.1 角層セラミドに及ぼす影響
5.2 角層セラミド合成に関与する遺伝子発現への影響
5.3 フィラグリンおよびインボルクリン発現への影響
6 おわりに
第15章 フラボノイドの抗アレルギー作用
1 はじめに
2 フラボノイドとは
3 Ⅰ型アレルギーの発症機序
4 フラボノイドの抗アレルギー作用
4.1 フラボノール
4.2 フラボン
4.3 イソフラボン
4.4 メチル化カテキン
5 おわりに
第16章 焼酎もろみエキスの美白効果に関する研究
1 はじめに
2 単式蒸留しょうちゅう
2.1 一次仕込み
2.2 二次仕込み
2.3 蒸留
3 焼酎粕の化粧品への応用
4 おわりに
【第III編 機能性表示食品市場と内外美容】
第17章 機能性表示食品制度における注目企業と商品
1 大手食品,飲料メーカー
1.1 キリンホールディングス
1.2 アサヒグループホールディングス
1.3 ミツカン
1.4 日本水産
1.5 カゴメ
1.6 サントリーホールディングス
1.7 大塚食品/三井物産
1.8 江崎グリコ
1.9 森永グループ(森永製菓/森永乳業)
1.10 ヤクルト本社
1.11 日本ハム
1.12 味の素
1.13 伊藤園
1.14 雪印メグミルク
2 医薬品,香粧品メーカー
2.1 ライオン
2.2 花王
2.3 ファンケル
2.4 ロート製薬
2.5 森下仁丹
2.6 武田薬品工業
2.7 小林製薬
2.8 資生堂
3 健康食品,通信販売メーカー
3.1 キューサイ
3.2 八幡物産
3.3 日健総本社
3.4 日本予防医薬
3.5 ファイン
4 機能性食品の原料メーカー
4.1 ユーグレナ
4.2 DSMグループ
4.3 ホクガン
4.4 池田糖化工業
4.5 富士化学工業
4.6 ニチレイバイオサイエンス
4.7 太陽化学
4.8 築野食品工業
4.9 ブロマ研究所
5 生産者団体,異業種メーカーその他
5.1 アークレイ
5.2 JAみっかび/農研機構果実研究所
5.3 新潟市農業活性化研究センター
5.4 井原水産
第18章 主要機能性素材の市場動向
1 美容/アンチエイジング素材
1.1 コラーゲン
1.2 プラセンタエキス
1.3 セサミン
1.4 セラミド
1.5 大豆イソフラボン/エクオール
1.6 マカ抽出物
2 骨/関節サポート素材,抗ロコモ素材
2.1 ヒアルロン酸
2.2 グルコサミン/アセチルグルコサミン
2.3 コンドロイチン(コンドロイチン硫酸塩)
2.4 クレアチン
3 アイケア素材
3.1 ルテイン/ゼアキサンチン
3.2 アスタキサンチン
3.3 ビルベリー
3.4 カシス
4 健脳サポート素材
4.1 イチョウ葉エキス
4.2 DHA
4.3 ナットウキナーゼ
5 ダイエット素材
5.1 L-カルニチン
5.2 カプサイシン(トウガラシ抽出物)/カプシエイト
5.3 黒ショウガ(黒ウコン)
5.4 キトサン
5.5 明日葉
6 免疫サポート素材
6.1 アガリクス(ヒメマツタケ)
6.2 植物性乳酸菌
6.3 プロポリス
7 その他の機能性素材
7.1 ウコン(ターメリック)抽出物/クルクミン
7.2 核酸(DNA-Na)
7.3 乳酸菌
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ヘルスケア・ウェアラブルデバイスの開発《普及版》
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2017年刊「ヘルスケア・ウェアラブルデバイスの開発」の普及版。ウェアラブルデバイスに求められる装着違和感の低減、動きへの追従性などの課題解決へ向けた材料、実装技術を紹介した1冊。
(監修:菅沼克昭)
<a href="http://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=9363"target=”_blank”>この本の紙版「ヘルスケア・ウェアラブルデバイスの開発(普及版)」の販売ページはこちら(別サイトが開きます)</a>
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2017年当時のものを使用しております。
菅沼克昭 大阪大学
高河原和彦 日本電信電話(株)
小笠原隆行 日本電信電話(株)
樋口雄一 日本電信電話(株)
家裕隆 大阪大学
安蘇芳雄 大阪大学
竹田泰典 山形大学
時任静士 山形大学
関口貴子 (国研)産業技術総合研究所
荒木徹平 大阪大学
吉本秀輔 大阪大学
植村隆文 大阪大学
関谷毅 大阪大学
入江達彦 東洋紡(株)
石丸園子 東洋紡(株)
吉田学 (国研)産業技術総合研究所
井上雅博 群馬大学
鳥光慶一 東北大学
川喜多仁 (国研)物質・材料研究機構
竹内敬治 (株)NTTデータ経営研究所
保坂寛 東京大学
菅原徹 大阪大学
荒木圭一 (株)KRI
辻村清也 筑波大学
四反田功 東京理科大学
植原聡 日立化成(株)
柴田智章 日立化成(株)
池田綾 日立化成(株)
矢田部剛 日立化成(株)
天童一良 日立化成(株)
峯岸知典 日立化成(株)
越地福朗 東京工芸大学
能木雅也 大阪大学
和泉慎太郎 神戸大学
竹井邦晴 大阪府立大学
鈴木克典 ヤマハ(株)
木村睦 信州大学
岡部祐輔 セメダイン(株)
大高秀夫 バンドー化学(株)
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<<目次>>
第1章 IoTとウェアラブルの世界
1 IoTのためのウェアラブル・フレキシブル・エレクトロニクス
1.1 IoTとウェアラブル・デバイス
1.2 ウェアラブルで必要とされる要素技術
1.3 ウェアラブル・デバイスとプリンテッド・エレクトロニクス
2 導電性機能素材hitoe(R)を用いたウェアラブル技術と応用展望
2.1 はじめに
2.2 導電性機能素材“hitoe(R)”と,ウェア型生体情報計測デバイス
2.2.1 導電性機能素材“hitoe(R)”
2.2.2 ウェア型生体情報計測デバイスの構成技術
2.3 スマートフォンによる生体情報の推定
2.3.1 心電波形による呼吸活動の推定
2.3.2 心拍数による運動許容量の推定
2.3.3 加速度による様態情報の推定
2.4 生体情報に基づくサービス応用への展開
2.5 まとめ
第2章 フレキシブルトランジスタ
1 塗布法への適用に向けたn型有機トランジスタ材料の開発
1.1 はじめに
1.2 OFETの素子構造と駆動原理
1.3 n型OFET材料に向けた電子受容性ユニットの設計
1.4 カルボニル架橋電子受容性ユニットを導入したn型OFET材料の開発
1.5 ジシアノメチレン基導入シクロペンテン縮環チオフェンに基づくn型OFET材料開発
1.6 N-アルキルフタルジチオイミドを末端ユニットに導入したn型OFET材料の開発
1.7 おわりに
2 超薄型フィルム上に作製した全印刷型有機集積回路
2.1 はじめに
2.2 全印刷有機薄膜トランジスタの作製プロセス
2.2.1 トランジスタ構造が抱える課題
2.2.2 印刷電極が抱える課題
2.3 超薄型フィルム基板上の全印刷型有機集積回路
2.3.1 超薄型フィルム基板上への全印刷型有機トランジスタの作製
2.3.2 超薄型フィルム基板上のデバイス特性
2.4 今後の展望
3 導電性単層CNTゴム複合材料による柔軟・伸張性トランジスタ
3.1 概要
3.2 単層CNTゴムトランジスタの構造
3.3 CNTゴムトランジスタの製造プロセス
3.4 単層CNT,ゴム,ゲルのトランジスタの柔軟性
3.5 おわりに
第3章 ストレッチャブル配線
1 ウェアラブルデバイスのための印刷可能なストレッチャブル配線
1.1 はじめに
1.2 ストレッチャブル配線
1.3 銀ナノワイヤを用いたストレッチャブル透明導電膜
1.4 レーザーを用いた非接触印刷によるストレッチャブル配線の形成
1.5 超ストレッチャブル配線
1.6 まとめ
2 ストレッチャブル導電性ペーストの開発と応用展望
2.1 はじめに
2.2 ストレッチャブル導電性ペースト
2.2.1 概要
2.2.2 伸長時の抵抗変化
2.2.3 繰り返し伸縮時の抵抗変化
2.2.4 スクリーン印刷性
2.2.5 ストレッチャブル導電性ペーストまとめ
2.3 ストレッチャブル配線を用いた応用例
2.3.1 フィルム状機能素材“COCOMI(R)”
2.3.2 心電図計測
2.3.3 心電図計測ウェアの活用
2.3.4 生体情報計測ウェアの開発の課題
2.4 おわりに
3 高伸縮導電配線
3.1 はじめに
3.2 高耐久・高伸縮配線の実現
3.3 高伸縮性短繊維配向型電極
3.4 高伸縮性マトリクス状センサーシート
3.5 まとめ
4 伸縮性配線の疲労メカニズムと実装技術
4.1 はじめに
4.2 主な伸縮配線材料の種類
4.2.1 金属および関連材料
4.2.2 導電性高分子
4.2.3 エラストマーをバインダとした導電ペースト
4.2.4 伸縮性配線材料の比較
4.3 繰返し変形に伴う疲労現象
4.3.1 金属疲労
4.3.2 エラストマー(ゴム)の疲労
4.4 伸縮性導電ペースト印刷配線の繰返し引張試験
4.5 今後のストレッチャブルデバイスの発展を見据えた実装技術上の課題
4.6 おわりに
5 フレキシブルシルク電極
5.1 はじめに
5.2 フレキシブルシルク電極
5.3 応用例
5.3.1 フレキシブルシルク電極(絹糸)
5.4 おわりに
6 樹脂との密着性と柔軟性に優れた導電材料の開発とフレキシブルインターコネクトへの応用
6.1 はじめに
6.2 高導電性ポリマー/金属複合材料とその構造
6.3 光溶液化学を用いた導電性ポリマー/金属複合材料の高速合成
6.4 液滴塗布プロセスと光化学反応プロセスの融合による導電性ポリマー/金属複合材料の微細パターンの形成
6.5 導電性ポリマー/金属複合材料とプラスチック基材との密着性
6.6 導電性ポリマー/金属複合材料の柔軟性
6.7 おわりに
第4章 電池・電源
1 ウェアラブルデバイス向けエネルギーハーベスティング技術
1.1 はじめに
1.2 ウェアラブルデバイスの電源オプション
1.2.1 電源配線
1.2.2 電池
1.2.3 無線電力伝送
1.2.4 エネルギーハーベスティング
1.3 ウェアラブル向けエネルギーハーベスティング技術の開発動向
1.3.1 太陽電池
1.3.2 電波
1.3.3 力学的エネルギー
1.3.4 熱エネルギー(温度差)
1.3.5 その他の発電方式
1.4 今後の課題
2 ジャイロ型振動発電機
2.1 はじめに
2.2 ジャイロ効果
2.3 モータ回転型発電機
2.4 ダイナビー型発電機
2.5 おわりに
3 ウェアラブルデバイスに向けたフレキシブル・マイクロ熱電素子の開発
3.1 はじめに
3.2 熱電発電(変換)技術
3.3 フレキシブル熱電モジュール(素子)の設計指針(デザインと用途)
3.4 フレキシブル熱電モジュールの作製方法と変換特性
3.5 フレキシブル熱電モジュールの信頼性
3.6 ウェアラブル・ポータブル用フレキシブル・マイクロ熱電モジュール
4 塗布型フレキシブル熱電変換素子の作製技術とウェアラブルデバイスへの適用
4.1 はじめに
4.2 フレキシブル熱電変換素子とは
4.3 ナノ粒子の合成
4.4 インク化
4.5 薄膜の作製~カレンダ処理
4.6 π型フレキシブル熱電変換素子の作製
4.7 ファブリックモジュール
4.8 まとめと今後の展望
5 ウェアラブル電源としてのバイオ電池
5.1 化学物質(バイオ燃料)からの環境発電
5.2 バイオ電池の作動原理,技術
5.3 性能向上に向けた課題と開発動向
5.3.1 炭素のメソ孔制御
5.3.2 炭素のマクロ孔制御
5.4 高性能ウェアラブルバイオ電池の開発:印刷型電池
5.5 未来のアプリケーション
5.6 まとめ
第5章 その他材料・技術
1 ウェアラブルデバイスのための透明封止材
1.1 はじめに
1.2 当社の透明封止材のコンセプト
1.3 透明封止材の評価方法と基準
1.4 透明封止材の評価結果
1.4.1 機械特性
1.4.2 光学特性
1.4.3 透湿性
1.4.4 埋め込み特性
1.4.5 曲げ試験
1.4.6 伸び試験
1.4.7 防水試験
1.4.8 信頼性試験
1.5 おわりに
2 人体通信技術のウェアラブルデバイスへの活用
2.1 はじめに
2.2 ワイヤレスボディエリアネットワーク
2.3 人体通信を利用したマルチメディア映像・音声信号の伝送
2.4 人体通信技術の自動車システムへの適用
2.5 まとめ
3 セルロースナノファイバーを用いた折り畳み可能な透明導電膜とペーパー太陽電池
3.1 背景と目的
3.2 結果および考察
3.3 結論
4 ウェアラブル呼気センサのための半導体ナノ材料
4.1 はじめに
4.2 酸化モリブデンとナノ構造の基板成長
4.3 ガスセンサ素子の作製とセンサ特性
4.4 まとめ
第6章 センサデバイス開発
1 ウェアラブル生体センサ
1.1 はじめに
1.2 ウェアラブル生体センサの課題
1.3 ウェアラブル生体センサの低消費電力化技術
1.3.1 センサとアナログ回路
1.3.2 メモリとロジック回路
1.3.3 無線通信
1.4 ウェアラブル生体センサシステムの開発事例
1.4.1 心拍抽出アルゴリズムの開発
1.4.2 不揮発マイコンの開発
1.4.3 SoCの開発
1.5 まとめ
2 ウェアラブルなフレキシブル健康管理パッチ実現に向けて
2.1 はじめに
2.2 加速度センサ
2.3 温度センサ
2.4 紫外線センサ
2.5 心電センサ
2.6 センサ集積健康管理パッチ
2.7 結言
3 紡績性MWCNTを用いた衣類型ウェアラブルモーションセンサ
3.1 はじめに
3.2 薄型ストレッチャブル動ひずみセンサの概要
3.3 製造プロセス,構造,動作原理
3.4 センサの特性
3.4.1 静的特性,動的特性
3.4.2 繰り返し耐久性
3.5 センサの動作原理
3.6 伸縮配線技術
3.7 応用提案と応用事例
3.7.1 モーションセンシング
3.7.2 衣類型ウェアラブルモーションセンサ
3.7.3 動作認識
3.7.4 呼吸計測
3.7.5 ロコモーショントレーニング向けサポーター
3.7.6 データグローブとその活用
3.8 おわりに
4 有機導電性繊維を用いたテキスタイルデバイス
4.1 はじめに
4.2 テキスタイルデバイス
4.3 異方的機能を持つ配列ナノファイバー集合体
4.4 導電性高分子の繊維化とデバイス化
4.5 まとめ
5 低温硬化形導電性接着剤「セメダインのSX-ECA」の開発とデバイス応用
5.1 はじめに
5.2 エレクトロニクスの現状
5.3 設計コンセプト
5.4 低温硬化・フレキシブル導電性接着剤の特長
5.5 SX-ECAの応用例
5.5.1 柔軟EMIシールド
5.5.2 印刷による配線形成
5.5.3 銀ナノワイヤハイブリッドによる高性能化
5.5.4 柔軟接続構造設計
5.5.5 高意匠性衣類
5.6 おわりに
6 伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH(R)」の開発
6.1 はじめに
6.2 C-STRETCH(R)の計測原理と基礎特性
6.3 C-STRETCH(R)の特長
6.4 応用の利用例
6.5 おわりに
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月刊バイオインダストリー 2016年7月号
¥3,960
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【特集】微細藻類が生み出すオイル/成分の産業展望
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リン欠乏応答性プロモーターを利用したナンノクロロプシス油脂合成の改変
A Phosphorus Starvation-inducible Promoter is Effective in Manipulating TAG Synthesis in Nannochloropsis
岩井雅子 (東京工業大学)
太田啓之 (東京工業大学)
近年, 藻類油脂の産業利用が話題になっているが, 藻類では栄養欠乏時に油脂などが大量に細胞内に蓄積することが知られている。最近我々は, 特に植物で研究を行ってきたリン欠乏時における膜脂質転換の仕組みを藻類に活用することで, 藻類の油脂蓄積の改変に成功した。本稿では研究の現状と今後の展望についてモデル藻類であるクラミドモナスと油脂高生産藻であるナンノクロロプシスを中心に述べる。
【目次】
1. 植物における油脂代謝改変研究
2. 藻類における油脂代謝研究
3. クラミドモナスを用いた油脂蓄積
4. ナンノクロロプシスを用いた油脂蓄積の応用
5. 今後の展望
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海洋微細藻類によるグリーンオイル生産における屋外大量培養技術開発
Development of Outdoor Mass Cultivation for Green Oil Production Using Marine Microalgae
松本光史 (電源開発(株))
野島大佑 (国立大学法人 東京農工大学)
田中剛 (国立大学法人 東京農工大学)
微細藻類によるグリーンオイル生産技術では, 安定的に屋外で微細藻類を培養・生産する技術の確立が一貫生産プロセスを構築する上で非常に重要となる。さらに, 生み出されたグリーンオイルがしっかりとしたCO2削減効果を有する価値のあるものとするには, プロセス全体のエネルギー収支, CO2バランスが取れたプロセス技術としなければならない。本稿では, 特に屋外培養技術を中心にし, 上述した点について議論したい。
【目次】
1. はじめに
2. 微細藻類によるグリーンオイル生産一貫プロセスに求められるもの
3. グリーンオイル年間生産に向けた屋外培養技術
3.1 年間生産のハードル
3.2 ソラリス株, ルナリス株による年間を通じた屋外培養
3.3 屋外培養におけるグリーンオイル蓄積条件
3.4 培養規模の大型化と天然海水利用
4. ソラリス株におけるオイル蓄積機構の解明
5. ソラリスオイルのブランド化
6. まとめ
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微細藻類の大量培養システムの開発
Large-Scale-Culture Systems Development of Microalgae
増田篤稔 (玉川大学)
微細藻類は, 食品添加剤から試験薬の原材料まで利用されている。新規産業用の有用物質探査や燃料用途の研究などが継続的に行われており, 産業利用可能な有用物質も発見されるなど注目のバイオマス資源である。しかし, 産業化するためには, 低コストで安定的な生産技術が求められている。室内大量培養システム開発方法を解説し, 屋外培養での留意点を述べる。
【目次】
1. はじめに
2. 微細藻類培養装置開発に関する基礎的知見
2.1 培養槽における環境制御項目
2.2 光環境
2.3 溶存ガス環境
3. 設計における環境因子の定量方法
3.1 培養槽外郭周辺の光環境設計計算
3.2 培養槽内の光環境計測と培養器形状
3.2.1 光透過測定装置と結果
3.2.2 解析
3.2.3 考察
3.3 培養内におけるガス挙動
3.3.1 培養槽内における溶存酸素濃度動態について
3.3.2 培養槽を用いた溶存酸素動態の検討事例
4. 実用プラントにおける餌料用微細藻類培養システム開発
4.1 培養槽条件と設計と性能
4.2 実用プラントシステム
5. 屋外培養についての留意点
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微細藻類収穫用分離板型遠心分離機「三菱ディスクセパレータ」
Disc Type Centrifuge“Mitsubishi Disc Separator”for Harvest of Microalgae
加治圭介 (三菱化工機(株))
三菱化工機(株)は, 産学協同の一社藻類産業創成コンソーシアムに参画し, 「福島県再生可能エネルギー次世代技術開発事業」に採択された福島藻類プロジェクトで活動してきた。本稿では, 福島藻類プロジェクトの藻類バイオマス生産開発拠点で微細藻類の収穫・濃縮用として稼動する分離板型遠心分離機「三菱ディスクセパレータ」について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 三菱ディスクセパレータの特徴と構造
2.1 微細藻類の収穫・濃縮方法
2.2 分離板型遠心分離機の分離理論
2.3 排出機構
3. 微細藻類の収穫・濃縮工程の実証結果
3.1 藻類培養液
3.2 微細藻類の収穫率
3.3 濃縮液の濃度
4. おわりに
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金属触媒を用いた藻類オイルの軽質化
Production of Lighter Compounds from Algal Oils using Metal Catalysis
冨重圭一 (東北大学大学院工学研究科)
中川善直 (東北大学大学院工学研究科)
田村正純 (東北大学大学院工学研究科)
藻類が産生する重質な炭化水素を液体燃料として有用度の高い軽質なオイルへ変換して利用する方法について, オイルの炭化水素分子の骨格構造を維持したまま炭素―炭素結合を水素化分解する方法について紹介する。この方法は石油精製産業で用いられている固体酸触媒と金属触媒の二元機能型触媒と異なり, 藻類オイルが持つ構造的特徴を活かした生成物の利用を志向するものである。
【目次】
1. はじめに
2. 触媒の活性金属スクリーニング
3. Ru/CeO2触媒を用いたスクワランの水素化分解反応試験結果と従来触媒系との比較
4. Ru/CeO2触媒上の水素化分解反応を用いたスクワランの軽質化
5. Ru/CeO2触媒の構造的特徴
6. まとめ
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藻類を利用した持続可能な油脂原料の開発
Development of Sustainable Raw Materials of Fats and Oils using Microalgae
萩原浩 (花王(株))
筆者が所属する花王(株)は“社会のサステナビリティヘの貢献”を目的に, バイオマスの高度利用を中心とした先進的な環境技術研究を進めている。本稿では, 界面活性剤の原料である天然油脂の主成分「中鎖脂肪酸」を多く蓄える藻類の獲得, および「中鎖脂肪酸」の生成に寄与する酵素類を藻類より初めて見出すことに成功したので紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ラウリン酸生産藻類の探索
3. 培地・培養条件の改良によるラウリン酸の生産性向上
4. 藻類由来の中鎖脂肪酸特異的Acyl-ACP thioesterase(TE)の発見
5. 藻類由来の中鎖脂肪酸特異的β-Ketoacyl ACP synthase(KAS)の発見
6. 最後に
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ヘマトコッカス藻から得られるアスタキサンチンの食品への展開
Food Application of Astaxanthin Derived from Haematococcus Algae
清水稔仁 (オリザ油化(株))
単少桀 (オリザ油化(株))
下田博司 (オリザ油化(株))
抗酸化作用を有するカロテノイドの一種であるアスタキサンチンは, ヘマトコッカス藻を産業的に培養し製造している。アスタキサンチンには多岐にわたる機能性が見出されており, 食品への応用も盛んである。本稿ではそのヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンの安定性, 安全性, 機能性について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. アスタキサンチン
3. アスタキサンチンの安定性
4. アスタキサンチンの安全性
5. アスタキサンチンの機能性
6. おわりに
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BIO R&D
加熱変性リゾチームの抗ノロウイルス性とこれを含むアルコール系製剤の開発
Research of Anti-Norovirus Activity of Heat Denatured Lysozyme and Development of Alcohol Based Disinfectant Containing it
武内章 (キユーピー(株))
東京海洋大学食品微生物学研究室との共同研究により, リゾチームを加熱変性したものに抗ノロウイルス活性があることが判った。この加熱変性リゾチームを含み, これ1本でノロウイルス・食中毒菌リスクを軽減できるアルコール系製剤を開発した道筋をご紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. ヒトノロウイルスの代替ウイルスを評価系として使用する際の問題点
3. リゾチーム溶液の加熱変性条件とMNV感染価の低下の関係
4. 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたウイルス粒子の観察
5. PMAを使用するqRT-PCR法によるMNVとヒトノロウイルスのカプシド蛋白の破壊の確認
6. ウイルス不活性化を起こすアミノ酸配列領域の決定
7. 学術研究の成果を中核とした新規商材の商品開発戦略
8. 加熱変性リゾチーム含有アルコール製剤「リゾパワーNV」の開発
9. 本製剤と各種抗ノロウイルス剤との比較
10. 本製剤のタマゴアレルゲン
11. 本製剤の使用例
12. 今後の展望
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BIO BUSINESS
バイオポリエチレン(バイオPE)の市場
Market of Bio-based Polyethylene
【目次】
1. はじめに
2. PE の生産量と需要
2.1 低密度ポリエチレン
2.2 高密度ポリエチレン
3. バイオPE 関連企業動向 -
月刊バイオインダストリー 2022年6月号
¥4,950
<著者一覧>
植田充美 京都大学
髙橋美帆 同志社大学
田中一晶 京都工芸繊維大学
古旗祐一 (国研)産業技術総合研究所
加藤義雄 (国研)産業技術総合研究所
草田裕之 (国研)産業技術総合研究所
玉木秀幸 (国研)産業技術総合研究所
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BIO ENERGY
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バイオエネルギー研究の進展状況
Current Studies on Bioenergy
バイオエネルギー研究は,デンプンやバイオマス由来のバイオエタノールが中心であるが,技術と実装にギャップがある。今後,ブルーリソースの活用が必要になる。一方,バイオディーゼル燃料の活用は進んでいる。地球温暖化防止・カーボンニュートラルにより,空中CO2固定は最重要課題であり,水素やアンモニアのカーボンフリー燃料への指向も大きな動きである。
【目次】
1 現況認識
2 食糧とエネルギーの非競合共役増産
3 前処理法の開発?バイオマスの完全糖化システムの合成生物学的創製
4 低炭素社会の新しいプラットフォーム:シュガープラットフォームとフェノールプラットフォームの形成
5 脱炭素エネルギーへの転換
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BIO REVIEW
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志賀毒素による細胞内小胞輸送制御がアミロイドβ産生を抑制する
Shiga Toxin Suppresses the Production of Amyloid β by Altering the Intracellular Transport of Amyloid Precursor Protein
アルツハイマー病の発症に関与すると言われるアミロイドβ(Aβ)は,その前駆体タンパク質APPが細胞内小胞輸送される過程でタンパク質分解酵素により切断され産生される。筆者らは,志賀毒素が小胞輸送されるに伴い,APPのリソソームへの輸送が亢進し,その結果Aβ産生が減少することを見出した。本稿では本知見について概説する。
【目次】
1 はじめに
2 APPの細胞内輸送
3 Stxと細胞内輸送
4 StxとAPPの細胞内局在性
5 mStx2によるAβ産生の変化
6 おわりに
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ビデオ通話相手の身体を実体化するロボティックテレプレゼンスの開発
Development of Robotic Telepresence Systems That Physically Embodies the Video Call Partner’s Body Part
近年,ビデオ通話等のテレプレゼンスの需要が高まっている。しかしながら,ビデオ通話で創出できる空間共有感(相手と同じ空間で対面している感覚)は十分ではなく,様々な社会問題が生じている。本稿ではそれらの問題が生じる原因について考察すると共に,ロボットで相手の身体を実体化することでビデオ通話における空間共有感を高めるロボティックテレプレゼンスについて紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 指示ジェスチャの実体化
3 身体接触の再現
3.1 人の手の触感を再現するロボットハンドの開発
3.2 ビデオ通話+身体接触のインタフェースデザイン
4 まとめ
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植物細胞に対するタンパク質導入
Protein Delivery into Plant Cells
近年ゲノム編集を初めとする多様なバイオテクノロジーの発展に伴い,機能性タンパク質を細胞内に導入することの重要性が高まっている。本稿ではまず,導入標的としての植物細胞の特徴と従来の導入技術について概説する。続いて特にタンパク質の直接導入に焦点を当て,実例を交えながら従来技術と比較,解説する。
【目次】
1 はじめに
2 導入標的としての植物細胞
3 導入分子の形態
4 植物におけるDNA導入
5 植物におけるタンパク質導入
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耐熱性プロバイオティクス乳酸菌由来の新規な耐熱性胆汁酸塩加水分解酵素の発見
Isolation of a Highly Thermostable Bile Salt Hydrolase from a Thermotolerant Probiotic Lactic Acid Bacterium
胆汁酸塩加水分解酵素は,乳酸菌の腸内定着性の向上やヒトのコレステロール低減などに関わる重要なプロバイオティクス酵素である。近年,筆者らは耐熱性乳酸菌から単離した新規な胆汁酸塩加水分解酵素が極めて高い耐熱性と安定性を有することを発見した。本稿では,特に産業利用の観点から筆者らの研究の意義やインパクトについて概説する。
【目次】
1 はじめに -プロバイオティクス乳酸菌と胆汁酸耐性-
2 胆汁酸耐性を有する新種Lactobacillus属乳酸菌の発見
3 胆汁酸塩加水分解酵素遺伝子の機能解析
4 LapBSHが高い耐熱性を有することを発見
5 L. paragasseriにも高い耐熱性があることを発見
6 BSHの新機能を発見
7 まとめと今後の展望
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BIO BUSINESS
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再生医療
経済産業省の算出によると,再生医療の周辺産業まで含めた市場規模は,2012年の260億円から急速に拡大し,2030年には1.6兆円に達すると予測されている。2014年には再生医療推進に向け新たな法律も施行され,早期承認への道筋がつけられたほか,これまでは医療機関に限られていた細胞培養加工等の外部委託が可能となり,周辺産業も含めた市場の活性化が期待されている。
【目次】
1 概要
2 関連制度と体制
3 研究開発動向
4 メーカー動向
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健康食品・機能性食品工業
2021年の特定保健用食品(トクホ)市場規模は5,800億円(前年比104%)と推定され,市場は縮小に転じた。新型コロナウイルスへの抵抗力向上目的で乳酸菌関連が,また外出自粛により生活習慣病関連商品の需要が高まったが,全体としては新製品開発の停滞,機能性表示食品への移行等がマイナスに影響した。一方,機能性表示食品の市場規模は3,300 億円(前年度比120%)と推定され,前年に引き続き市場は大きく拡大した。コロナ禍の影響により,生活習慣病対策関連や抗ストレス・睡眠改善関連商品が市場をけん引した。2020年度は全体的な届出件数の増加に加え,「健康な人の免疫機能の維持」ほかいくつかの新規機能性の届出が認可され,トクホに代わり機能性表示食品を活用する動きはさらに加速している。
【目次】
1 健康食品と機能性食品
2 トクホ市場動向
3 機能性表示食品市場動向
4 健康食品の機能別市場動向
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食品添加物工業
高齢化や人口減少が進むわが国において,食品添加物市場は成熟化が進んでおり,近年横ばいに推移している。消費者の健康・安全への関心の高まりから一部の食品添加物に対しては忌避傾向がみられる一方,健康志向の高まり,高齢者や共働きの増加,日本食ブーム,インバウンド需要,アルコール離れ,災害用備蓄などの時勢の変化に対応した商品群は市場を拡大しており,これらに関連する食品添加物の需要は堅調に推移している。食品添加物公定書第9 版が2017 年11 月30 日に告示された。2007 年の第8 版発行から約10年ぶりの改定となり,この間に指定された89品目が新たに収載された。2021年6月,指定添加物472品目,既存添加物357品目,天然香料609品目が指定されている。
【目次】
1 概要
2 需給動向
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香料工業
2020年の国内生産量は前年比96.4 %の6万4,583トンと減少した。生産金額は前年比104.0%の1,856 億7,000万円となり,前年実績を上回った。香料には大きく分けて食品香料(フレーバー)と香粧品香料(フレグランス)があり,海外では同程度の市場を持っているが,国内ではおよそ7:1 で食品香料市場の方が大きい。2019 年の世界の香料売上高は,約265 億ドルと推定される。これはドルベースであり,現地通貨ベースでも増加している。特に中国,東南アジア市場の成長が大きい。香料は極めて嗜好性,快楽性の強い製品であるため,地域の気候,文化による差が大きく,それに対応した開発能力が求められている。
【目次】
1 需給動向
2 輸出入動向
3 安全問題への対応
4 メーカー動向
5 製品開発動向
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産業用酵素工業
産業用酵素は食品,洗剤,医薬,試薬など広範な分野で利用されている。その市場規模を正確に把握することは非常に難しいとされているが,2020年の世界市場は推計で6,900億円と推計される。さらに2025年には9,500億円へと,年6.5%の成長が予測されている。このような市場環境の中,わが国でも遺伝子組換え技術によるGMO 酵素が,環境問題やバイオエタノール需要の増加などの流れを受けて拡大を続けている。産業用酵素の利用分野では,エコロジー,エネルギー,ファインケミカル,食品・飲料分野などでの伸びが今後も期待され,洗剤用酵素も液体洗剤へのニーズの高まりから引き続き需要が増大するものと思われる。
【目次】
1 酵素の市場概況
2 産業用酵素の市場
3 メーカー動向
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BIO PRODUCTS
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アスパルテーム(Aspartame)
リゾチーム(Lysozyme)
D-アミノ酸(D-amino acid)
L-リジン塩酸塩(L-Lysine monohydrochloride)
-
月刊機能材料2023年12月号(電子版)
¥4,070
【特集】ポリマーアロイによる高機能材料の創製と開発動向
★ポリマーアロイは,異なるポリマーを組み合わせることによって得られる材料であり,様々な物理的・化学的特性を持たせることが可能となります。本特集では,高分子材料の多様な用途展開に向けたポリマーアロイに関する展開と,近年の取り組みを紹介しております。
<著者一覧>
今井昭夫 テクノリエゾン事務所
船津公人 奈良先端科学技術大学院大学
小林定之 東レ(株)
石井佑弥 京都工芸繊維大学
丸山純 (地独)大阪産業技術研究所
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【特集】ポリマーアロイによる高機能材料の創製と開発動向
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ポリマーアロイのモルフォロジー制御と相容化剤の分子設計
Polymer Alloy Morphology and Molecular Design of Compatibilizer
ポリマーアロイのモルフォロジー制御に有効な相容化剤としては,非相溶系のポリマー相界面に選択的に存在できるようなブロック共重合体等が選択されてきた。中でも,混合混練中に異種高分子鎖間に化学結合を生じて生成する反応型相容化剤が工業的にも多用されてきた。近年では,このように生成した相容化剤がマトリックス相中にもナノサイズ分散して,特殊な機能を発現させるような新世代ポリマーアロイの開発がすすんでいる。
【目次】
1 はじめに
2 ポリマーの相溶化と相容化
2.1 相溶と非相溶
2.2 相溶化と相容化
3 相容化剤の種類
3.1 非反応型相容化剤
3.2 反応型相容化剤
4 リアクティブプロセッシングと相容化剤
4.1 混練過程での相容化剤の生成
4.2 ナノサイズ分散ポリマーアロイ
5 ボトムアップ戦略とナノサイズ相分離ポリマー
6 第四世代ポリマーアロイ
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プロセスインフォマティクスとポリマーアロイを題材とした有機材料の設計
Design of Organic Materials on the Subject of Process Informatics and Polymer Alloys
高分子材料の開発においては,高分子のもととなるモノマー分子の設計や異なるモノマーの配合比率による共重合の設計が進んでいる。分子設計,材料設計というように目的物性に注目した構造設計も重要であるが,特にいくつかの原材料を配合して目的とする材料を作る場合,その作り方も最終的な物性を左右する重要な要因となる。つまり,何を作るかという時にその作り方まで同時に考慮することが求められる。この考え方をProcess informatics(プロセスインフォマティクス)と呼んでいる。さらに,目的のものを合成,製造している際に,リアルタイムに目的物性を監視し,目的物性を維持するように操作を制御する必要もある。ここではソフトセンサーと呼ばれる仕組みが重要な役割を果たしている。
【目次】
1 はじめに
2 プロセスも含めたポリマーアロイ設計戦略
3 新材料創出とその作り方の一体化:プロセスインフォマティクス
4 マテリアルズインフォマティクスは研究の仕方のフィロソフィーである
5 おわりに
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PBT/PC 共連続型高性能ナノアロイの開発と応用
Development and Industrialization of PBT/PC Co-Continuous High-Performance NanoAlloy
ナノオーダーで3次元連続構造形成を実現し,飛躍的な高性能化を実現する技術開発に成功した。本技術を,ポリカーボネート(PC)樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のアロイに適用すると,ナノオーダーで共連続構造を形成し,耐衝撃性,耐薬品性,耐熱性,剛性,透明性等の特性を飛躍的に高めた新材料を実現した。
【目次】
1 はじめに
2 スピノーダル分解による相分離構造の形成機構
3 PBT/PC共連続型高性能ナノアロイ
4 PBT/PC共連続型高性能ナノアロイ開発と応用
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[Material Report-R&Dー]
1回で編みあげることが可能であり無給電で動作可能な編物型タッチ/圧力センサ
Active Signal-Generating Touch/Pressure Sensor Produced with Single Step Knitting
1回で編みあげた編物からなり,無給電動作可能なタッチ/圧力センサを新規に開発した。本センサは,スペーサー構造を有し,糸のみからなる編構造体である。肌触りが良好であり,軽量かつ通気性に優れ,洗濯可能である。タッチ/圧力センシングには,環境中に常時放散されている電磁波を利用しているため無給電のセンシングが可能である。
【目次】
1 はじめに
2 開発したタッチ/圧力センサの構造
3 基本的な特徴
4 ヒトの指で接触および押込んだときの電圧出力特性
5 動作メカニズム
6 想定される活用事例と実用化に向けた課題
7 おわりに
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金属と窒素が添加された 3次元規則性多孔質炭素材料における触媒反応の選択性
Preference of Catalytic Reactions in Three-Dimensionally Ordered Porous Carbon Materials Doped with Metals and Nitrogen
3次元的に規則性細孔構造を有する炭素材料は,理想的に配置された細孔が効果的に機能し,かつ導電性を有するため電極材料として有望である。また,金属を窒素とともに炭素材料中に添加すると触媒能が付与される。本研究では,炭素源として新たな有機化合物を合成し,3次元規則性細孔の形成と効率的な金属添加の両立に成功した。またこの金属種によって触媒反応が選択されることを明らかにした。
【目次】
1 はじめに
2 3次元規則的多孔質炭素材料の合成
3 3次元規則的多孔質炭素材料の構造とmetal-N-Cサイト
4 電気化学反応に対する触媒活性
5 終わりに
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[Market Data]
全固体電池用添加剤の動向
【目次】
1 無機固体電解質(ガラス,ガラスセラミックス)
1.1 概要
1.2 硫化物系
1.3 酸化物系
1.4 錯体水素化物
2 有機固体電解質
2.1 概要
2.2 高分子
2.3 ゲル
2.4 分子結晶(結晶性有機物)
3 導電助剤
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積層セラミックコンデンサ(MLCC)の用途別動向
【目次】
1 自動車
2 スマートフォン・携帯電話
3 タブレット端末
4 ノートパソコン・パソコン
5 薄型テレビ
6 デジタルカメラ
7 第5世代移動通信システム(5G)インフラ
8 その他
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[Material Profile]
ポリカーボネートジオール
シクロヘキサノール -
月刊バイオインダストリー 2018年4月号
¥4,950
<<著者一覧>>
大日向耕作 京都大学
水野賀史 福井大学医学部附属病院
島田浩二 福井大学
滝口慎一郎 福井大学医学部附属病院
友田明美 福井大学
渕脇雄介 (国研) 産業技術総合研究所
若井 暁 神戸大学
長瀬健一 慶應義塾大学
関根秀一 東京女子医科大学
清水達也 東京女子医科大学
金澤秀子 慶應義塾大学
岡野光夫 東京女子医科大学
Seung Jin Lee Ewha Womans University
大和雅之 東京女子医科大学
高橋宗尊 (株)島津製作所
田島健次 北海道大学
小瀬亮太 東京農工大学
石田竜弘 徳島大学
松島得雄 草野作工(株)
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BIO R&D
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食品と神経系の新しい相互作用と腸−脳連関
~経口投与で有効なストレス緩和および意欲向上作用を示す中分子ペプチドの発見~
Novel Interactions Between Foods and the Nervous System via the Gut-brain Communication
膨大な分子種からなる食品成分と生体の相互作用について新しい方法論による解明を目指した。食品タンパク質の酵素消化物の一斉分析情報および構造−活性相関情報 (生理活性を示すペプチドの構造上のルール) を活用し一群の新規ペプチドを発見した。これらの中には10アミノ酸残基前後と比較的分子量が大きいにも関わらず経口投与で医薬品以上の強力な効果を示す場合がある。従来の吸収を前提とした作用機構とは異なり, 腸−脳連関を介した作用であることが明らかとなった。今回, 経口投与で精神的ストレス緩和作用や意欲向上作用を示す大豆や緑葉タンパク質由来ペプチドを中心に紹介する。
【目次】
1 はじめに
1.1 食品タンパク質に由来する生理活性ペプチド研究のはじまり
1.2 食品由来ペプチドの神経系との相互作用
2 構造−活性相関および一斉分析による生理活性ペプチドの効率的探索
2.1 生理活性を示すペプチドの構造上のルール解明
2.2 牛乳由来のストレス緩和ペプチドYLGの発見
2.3 大豆由来のストレス緩和ペプチドβCGα(323−333)の発見
3 腸−脳連関を介した経口投与で有効な機能性ペプチドの発見
3.1 Soy−deprestatin:大豆由来の意欲向上ペプチド
3.2 Soy−ghretropin:大豆由来のグレリン分泌ペプチド
3.3 Lacto−ghrestatin:牛乳由来のグレリン分泌抑制ペプチド
4 環境負荷低減を目指した緑葉の利用
4.1 RuBisCO Anxiolytic−Like Peptides (rALPs) :緑葉由来のストレス緩和ペプチド
5 今後の展望
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ADHDにおける遺伝子と脳画像の関連解析
Imaging Genetics in Children with ADHD
注意欠如・多動症 (ADHD) は不注意・多動性−衝動性を主徴とした神経発達症であり, これまで多くの遺伝子, 脳画像研究が行われてきた。本稿では, それらの研究について簡潔に概説した上で, 近年盛んに行われるようになってきているADHDのimaging genetics (画像遺伝学, 遺伝子と脳画像の関連解析) について, 著者らの研究を中心に紹介する。
【目次】
1 ADHDとは?
2 ADHDの脳画像研究
2.1 脳形態研究
2.2 Task-fMRI研究
2.3 安静時fMRI (resting state fMRI) 研究
3 ADHDの遺伝子研究
4 ADHDにおけるimaging genetics
5 おわりに
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「紙」を利用したその場簡易検査デバイス
Paper-Based Test Strip for Point-Of-Care Diagnostics
高齢化社会の到来に伴い「治療」から「予防」に向けて誰でもその場で手軽に検査が行える技術が望まれている。Point Of Care Testingはセンサの使い捨てが前提となるため, 安価で扱いやすい「紙」を利用した検査技術に対する期待は大きい。本稿では「紙」を利用した最近の診断薬や技術情報, 最先端の研究論文も交えて, その場簡易検査デバイスを実用化していくためのポイントや技術動向について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 簡易な検査デバイスの市場
3 薬毒物検査
4 尿検査
5 先端研究
5.1 紙を利用した化学分析
5.2 統合部材と紙を利用した化学分析
6 まとめ
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加熱で活性型になるバイオサイド
Novel Biocide Activated by Heating
シェールガス・オイル開発で現在も多用されているグルタルアルデヒドは, 生物毒性が高く, 作業者への暴露リスクや安定性の問題点がある。本稿で紹介するグルタルアルデヒド類縁体は安定性が高く, 生物毒性が低いことに加えて, 加熱による加水分解でバイオサイドとして活性型になるユニークな特徴を有している。
【目次】
1 はじめに
2 シェール開発
3 バイオサイド
4 従来型バイオサイド:グルタルアルデヒドの殺生効果と性質
5 新規バイオサイド:グルタルアルデヒド類縁体
5.1 グルタルアルデヒド類縁体の特徴
5.2 グルタルアルデヒド類縁体の殺生効果
6 鉄腐食性微生物に対する効果
6.1 微生物腐食を誘導する微生物
6.2 鉄腐食性微生物の腐食に対する効果
6.3 加熱後薬剤を使用した腐食抑制試験
7 MGTLの特性とバイオサイドしての新用法
8 おわりに
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積層化細胞シートの移植効率向上を目的とした細胞増殖因子徐放ファイバーマットの開発
Cell Growth Factor Releasing Fiber Mats for Effective Transplantation of Stacked Cell Sheets
細胞シート移植における積層化心筋細胞シートでは, 移植可能な心筋細胞シートの積層枚数に限界がある。そこで, 血管内皮細胞増殖因子を徐放するファイバーマットを開発し, 積層化心筋細胞シートと同時に移植すると, 積層化心筋細胞シート内に血管が構築され, 従来よりも多くの積層枚数の心筋細胞シート移植が可能になった。
【目次】
1 はじめに
2 細胞シートの特性
3 細胞増殖因子徐放ファイバーマットによる移植効率化
4 VEGF徐放ファイバーマットによる積層化心筋細胞シートへの血管導入
5 終わりに
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BIO ENGINEERING
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乳房専用PET 装置の開発と今後の期待
Development of Dedicated Breast PET System and the Future Direction
乳がんは女性のがんの中で, 罹患率では第一位, 死亡率では第五位である。しかしその一方で, 早期に発見し早期に治療すれば, 完治する可能性も高い。この20年ほどで急速に普及してきたPET装置は各種がん診断には有効だが, 乳がんの早期診断にはさらに高い解像力が要求される。当社はこれまでの長いPET 開発技術の歴史を基礎として, より性能の高い乳房専用PET 装置を開発したので, ここに概要を紹介する。
【目次】
1 乳がんの背景
2 国内外のPET装置開発の歴史
3 乳房専用PET装置の開発経緯
4 有用性と今後の期待
5 まとめ
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発酵ナノセルロース (NFBC) の大量生産とその医療応用
Large Scale Production of Nano-fibrillated Bacterial Cellulose(NFBC) and Its Medical Application
フルーツから分離したセルロース合成酢酸菌 (Gluconacetobacter intermedius NEDO-01) を用いて発酵ナノセルロース (ナノフィブリル化バクテリアセルロース (NFBC) ) の大量生産を行った。砂糖・糖蜜を原料として200L スケールのジャーファーメンターを用いることにより, 収量5.56g/LでのNFBCの大量生産に成功した。得られたNFBCの医療応用への可能性を調べるために, 胃がん由来腹膜播種に対する腹腔内化学療法への適用を試みた。
【目次】
1 はじめに
2 バクテリアセルロース (BC)
3 酢酸菌におけるセルロース合成
4 発酵ナノセルロース (NFBC) の創製
5 発酵ナノセルロース (NFBC) の大量生産
6 NFBCにおける医療応用の試み
7 まとめ
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《BIO BUSINESS》
脂肪酸工業
Fatty Acid Industry
脂肪酸は脂質を構成するほか, 生体内のエネルギー源にもなる。その工業面での用途は, ゴム工業, 塩ビ安定剤, 金属石けん, 界面活性剤などの多岐にわたっている。わが国の脂肪酸工業は2011年に発生した東日本大震災やそれに続く原子力発電所の稼働停止に加えて, 油糧種子生産国における異常気象の頻発, 原油価格の高騰, 欧州債務危機による世界経済への影響, 円高の長期化などの要因により長く低迷していた。2013年には立ち直りの兆しが見え, 生産, 販売実績ともに大幅な改善を示したが, それ以降はほぼ横ばいで推移している。
【目次】
1 需要概要
1.1 直分脂肪酸, 硬化脂肪酸
1.2 分別・分留脂肪酸
2 輸出入動向
3 原料動向
4 メーカー概要
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《BIO PRODUCTS》
ヨウ素(Iodine)
スクワレン・スクワラン(Squalene・Squalane) -
FORUMeBook No.1 新規難燃剤の開発と特性
¥1,832
【高分子難燃化技術の現状と難燃性評価試験法―難燃規格,難燃機構と難燃化技術を中心に―】
西澤仁(西澤技術研究所)
1 はじめに
2 難燃化技術の最近の動向
2.1 難燃性製品規格と要求される難燃性
2.2 難燃機構の基本と課題,最近の研究
2.3 難燃化技術の最新動向
3 難燃性評価試験法
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【新規リン系難燃剤ファイヤガード® FCX-210】
山中克浩(帝人)㈱
1 はじめに
2 リン系難燃剤の種類
3 高分子材料の燃焼機構と難燃機構
4 ファイヤガード® FCX-210 の特徴
5 ファイヤガード® FCX-210の難燃効果
6 今後の展開
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【新規ホスホン酸エステル難燃剤の開発と特性】
小林淳一(丸菱油化工業㈱)
1 はじめに
2 リン系難燃剤の難燃化機構
2. 1 一般的なリン系難燃剤の難燃化機構と問題点
2. 2 リン酸エステル類のドリップ促進による難燃化機構
3 新規ホスホン酸エステル難燃剤 ノンネン73 の特徴
3. 1 ノンネン73 の設計コンセプト
3. 2 一般性状および溶解度・相溶性
3. 3 揮発性
3. 4 耐熱性
4 適用例
4. 1 種々の合成樹脂への適用
4. 2 ポリオレフィンへの適用
5 おわりに -
月刊バイオインダストリー 2017年3月号
¥4,950
【特集】オリゴ糖の機能性開発
<<著者一覧>>
新井紀恵 (株)林原
宮坂清昭 三井製糖(株)
重久 晃 (株)ヤクルト本社
金井晴彦 ヤクルト薬品工業(株)
関 信夫 森永乳業(株)
山本采佳 焼津水産化学工業(株)
田中智子 江崎グリコ(株)
木下佳昭 学習院大学
内田就也 東北大学
中根大介 学習院大学
西坂崇之 学習院大学
山本朗仁 名古屋大学大学院
下島千明 名古屋大学大学院
竹内英之 名古屋大学環境医学研究所
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【特集】オリゴ糖の機能性開発
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トレハロースの特性を活かした機能性素材としての開発~エネルギー源, ストレス応答, オートファジー~
Development as a functional material making full use of trehalose characteristics ~Energy source, stress response, autophagy~
トレハロースは, 食品加工をはじめとする様々な分野で利用されている。ここでは, トレハロースの生物学的意義, 動物やヒト試験で認められた種々の生理作用の他, トレハロースが持つ生理作用がオートファジーと関連することを示唆する最近の知見を紹介し, 機能性素材としての今後の展望について記述する。
【目次】
1 はじめに
2 自然界に存在するトレハロースの生物学的意義
3 トレハロースの生理作用
3.1 トレハロース経口摂取が腸管に与える影響
3.2 トレハロースの骨吸収に対する影響
3.3 血糖やインスリンに与える影響
3.4 トレハロースの生活習慣病予防に対する効果
4 オートファジーとトレハロース
5 おわりに
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パラチノース(R)(イソマルツロース)
Palatinose(R)(Isomaltulose)
パラチノース(R)(イソマルツロース)はスクロースの構造異性体であり, 消化吸収が穏やかな二糖類である。他の糖質に由来する血糖上昇を抑え, 非う蝕性, 内臓脂肪蓄積抑制, 脳機能持続等の機能特性が報告されている。パラチノースは30年以上にわたる食経験があり, 特定保健用食品の関与する成分として認められた実績がある等, 安全性は確認されている。
【目次】
1 緒言
2 安全性
3 構造・代謝特性
4 血糖上昇抑制効果
5 内臓脂肪蓄積抑制効果
6 非う蝕・抗う蝕効果
7 脳機能維持・向上効果
8 用途展開及び実用例
9 おわりに
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ガラクトオリゴ糖
Galacto-oligosaccharides
ガラクトオリゴ糖は, 基本骨格であるラクトースにガラクトースが結合したオリゴ糖であり, 最も多用されるプレバイオティクスの一つである。本稿では, ガラクトオリゴ糖の合成や開発について説明するとともに, 近年明らかになった生理効果や作用機序についても概説する。
【目次】
1 概要
1.1 ガラクトオリゴ糖とは
1.2 GOSの合成反応
1.3 グルコシドヒドラーゼ(以下, GH)
1.4 市販されているGOS
1.5 高純度GOSの開発
2 オリゴメイトの機能性(ガラクトオリゴ糖の生理機能や作用機序の知見)
2.1 プロバイオティクスとの併用による感染防御効果の促進
2.2 腸内腐敗産物産生の抑制
2.3 皮膚症状の改善効果
2.4 育児粉乳で哺育される乳児への効果
2.5 ビフィズス菌によるGOS代謝メカニズム
2.6 これからの生理機能や作用機序の解析
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ラクチュロース(ミルクオリゴ糖)の機能性
Functionality of lactulose( Milk oligosaccharide)
ラクチュロースはヒトに消化, 吸収されることなく大腸に到達し, プレバイオティクスとしてビフィズス菌に利用され, 腸内フローラを改善する。世界中で健康食品, 医薬品などに利用されている。また, ラクチュロースは腸管壁のバリア性の評価などにも用いられている。今後, ラクチュロースを関与成分とした機能性表示食品が開発されていくと考えられる。
【目次】
1 はじめに
2 ラクチュロース(ミルクオリゴ糖)とは
3 ラクチュロースの生理機能
3.1 資化性
3.2 ビフィズス菌増殖作用
3.3 カルシウム, マグネシウム吸収促進作用
3.4 血糖値への影響
4 医薬品としての利用
4.1 便秘薬としての利用
4.2 高アンモニア血症改善薬
5 ラクチュロースを用いた検査
5.1 腸管壁バリア機能の測定
5.2 呼気水素試験
6 安全性
7 加工特性
8 おわりに
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機能性食品素材「キチンオリゴ糖」の応用
Application of chitin oligosaccharides as a functional food material
キチンオリゴ糖はカニ, エビなどの甲殻に含まれる高分子多糖類のキチンを部分加水分解することによりつくられるオリゴ糖である。多くの研究の結果, キチンオリゴ糖を含む様々な糖質は生体調節機能を有することが明らかとなってきた。焼津水産化学工業(株)では, キチンの高度利用を目指し, 食品用キチンオリゴ糖「NACOS-Y」を製造, 販売している。本稿では, キチンオリゴ糖の機能性食品素材としての特性, 機能性, および利用の現状について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 製造方法
3 特性
3.1 味質と甘味度
3.2 溶解度
3.3 水分活性
3.4 pH安定性
3.5 着色性
3.6 難消化性
3.7 腸内細菌資化性
4 安全性
5 免疫賦活作用・抗腫瘍作用
5.1 免疫賦活作用(リンパ球を用いた検討)
5.2 免疫賦活作用(マウス単球細胞 RAW264.7を用いた検討)
5.3 抗腫瘍作用(マウスを用いた検討)
6 免疫調節作用
7 その他の利用
8 おわりに
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リン酸化オリゴ糖カルシウムの機能性食品への応用
Application of Phosphoryl Oligosaccharides Calcium for Functional Foods
口腔の健康は生活の質を左右する重要な決定要因の一つある。健康寿命を寿命により近づけた長寿化社会を実現するためには, むし歯をはじめとする口腔疾患が原因の, 歯の喪失を防ぐことが重要な取り組みである。そこで我々は高水溶性カルシウムであるリン酸化オリゴ糖カルシウムを開発し, だ液の機能性強化によるう蝕予防に有効な手段を開発した。歯質の必須ミネラルであるカルシウム, リン酸, に加えて, 強化剤のフッ化物を唾液に安定的に溶かし込み, 歯質への浸透性を高めて結晶再生を促す技術開発に成功した。本稿では, その技術開発と特定保健用食品への利用研究までを概説する。
【目次】
1 はじめに
2 口腔ケアとリン酸化オリゴ糖カルシウム
3 う蝕(むし歯)と糖質
4 リン酸化オリゴ糖カルシウムの特性
5 オーラルケア食品の設計
6 唾液を介した歯エナメル質結晶の回復検証
7 特定保健用食品の取得
8 おわりに
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BIO R&D
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アーキアべん毛作動機構解明のための精密顕微測定技術
Imaging techniques for elucidation of motility mechanisms of archaella
自然界には化学エネルギーを力学的な仕事に変換する, 生体分子モーターと呼ばれるタンパク質が存在する。生体分子モーターの形や作動機構は生物種により様々であるが, 人類が生み出した機械を超越した精巧な仕組みで働く。本稿では光学顕微鏡下での精密測定により明らかとなった, アーキアが有する生体分子モーターの仕組みを紹介する。
【目次】
1 生体分子モーター
2 分子モーター研究を支えるイメージング技術
3 アーキア
4 1細胞レベルで詳細な運動を画像化する
5 まるで時計の針の様に規則正しく動くモーター
6 数値計算による遊泳運動の再現
7 おわりに
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歯髄幹細胞培養上清による多発性硬化症改善効果
Conditioned Medium from the Stem Cells of Human Exfoliated Deciduous Teeth Ameliorates Experimental Autoimmune Encephalomyelitis
再生医学(幹細胞移植療法)による多発性硬化症の治療が期待されている。しかしながら, 移植細胞の品質, 腫瘍形成や免疫拒絶の危険性など, 臨床応用には課題が多い。本稿では幹細胞が分泌する組織再生因子群を無血清培養上清として回収し, 多発性硬化症の治療法開発に応用した我々の研究を概説する。
【目次】
1 はじめに
2 再生医療の細胞源としての歯髄幹細胞の特性
3 歯髄幹細胞CMによる神経再生療法の開発
4 歯髄幹細胞CMによる新しいMS治療法の開発の可能性
5 まとめ
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≪BIO PRODUCTS≫
ポリ酸無水物(Polyanhydrides) -
月刊バイオインダストリー 2020年11月号
¥4,950
<著者一覧>
宮崎 均 筑波大学
浅野敦之 筑波大学
國府大智 筑波大学
安井貴之 筑波大学
中島 章 東京工業大学
砂田香矢乃 (地独)神奈川県立産業技術総合研究所
永井 武 (地独)神奈川県立産業技術総合研究所
石黒 斉 (地独)神奈川県立産業技術総合研究所
高橋弘毅 関西医科大学附属病院
梶野健太郎 関西医科大学附属病院
佐々木健一 関西医科大学
鈴木啓章 山梨大学
川原敦雄 山梨大学
松岡浩司 埼玉大学
島村宗尚 大阪大学
中神啓徳 大阪大学
冨永昌人 佐賀大学
坂本憲児 九州工業大学
大野宏毅 産業医科大学
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BIO R&D
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機能性作物未利用部位の生殖障害改善への有効活用
Effective Utilization of Unused Parts of Functional Crops for Improving Rreproductive Failure
機能性作物は通常特定の部位のみが利用され残りは廃棄される。未利用部位を有効活用することは,農作物に新たな付加価値を与え儲かる農業に繋がるだけでなく,安価な原材料として,人だけでなく家畜への応用など様々な可能性を生み出す。本稿では,昨今問題となっている人や家畜のストレスによる生殖障害に焦点を当て,著者らが構築した生殖障害改善評価系を用いて明らかとなった未利用部位の有用性を紹介する。
【目次】
1 機能性作物の未利用部位の有効活用とは
2 人および家畜の生殖障害の現状
3 機能性作物の未利用部位を用いたストレス依存的な生殖障害改善の具体例
3.1 オリーブ葉の有効活用
3.2 アシタバの茎の有効活用
3.3 シャクヤクの葉の有効活用
3.4 コーヒーチェリー残渣の有効活用
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抗菌・抗ウイルス活性を有する撥水性複合酸化物
Hydrophobic Complex Oxides with Antiviral and Antibacterial Activities
昨年末に発生した新型コロナウイルスは,未だ世界中で猛威を振るっている。感染の「予防」や「拡大抑制」の技術や知識は「ワクチンや治療法の開発」と同様に,極めて重要である。本稿では最近筆者らが見出した,抗ウイルス作用を有する新しい撥水性無機複合酸化物についてその開発の経緯と作用について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 無機抗ウイルス材料
3 撥水性と抗ウイルス性
4 自己撥水性を有する希土類酸化物
5 撥水性と抗菌・抗ウイルス性を併せ持つモリブデン酸ランタン(LMO)
6 活性向上・機能性付与の試み
7 終わりに
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点滴開始までの時間短縮を可能とした新たな点滴キットの開発
A New Intravenous Drip Infusion Kit Shortening The Time for Preparation.
点滴を開始するまでに点滴セットを組み立てる必要があり,少なくとも数十秒から数分の時間を要する。医療現場では点滴開始までの時間短縮と労力の軽減が求められている。点滴開始までの時間を大幅に短縮し,労力不足の解消に繋がる新たな点滴キット開発について報告する
【目次】
1 はじめに
2 点滴の必要性
3 点滴の構造について
4 点滴の作成
5 現行の問題点
6 新たな点滴キットについて
7 期待できる用途や効果
8 終わりに
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ゲノム編集技術を活用した有害外来魚の戦略的な駆除
Strategic Extermination of Harmful Non-native Fish Using Genome Editing Technology
琵琶湖ではブルーギルやオオクチバスなどの外来魚による在来魚の食害が問題となっている。ゲノム編集技術はピンポイントでゲノム改変を誘導できる発生工学的手法であるが,生殖発生に関与する遺伝子をゲノム編集技術で破壊した有害外来魚を作製し,それらを湖沼に放流することで標的とした有害外来魚を選択的に駆除する戦略が考えられている。我々は,孵化腺に特異的な発現を示す遺伝子をゲノム編集技術で破壊したゼブラフィッシュが孵化不全を伴う胚性致死となることを見出したので,この知見が生殖発生の制御だけでなく孵化不全を誘導することで有害外来魚の個体数を制御できるのではないかと考えている。
【目次】
1 はじめに
2 klf17遺伝子破壊ゼブラフィッシュの孵化不全の表現型
3 klf17遺伝子破壊ゼブラフィッシュにおける孵化腺細胞の欠損
4 オオクチバスにおけるklf17遺伝子の破壊を基盤とする個体数の制御
5 おわりに
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糖-タンパク質相互作用解析への分子間FRETの活用
Intermolecular FRET can be applied for Evaluation of Carbohydrate-protein Interactions.
糖-タンパク質間の相互作用は弱いため,糖鎖クラスター効果を利用して親和力の向上を行った。また,本論文では,その解析法において,主として蛍光分光法の利用について述べる。糖鎖は蛍光発光しないため,レクチン由来の蛍光発光や蛍光発色団を導入した基質を合成するなど,種々の対応を行ってきたのでその一端を紹介する。
【目次】
1 研究背景
2 糖-タンパク質相互作用解析における最近の例
3 まとめ
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RANKL部分ペプチドMHP1による炎症性疾患の治療法開発
Development of Parial Peptide of RANKL, MHP1, for Treatment of Inflammatory Diseases
炎症制御は脳梗塞や乾癬,多発性硬化症などの様々な炎症に関連する疾患において重要な課題である。本稿では,TLR関連炎症を抑制する新たな機能性ペプチドであるRANKL部分ペプチドMHP1について,これらの疾患への治療応用の可能性について概説する。
【目次】
1 はじめに
2 脳梗塞後炎症の制御に関わるRANKL/RANKシグナルの発見
3 破骨前駆細胞に作用しないRANKL部分ペプチドMHP1の開発
4 MHP1による脳梗塞治療
5 乾癬および多発性硬化症への応用可能性
6 MHP1の新たな作用機序と今後の課題
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酵素バイオ発電・酵素バイオセンサのための電極設計技術
Electrode Design Technology for Electricity Generation and Biosensors Utilizing Enzyme
近年,超低消費電力・低電圧で動作可能な超小型パッケージICが開発されたことにより,ポータブル血糖値センサに続く,酵素を用いたデバイス開発が新しいフェーズを迎えている。本校では,筆者が研究を進めてきた酵素バイオ発電開発のための電極設計について解説する。
【目次】
1 はじめに
2 酵素と電子コミュニケーション
3 酵素の配向制御
4 ウェアラブル型酵素バイオ発電
5 おわりに
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BIO ENGINEERING
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生活習慣病予防のための体液粘度測定装置
Body Fluid Viscosity Measuring Device for the Prevention of Lifestyle-related Diseases
体液粘度は,生活習慣病をはじめとする多くの疾患のマーカーとなる可能性が指摘されている。しかし現在,微量の体液粘度測定に特化した測定装置は存在しない。九州工業大学と産業医科大学は体液粘度測定を目指した粘度測定装置の共同開発を進めている。その内容について報告する。
【目次】
1 はじめに
2 マイクロ流体チップを用いた粘度測定手法
3 毛細管を用いた粘度測定手法
4 非ニュートン流体への適用
5 おわりに
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BIO BUSINESS
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保湿用化粧品に使われる生薬・薬用植物の市場
1 α-トコフェリルレチノエート
2 ベタイン
3 大豆タンパク分解物
4 デオキシリボ核酸(DNA)
5 ポリアスパラギン酸ナトリウム
6 納豆抽出物
7 大豆抽出物
8 水溶性コラーゲン
9 乳酸菌発酵代謝液
10 キトサンおよびその誘導体
11 ヒアルロン酸ナトリウム
12 トレハロース
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世界のバイオプラスチックの市場
1 市場規模
2 地域別動向
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月刊バイオインダストリー 2020年3月号
¥4,950
<著者一覧>
久保田博南 ケイ・アンド・ケイジャパン(株)
三木則尚 慶應義塾大学
竹井邦晴 大阪府立大学
鈴木博也 (株)テクノメディカ
前中一介 兵庫県立大学
太田裕貴 横浜国立大学
浅野康一郎 東京大学
南木 創 東京大学
南 豪 東京大学
成瀬 康 (国研)情報通信研究機構
池田四郎 (株)ガステック
井上賢紀 広島大学
山本屋 武 広島大学
浅野知一郎 広島大学
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【特集】ウェアラブル医療・ヘルスケア機器
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ヘルスケアを支える生体情報モニタリング
Health Care Supported by Vital Sign Monitoring
ヘルスケアを目的とした健康機器の基礎技術は,医療のための生体情報モニタが基礎になっている。近年では,これにIT 関連技術が加わり,スマホで自分の健康状態をチェックできるようになってきた。測定項目には大きな変化が見られないが,日常の体調チェックが行えるような小型で持ち運び可能な機器に変貌しつつある。
【目次】
1 単能機器によるモニタリングの現況
1.1 スタートは歩数計から
1.2 体重計から体脂肪計へ
1.3 現在の代表格は脈波数モニタリング
1.4 ヘルスチェックのための心電図モニタなど
1.5 パルスオキシメータの役割増加
1.6 血圧モニタリングへの各社の競争
2 複合機器を含む市場開拓の動き
3 医療機器から一般ヘルスケア機器への移行動向
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インプラント人工透析システム
Implantable Dialysis System
国内33 万人の透析患者は,週3 回の通院や週12 時間の急峻な治療,太い注射針による毎回の血管穿刺などQOL が決して高いとは言えない。我々は,患者の通院負担,ならびに血管穿刺回数を低減するなど患者QOL を劇的に向上するインプラント人工透析システムの研究開発を行っている。本稿ではこれまでの成果と,課題について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 インプラント人工透析システム
3 インプラント人工透析システムの界面技術
4 インプラント人工透析システムの実用化に向けて
5 インプラント人工透析システム研究開発における課題
6 おわりに
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皮膚表面から健康管理する貼付型フレキシブルセンサシート
Attachable Flexible Sensor Sheet for Healthcare from Skin Surface
常時健康管理に向けた新たな取り組みの一つとして貼付型のフレキシブルセンサシートが注目を集めている。本項では,そのフレキシブルデバイスとして,活動量,心電図,皮膚温度,そして汗の化学物質を計測するセンサシートについて紹介する。また精度高く計測する方法についても簡単に議論する。
1 はじめに
2 多種物理センサを集積したフレキシブルセンサシート
2.1 印刷形成した3軸加速度センサ
2.2 ウェアラブル健康管理パッチ
2.3 その他フレキシブル物理センサ
3 汗成分計測用フレキシブル化学センサ
4 対象温度(皮膚温度)の高精度計測
5 結言
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検査分散・データ中央管理型診断機器
Central Management System for Clinical Data at In Vitro Diagnostic Devices
ヘルスケアデバイス,ウェアラブルデバイスには,検査データをはじめとしたデバイス管理のためのデータ一元管理と運用が必要である。臨床検査領域の検査データ管理の在り方を起点としてヘルスケア,ウェアラブルデバイスのデータ管理について考察し,著者らが取り組んでいるヘルスケアデバイス,ウェアラブルデバイスへの通信機能の搭載とデータの一元管理について解説したい。
【目次】
1 はじめに
2 臨床検査分野のデータ管理トレンド
3 ヘルスケア分野のデータ管理システム
4 IoT機能搭載のPOCT機器の一例
5 ウェアラブルで用いられる検査装置について
6 最後に
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身体密着型生体活動モニタリングシステムの開発
Development of Adhesive Type Human Monitoring Systems
身体に貼り付ける,あるいは密着させるタイプの生体モニタリングシステムについて述べる。このような形態のモニタリングシステムは,体躯の向きや動きを精度良く検出でき,また心電,筋電,脈波,血圧,(深部)体温など基本的バイタル量を計測しやすいという特徴を持ち,確度の高い見守りシステムに最適である。本稿では具体的なシステム例をいくつか示し,それらの内容を簡単に説明する。
【目次】
1 はじめに
2 生体活動モニタリングの形態
3 身体貼り付け型モニタリングシステム
3.1 絆創膏型実証モデル
3.2 柔軟センサとの組み合わせ
3.3 VitalgramII
3.4 Vitalgram CT
3.5 アクティブ筋電電極
4 おわりに
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周産期新生児医療のIoT 化に向けたウェアラブル黄疸計測デバイスの開発
Wearable Jaundice Device for Perinatal and Neonatal Medicine
近年,様々な現場でIoT 化が進んでいる。重要な現場の一つに周産期新生児医療がある。本研究では,当研空室で開発中の新生児用ウェアラブル黄疸計に関して論ずる。新生児黄疸は新生児の80%以上で検出される現象であるとともに処置が遅れると重篤な後遺症につながる症例である。本論のデバイスは,その診断・治療とIoT 技術の懸け橋となるデバイスである。
【目次】
1 はじめに
2 新生児黄疸
3 新生児黄疸の検出方法
4 ウェアラブル黄疸計測デバイス
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有機トランジスタ型化学センサの開発動向
Recent Trends in Development of Organic Transistor-based Chemical Sensors
有機電界効果トランジスタ(OFET)型化学センサは,分子認識情報の読み出しを可能とする有機デバイスの1 種である。本稿では,マイクロ流路と接合した延長ゲートOFET と,より高集積化を指向した電解質ゲートOFET を用いたそれぞれの化学センサによる標的種の検出例をもとに,人工レセプタを導入したOFET型化学センサのウェアラブルデバイスへの応用可能性について解説する。
【目次】
1 はじめに
2 マイクロ流体デバイスを接合した延長ゲート有機トランジスタ型化学センサの開発
3 電解質ゲート有機トランジスタ型化学センサによるヒスタミン検出
4 まとめ
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ウェアラブル脳波計の開発
Development of Wearable EEG System
近年の脳波計測技術の進歩により,簡易に計測が可能なウェアラブル脳波計が実現されつつある。脳波計測を行うことでてんかんや認知症などの脳疾患の情報を得ることができる。現状では,長時間の装着が難しいなどの課題があるが,今後,よりよいウェアラブル脳波計が開発された場合,新たなるヘルスケアの創出につながると考えられる。
【目次】
1 はじめに
2 簡単に脳波計測が可能なウェアラブル脳波計の開発
2.1 一般的な脳波計測手法
2.2 導電性ジェルが不要で簡単に脳波が測れる技術の開発
2.3 ウェアラブル脳波計の為の小型脳波計とヘッドギアの開発
2.4 開発したウェアラブル脳波計の評価
2.5 日常での常時脳波計測を目指して
3 おわりに
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パッシブインジケータ法での皮膚アンモニア測定によるストレスの見える化
Visualization of Mental Stress by Measurement of Ammonia Emanated fromHuman Skin Using Passive Indicator
気象などわたしたちを取り巻く環境や社会的価値観の変化に伴い,体臭がこれまでと異なるとらえられ方をするようになり注目を集めている。一方,からだから発せられるにおいをさまざまな化学物質の集合体ととらえ,生体から放たれる情報として活用しようとする研究分野もある。皮膚表面から放散される微量な化学成分(皮膚ガス)について,皮膚ガスとは何か? から,最新の研究により日進月歩で明らかになっている皮膚ガスの利用価値,また皮膚アンモニアを利用したストレス診断に向けた取り組みについて,実測例も含めて解説する。
【目次】
1 なぜいま皮膚ガスが注目されるか
2 皮膚ガス測定でわかる生体情報
2.1 皮膚ガスとは
2.2 皮膚ガス測定により得られる情報
3 皮膚アンモニアとストレス
3.1 ストレスと心拍変動
3.2 皮膚アンモニアの生成と放散
3.3 皮膚アンモニアの測定方法
4 簡易ストレス測定キット
4.1 パッシブインジケータ法および測色
4.2 ストレス検出用の測定キットの開発
5 おわりに
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BIO R&D
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肥満から生活習慣病が生じるメカニズムの解明とその治療戦略
Mechanisms for the Treatment of Lifestyle-related Diseases fromObesity and Their Treatment Strategies
高カロリーの食事や運動習慣の欠如によって生じる肥満は糖尿病や非アルコール性脂肪肝(NAFLD)などの様々な生活習慣病を引き起こす。本稿では,肥満によって生じる生活習慣病の発症メカニズムについて各臓器で生じる分子シグナリングの変化に着目して,その治療戦略とともに解説する。
【目次】
1 はじめに
2 肥満とインスリン抵抗性
3 各臓器で引き起こされる肥満による変化
3.1 肥満による腸管炎症
3.2 肥満による肝臓での炎症と脂肪蓄積
3.3 肥満による脂肪組織のリモデリング
3. 4 肥満による筋肉の変化
4 肥満と生活習慣病を克服する治療戦略
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《BIO PRODUCTS》
γ-オリザノール(γ-Oryzanol)
アルギン酸ナトリウム(Sodium alginate) -
月刊バイオインダストリー 2018年9月号
¥4,950
≪著者一覧≫
酒井芳紀 大阪大学
森山麻里子 近畿大学
赤木淳二 小林製薬(株)
北郡秀晃 小林製薬(株)
森山博由 近畿大学
山本哲史 大成建設(株)
井上大介 大阪大学
斎藤祐二 大成建設(株)
清 和成 北里大学
池 道彦 大阪大学
川崎 了 北海道大学
加藤好一 佐竹化学機械工業(株)
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BIO REVIEW
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セルフリーな再生医療製剤の開発
Development of Cell Free Regenerative Medical Formulation
自己単核球細胞や筋芽細胞等による細胞を用いた再生医療の作用機序として, 各種体内再生因子誘導によるパラクリン効果が報告されている。我々は, 低分子合成化合物による各種体内再生因子誘導剤として, YS−1301を新しく見出し, 各種DDS(Drug Delivery System)製剤を作製した。これらの製剤は, 疾患局所にて自然治癒力を模倣した各種体内再生因子誘導により血管新生作用, 抗線維化作用, 抗アポトーシス作用及び間葉系幹細胞(MSC)動員・集積作用等により疾患部位を治癒する新しいセルフリー(細胞を用いない)な再生医療製剤になり得る。
【目次】
1 はじめに
2 新しいセルフリーな再生医療等製品
3 YS−1301の体内再生因子誘導作用
4 YS−1301内包4週間徐放性マイクロイスフェアー製剤(YS−1402)
5 YS−1301内包リポソームナノスフェアー(LipoNS)製剤
6 YS−1301は, 体内再生因子誘導剤である
7 肝細胞増殖因子(HGF)は疾患部位でのみ作用する
8 おわりに
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BIO R&D
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アロエベラ液汁による紫外線ダメージ軽減効果
Protective Effect of Aloe Vera Gel Against Ultraviolet Radiation Damage to the Skin
熱帯地方で育つアロエベラの葉肉には, ビタミン類, ミネラル類, 酵素類, 多糖類, アミノ酸などの成分が豊富に含まれており, 民間薬, 化粧品や食品として古来より世界中で利用されている。アロエベラの多岐にわたる効能のうち, 本稿ではアロエベラ液汁のもつヒト皮膚の恒常性維持に寄与する効果について, 特に皮膚が日常的に暴露されている紫外線ダメージからの回復および軽減効果などに焦点をあてた筆者らの研究成果を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 紫外線による皮膚への影響について
3 アロエベラ液汁の表皮に対する効果
3.1 表皮ケラチノサイトの紫外線ダメージ抑制作用
3.2 表皮浸透促進作用
4 おわりに
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高効率1,4−ジオキサン分解菌Pseudonocardia sp. N23 株の排水処理への応用
Application of Very Effective 1,4−Dioxane−degrading Bacterium, Pseudonocardia sp. Strain N23, to 1,4−Dioxane−containing Wastewater Treatment
1,4−ジオキサンは発がん性の疑いが指摘され, 先進各国において環境汚染物質として認知されている。近年, 我が国では水環境に係る各種基準項目に1,4−ジオキサンが追加され, 実効性の高い処理技術が求められている。本稿では, 1,4−ジオキサン分解菌N23株の優れた特長を概説するとともに, これを用いた排水処理技術を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 1,4−ジオキサン分解菌について
3 構成型資化菌N23株を用いた排水処理技術
3 1 構成型資化菌N23株の特長
3.1.1 1,4−ジオキサンの極低濃度化
3.1.2 酸性域での高い1,4−ジオキサン分解活性
3.2 処理プロセスの確立と実排水への適用性
3.2.1 N23株を用いた排水処理プロセス
3.2.2 実排水への適用性
4 終わりに
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BIO ENGINEERING
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バイオセメンテーションを用いた地盤固化技術
Ground Solidification Technologies Using Biocementation
これまで微生物とは無縁と思われていた地盤工学や地盤環境工学の分野において, 微生物を用いた地盤固化技術に関する研究開発が国内外で活発化している。本稿では, 低環境負荷のセメント成分である炭酸カルシウム, シリカ, リン酸カルシウムを用いた地盤のバイオセメンテーションに関する研究事例について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 炭酸カルシウムによるバイオセメンテーション
3 シリカによるバイオセメンテーション
4 リン酸カルシウムによるバイオセメンテーション
5 おわりに
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【連載】細胞培養装置の開発と産業化
第3回(最終回) スケーラブル撹拌培養装置の産業化
Practical Use of Scalable Bioreactor
【目次】(第2回より続き)
4 スケーラブル撹拌培養装置の産業化
4.1 スケーラブル検討事例の紹介
4.2 産業化に向けたCFD数値シミュレーションの活用
4.3 CFD数値シミュレーションの注意事項
5 おわりに
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《BIO PRODUCTS》
ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic acid, DHA) -
食のバイオ計測の最前線 (普及版)
¥6,050
2011年刊「食のバイオ計測の最前線―機能解析と安全・安心の計測を目指して―」の普及版!難しかった食品の機能や安全性を、バイオ計測を使い、数値化して客観的に評価する解析・計測技術と手法、機器などを解説!!
(監修: 植田充美)
<a href="http://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=5290"target=”_blank”>この本の紙版「食のバイオ計測の最前線 (普及版)」の販売ページを見る(別サイトへ移動)</a>
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<<著者一覧>>
※執筆者の所属表記は、2011年当時のものを使用しております。
植田充美 京都大学
若山純一 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
杉山滋 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
民谷栄一 大阪大学
北川文彦 京都大学
川井隆之 京都大学
大塚浩二 京都大学
小西聡 立命館大学
小林大造 立命館大学
殿村渉 立命館大学
清水一憲 京都大学
重村泰毅 大阪夕陽丘学園短期大学
伊藤嘉浩 (独)理化学研究所
秋山真一 名古屋大学
田丸浩 三重大学
芝崎誠司 兵庫医療大学
野村聡 (株)堀場製作所
稲森和紀 東洋紡績(株)
境雅寿 (株)森永生科学研究所
高木陽子 京都電子工業(株)
遠藤真 日本エイドー(株)
山本佳宏 京都市産業技術研究所
谷敏夫 (株)バイオエックス
坂本智弥 京都大学
山口侑子 京都大学
高橋信之 京都大学
河田照雄 京都大学
津川裕司 大阪大学
小林志寿 大阪大学
馬場健史 大阪大学
福崎英一郎 大阪大学
木村美恵子 タケダライフサイエンスリサーチセンター
齊藤雄飛 京都府立大学
増村威宏 京都府立大学
山西倫太郎 徳島大学
柴田敏行 三重大学
廣岡青央 京都市産業技術研究所
羽鳥由信 日本新薬(株)
村越倫明 ライオン(株)
小野知二 ライオン(株)
森下聡 ライオン(株)
上林博明 ライオン(株)
鈴木則行 ライオン(株)
杉山圭吉 ライオン(株)
西野輔翼 立命館大学
高松清治 不二製油(株)
米谷俊 江崎グリコ(株)
丸勇史 サンヨーファイン(株)
山口信也 サンヨーファイン(株)
馬場嘉信 名古屋大学
木船信行 (財)日本食品分析センター
岡野敬一 (独)農林水産消費安全技術センター
矢野博 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
万年英之 神戸大学
笹崎晋史 神戸大学
末信一朗 福井大学
黒田浩一 京都大学
家戸敬太郎 近畿大学
中村伸 (株)島津製作所
大野克利 日清食品ホールディングス(株)
山田敏広 日清食品ホールディングス(株)
天野典英 サントリービジネスエキスパート(株)
橋爪克仁 タカラバイオ(株)
中筋愛 タカラバイオ(株)
谷岡隆 神鋼テクノ(株)
隈下祐一 サラヤ(株)
永井博 (株)堀場製作所
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序章 バイオ計測を用いた食の機能解析と安全・安心の向上
1 「バイオ計測」によるデジタル定量分析
2 革新的材料との融合による「バイオ計測」の飛躍
3 「バイオ計測」を推進する拠点事業の展開モデル
【計測開発編】
第1章 大学・研究機関の研究動向
1 SPMナノセンサーと食品応用
1.1 はじめに
1.2 従来のアレルゲン検出技術
1.3 AFMによるアレルゲン検出の原理
1.4 AFMによるアレルゲン検出の実際
1.4.1 基板への抗原の固定
1.4.2 探針上への抗体の固定
1.4.3 AFMによる抗体抗原反応の計測
1.4.4 測定溶液条件の検討とアレルゲンの検出
1.5 今後の展開
2 食品の安全性や機能を評価するPOC型バイオセンサーデバイスの開発
2.1 はじめに
2.2 印刷電極を用いたポータブル遺伝子センサー
2.3 新たな印刷電極型免疫センサーの開発
2.4 イムノクロマト検出キットと携帯電話通信技術との連携
2.5 おわりに
3 マイクロチップ電気泳動における糖鎖分析の高感度化
3.1 はじめに
3.2 PVA修飾チャネルにおけるLVSEPのイメージング
3.3 オリゴ糖のLVSEP-MCE分析
4 バイオセンサーデバイスにおけるサンプル前処理技術
4.1 はじめに
4.2 μTASを応用したパーティクル分離技術
4.2.1 膜フィルタ内蔵マイクロ流路チップを応用した分離技術
4.2.2 遠心マイクロ流路チップを応用した分離技術
4.3 μTASを応用した微量サンプル分注技術
4.4 マイクロデバイスを用いた単一細胞の位置制御技術
4.4.1 陰圧を用いた細胞群の位置制御
4.4.2 磁力を用いた細胞群の位置制御
4.5 おわりに
5 機能性ペプチド探索のための新しいアプローチ―ヒト血液中からの食事由来ペプチドの検出と同定―
5.1 はじめに
5.2 ペプチド経口摂取による健康状態改善効果
5.3 ペプチド摂取後の血液からの血球画分とタンパク質の除去
5.4 血漿中食事由来コラーゲンペプチド(ペプチド型Hyp)濃度の測定
5.5 HPLCによる血漿中食事由来ペプチドの同定
5.6 プレカラム誘導化によるペプチド同定1(PITC誘導化)
5.7 プレカラム誘導化によるペプチド同定2(AQC誘導化)
5.8 おわりに
6 食品関連マイクロアレイ技術
6.1 はじめに
6.2 食品の遺伝子分析
6.2.1 食品分析
6.2.2 育種への応用
6.3 食品の安全性・機能性評価
6.3.1 安全性評価
6.3.2 機能性食品の研究
6.4 食品アレルギー研究,診断
6.4.1 DNAマイクロアレイ
6.4.2 抗原マイクロアレイ
6.4.3 ペプチド・マイクロアレイ
6.5 おわりに
7 バイオ計測への魚類バイオテクノロジーの応用
7.1 はじめに
7.2 魚類によるバイオマテリアル生産技術の開発
7.2.1 バイオマテリアル生産における魚類のアドバンテージ
7.2.2 組換え体タンパク質生産
7.2.3 抗体生産
7.3 透明金魚を使った水質モニタリング
7.4 おわりに―新産業の創出を目指して―
8 特異的抗体の微生物生産と回収法の開発
8.1 はじめに
8.2 抗体の調製方法
8.3 分子ディスプレイ法
8.4 酵母分子ディスプレイ
8.5 Zドメインの分子ディスプレイと抗体の回収系
8.6 抗体以外の親和性タンパク質の調製
第2章 メーカー(企業)の開発動向
1 食の機能と安全評価に寄与するpH計測
1.1 はじめに
1.2 pH測定法の原理と電極のバリエーション
1.2.1 ガラス電極とISFETの原理
1.2.2 pH測定用電極のバリエーション
1.3 半固形・固形食品の測定例
1.4 pH測定電極のより効果的な活用法
1.4.1 連続モニタリングによる反応解析
1.4.2 電極の最適なメンテナンス
1.5 おわりに
2 SPRイメージングによるアレイ解析
2.1 はじめに
2.2 SPRイメージング解析によるペプチドアレイ上におけるリン酸化検出
2.2.1 プロテインキナーゼの網羅的解析の重要性
2.2.2 SPRイメージングによるOn-chipリン酸化の検出系
2.3 ペプチドの金表面への固定化に関する表面化学
2.4 SPRイメージングによる創薬スクリーニングへの展開の可能性
2.4.1 細胞溶解液中のPK活性のSPR測定
2.4.2 SPRイメージング解析によるPK阻害剤の評価
2.5 おわりに
3 ELISA法の原理と測定法―免疫反応の形式(サンドイッチ法,競合法)と測定反応(吸光法,蛍光法)ならびに測定時の注意点―
3.1 はじめに
3.2 ELISA法の分類
3.2.1 サンドイッチ法
3.2.2 競合法
3.2.3 吸光法
3.2.4 蛍光法
3.3 測定時の注意点
3.3.1 マイクロピペットの誤操作
3.3.2 反応時間の厳守
3.3.3 試薬温度
3.3.4 反応温度
3.3.5 プレートの乾燥
3.3.6 洗浄不良
3.3.7 プレート底面の汚れ
3.4 おわりに
4 低分子抗原用抗体およびイムノセンサの実用化
4.1 はじめに
4.2 低分子抗原用抗体の開発
4.3 イムノセンサの開発
4.4 イムノセンサの実用化
4.5 おわりに
5 電気泳動用高度分析試薬の開発
5.1 はじめに
5.2 抽出試薬キットの開発
5.3 機器と試薬の最適化
5.4 二次元電気泳動システムの検証と今後の展望
6 高感度信号累積型ISFETバイオセンサーの開発
6.1 はじめに
6.2 高感度半導体センサー開発の経過
6.3 ISFETセンサーの原理
6.4 高感度信号累積型ISFETプロトンセンサー(AMISセンサー)
6.5 AMISセンサーの特徴
6.6 おわりに
【機能解析編】
第3章 大学・研究機関の研究動向
1 食品成分の機能評価法:肥満・メタボリックシンドロームへのアプローチ
1.1 背景・概要
1.2 食品成分のスクリーニングとその機能解析
1.2.1 ルシフェラーゼアッセイ
1.2.2 抗炎症食品成分の機能解析
1.3 新たなスクリーニング系の構築
1.3.1 蛍光タンパク質レポーターを用いたスクリーニング系の構築
1.3.2 蛍光タンパク質レポーターの課題
1.4 まとめ
2 メタボリックフィンガープリンティングによる食品/生薬の品質評価
2.1 はじめに
2.2 食品/生薬研究におけるメタボロミクスの位置づけ
2.3 GC/MSメタボロミクス
2.4 データマイニングシステムの開発
2.5 データマイニングシステムの緑茶研究での検証
2.6 食品/生薬におけるメタボロミクス研究のこれから
3 栄養アセスメントのための計測技術の現状と発展
3.1 栄養アセスメント計測の現状
3.2 日本人の食事摂取基準と日本食品標準成分表
3.3 健康って何?
3.4 健康増進志向の中での個人の栄養アセスメントの現状と課題
3.5 栄養はバランスが最も重要
3.6 健康栄養インフォメーション
3.7 日常生活の見直し
3.8 栄養状態表示のための生化学検査
3.8.1 成分別測定の必要性
3.9 他の栄養素のアンバランスを招く
3.10 正確に栄養状態を反映する検査方法の開発と適正な栄養アセスメント
3.11 まとめ
4 新規半導体デバイス(積分型ISFET)の食・計測技術への展開
4.1 食品産業における計測技術の重要性
4.2 現在の分析技術の課題と解決のための技術開発
4.3 食品分析領域へのバイオセンサーの応用
4.4 測定用酵素反応機構の開発:食品管理項目の測定例
4.4.1 エタノールの測定
4.4.2 プロテアーゼ活性の測定
4.5 まとめ
5 米粒および米加工品におけるタンパク質の可視化技術の開発と利用
5.1 はじめに
5.2 米粒中のタンパク質分布の解析
5.3 米加工品中のタンパク質の分析例
5.4 おわりに
6 カロテノイドの抗アレルギー作用
6.1 免疫機能に対するカロテノイドの影響に関する研究報告の歴史
6.2 適応免疫系のTh1/Th2 バランスとアレルギー
6.3 抗体産生に対するβ-カロテンの影響
6.3.1 β-カロテン摂取とIgE抗体産生ならびにTh1/Th2バランス
6.3.2 β-カロテンと抗原提示細胞の抗酸化性
6.3.3 抗原呈示細胞内の酸化還元状態とTh1/Th2バランス
6.4 肥満細胞に対するカロテノイドの影響に関する研究報告
6.5 炎症の抑制とカロテノイド
7 海藻の抗酸化物質とその機能解析
7.1 はじめに
7.2 フロロタンニン類(海藻ポリフェノール類)
7.3 ブロモフェノール類
7.4 カロテノイド
7.5 おわりに
8 バイオ計測技術を応用した清酒酵母の分類と開発
8.1 タンパク質の二次元電気泳動法を用いた清酒酵母の発現解析
8.2 発現解析を応用した酵母の分類
8.3 泡なし酵母の解析と開発
8.4 吟醸酒製造用酵母の解析と開発
第4章 メーカー(企業)の開発動向
1 低分子ヒアルロン酸の開発
1.1 はじめに―ヒアルロン酸とは
1.2 ヒアルロン酸の機能
1.3 食品中のヒアルロン酸の分析
1.4 ヒアルロン酸の経口吸収性
1.5 ヒアルロン酸の体内動態
1.6 ヒアルロン酸の経口摂取による効果(ヒトでの効果の検証)
1.7 おわりに
2 ラクトフェリンの脂質代謝抑制作用について
2.1 背景
2.2 実験方法
2.2.1 肥満成人男女を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照試験
2.2.2 消化酵素によるラクトフェリンの分解試験
2.2.3 ラット腸間膜由来前駆脂肪細胞試験
2.3 結果
2.3.1 ヒト試験によるラクトフェリン腸溶錠の内臓脂肪低減効果
2.3.2 消化酵素によるラクトフェリンの分解挙動
2.3.3 ラクトフェリン,およびそのペプシン分解物,トリプシン分解物による脂肪蓄積抑制効果
2.4 考察
3 遺伝子発現から見た大豆たん白の生理機能
3.1 はじめに
3.2 遺伝子発現に着目した大豆たん白質の機能研究
3.3 網羅的遺伝子発現解析手法による大豆たん白質機能の解析
3.4 オリゴヌクレオチドDNAマイクロアレイを用いた研究例
3.5 おわりに
4 GABA高含有チョコレートのストレス緩和効果について
4.1 ストレス緩和の必要性
4.2 ストレスの測定について
4.3 γ-アミノ酪酸(GABA)について
4.4 GABA高含有チョコレートのストレス緩和効果
4.4.1 チョコレートとストレス緩和
4.4.2 GABA高含有チョコレートとストレス緩和
4.5 まとめ
5 シアル酸の機能性
5.1 はじめに
5.2 シアル酸の製造法
5.3 シアル酸の安全性
5.4 シアル酸の機能
5.4.1 抗ウイルス作用
5.4.2 学習能向上効果
5.4.3 育毛効果
5.5 おわりに
【安全・安心の計測編】
第5章 大学・研究機関の研究動向
1 食の安全・安心を計測するナノバイオ技術
1.1 はじめに
1.2 ナノバイオデバイスによる遺伝子解析
1.3 ナノバイオデバイスによるタンパク質解析
1.4 おわりに
2 食の安全・安心における分析者の役割
2.1 食の安全と安心
2.2 食品の安全性を揺るがした事件と分析の関わり
2.2.1 食品添加物
2.2.2 環境汚染(公害)問題と食品の安全性
2.2.3 輸入食品の問題
2.2.4 微生物(食中毒)の問題
2.3 現在の状況(国際的動向を中心に)
2.3.1 化学物質の評価
2.3.2 国際的な食品の安全性評価
2.3.3 Codex委員会における国際的な運用
2.3.4 現在議論されている化学物質
2.3.5 生活習慣病と食品栄養成分
2.4 分析機関の今後の対応
2.5 分析のコスト
2.6 フード・ファディズムについて
2.7 食の安心と食品分析の使命
3 DNA分析の手法などを用いた食品表示の真正性確認
3.1 食品表示と(独)農林水産消費安全技術センターの表示監視業務
3.2 分析対象の表示
3.3 FAMICが表示監視に利用する分析技術の概要
3.4 PCR法を用いたDNA分析
3.4.1 遺伝子組換え食品の表示確認分析
3.4.2 名称および原材料の表示確認分析
3.4.3 産地表示などの確認分析
3.5 元素組成を用いた分析
3.6 安定同位体比分析
3.6.1 炭素安定同位体比を利用した原材料の推定分析
3.6.2 その他の安定同位体比分析による原料推定
3.7 その他の表示監視のための技術と社会的検証
4 食品・農産物におけるDNA鑑定の実用化の現状と展望
4.1 はじめに
4.2 DNA鑑定とは
4.3 食品・農産物におけるDNA鑑定の現状
4.4 食品・農産物におけるDNA鑑定の実用化のあり方
4.5 おわりに
5 DNA鑑定を利用した牛肉偽装表示の防止
5.1 はじめに
5.2 家畜牛の系統・品種
5.3 偽装表示の背景
5.4 国産牛の鑑別技術の開発
5.5 輸入牛肉に対する鑑別技術の開発
5.6 まとめ
6 残留農薬を見逃さない検出・除去バイオ細胞センサー技術の開発
6.1 はじめに
6.2 OPHを用いた有機リン系農薬のバイオセンシング
6.3 酵母細胞表層工学を用いた有機リン検出用生体触媒
6.3.1 OPHとEGFPの細胞表層上への共発現系の構築
6.3.2 水ガラスに固定したOPH-EGFP共発現酵母での有機リン化合物に対する蛍光応答
6.4 おわりに
7 安全・安心な植物促進増産の新手法の開発とその機構解析
7.1 はじめに
7.2 糖アルコールとその性質
7.3 エリスリトールによる生育促進作用
7.4 トランスクリプトームによる生育促進機構の解析
7.5 おわりに
8 完全養殖クロマグロのブランド化とトレーサビリティ手法
8.1 完全養殖クロマグロ
8.2 ブランド化戦略
8.3 トレーサビリティ手法
第6章 メーカー(企業)の開発動向
1 DNA鑑定・食品検査システムの開発;核酸抽出,PCRから検出,判定まで
1.1 はじめに
1.2 定性PCR法の課題と新たな提案
1.3 定性PCR法にもとづくDNA鑑定システム
1.3.1 定性PCR法の流れとシステム構成
1.3.2 肉種鑑別への適用事例
1.3.3 マグロ属魚類の品種判別への適用事例
1.3.4 アレルギー物質を含む食品検査への適用事例
1.4 今後の課題と将来の展望
2 ヒト細胞を用いた新規遺伝毒性試験法 NESMAGET
2.1 はじめに
2.2 試験原理
2.3 試験方法
2.4 NESMAGETの特徴1:DNA損傷形式の異なる遺伝毒性物質の反応性
2.5 NESMAGETの特徴2:既存の遺伝毒性試験との比較
2.6 NESMAGETの特徴3:各細胞による反応性の差
2.7 おわりに
3 バイオ計測手法を活用した微生物の迅速検出・同定の試み
3.1 緒言
3.2 好気性有胞子細菌の菌種迅速同定用DNAマイクロアレイ
3.3 蛍光マイクロコロニー法による微生物迅速検出
3.4 結語
4 リアルタイムPCR法を活用した工程管理の迅速簡便化
4.1 はじめに
4.2 リアルタイムPCR法の原理
4.3 応用例の紹介
4.3.1 牛挽肉増菌培養液からのベロ毒素遺伝子(VT1/VT2遺伝子)の検出
4.3.2 ドライソーセージ原材料肉の判別
4.4 おわりに
5 直接電解オゾン水の食材洗浄への応用
5.1 はじめに
5.2 オゾン水と塩素系薬剤との洗浄比較
5.3 直接電解式オゾン水の生成
5.4 オゾン水による食材洗浄
5.4.1 オゾン水による食材の洗浄方法およびオゾン水供給方法
5.4.2 オゾン水による食材洗浄の最適化
5.4.3 オゾン水洗浄条件の検討
5.5 おわりに
6 ノロウイルス対策としての殺菌剤の有効利用
6.1 はじめに
6.2 ノロウイルスの特徴とその対策
6.3 各種殺菌剤・洗浄剤のノロウイルスに対する有効性
6.4 ノロウイルス対策としての消毒と手洗い
6.4.1 手洗い
6.4.2 モノ・環境
6.4.3 汚物処理
6.5 まとめ
7 おいしい野菜づくりを支えるコンパクト硝酸イオンメータの開発
7.1 はじめに
7.2 農業用コンパクト硝酸イオンメータの開発
7.3 硝酸イオンの測定方法
7.4 コンパクト硝酸イオンメータによる測定方法
7.4.1 作物体測定方法
7.4.2 土壌測定方法
7.5 イオンクロマトグラフとの相関
7.5.1 作物体測定
7.5.2 土壌測定
7.6 おわりに -
月刊機能材料2024年8月号(電子版)
¥4,620
【創刊43周年記念特集】エラストマーの研究開発動向
★エラストマーは原料の選択・配合や混練技術によって特性の付与が可能で,耐熱性をはじめとする物性の向上や,活用のための研究例が報告されております。本特集では,エラストマーの材料開発や活用に向けた取り組みについて紹介いたします。
<著者一覧>
北嶋裕一 三菱ケミカル(株)
木下佑真 三菱ケミカル(株)
村井威俊 住友ベークライト(株)
鈴木裕司 住友ベークライト(株)
小林潤矢 新潟大学
浦野凜大 新潟大学
三俣哲 新潟大学
三田博亮 東京工業大学
藤枝俊宣 東京工業大学
千葉正毅 千葉科学研究所
和氣美紀夫 (有)Wits
大背戸豊 奈良女子大学
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【創刊43周年記念特集】エラストマーの研究開発動向
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バイオマス原料・リサイクル原料含有熱可塑性エラストマーの開発について
Development of Thermoplastic Elastomers Containing Biomass and Recycled Materials
近年,世界的なSDGsの取り組みや各国の環境規制強化を受けて,三菱ケミカル㈱ではサステナブルな製品開発を積極的に取り進めている。本稿では,当社の保有する高機能コンパウンド材料の中から,熱可塑性エラストマー材料テファブロックTM・トレックスプレーンTMのリサイクルおよびバイオマスグレードについて紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 プラスチックリサイクルの動向
3 リサイクル原料を用いた熱可塑性エラストマーの開発
4 良触感・良耐摩耗性テファブロックTM QEシリーズへのリサイクル原料の適用
5 バイオマス原料を用いた熱可塑性エラストマーの開発
6 天然物由来原料を用いた熱可塑性エラストマーの開発
7 終わりに
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非可食バイオマスを用いた熱安定バイオゴムの開発
Development of Heat stable Rubber Derived from Non-Edible Biomass
非可食バイオマスをベースとして,ほぼ100%バイオマス由来の液状バイオゴムを開発した。開発した液状バイオゴムは2種類あり,常温では無溶剤で液状であり,加熱して硬化すると柔らかいゴムと硬いゴムになる。いずれも耐熱性(耐熱重量減少性)が高く,特に含浸体では低温から高温まで熱安定な粘弾性を示した。
【目次】
1 はじめに
2 非可食バイオマス由来の熱安定バイオゴムについて
3 熱安定ゴムの硬化特性と硬化物特性
4 熱安定バイオゴムの溶剤希釈性
5 熱安定バイオゴム希釈液の複合体への適用
6 おわりに
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空隙を有する磁場応答性エラストマーの可変弾性挙動
Variable Elasticity for Magnetic-Responsive Elastomers Containing Voids
磁性粒子を高充填した磁性エラストマーは,空隙がない状態では磁場を印加しても弾性率は変化しない。しかし,空隙を造ると空隙率に比例して弾性率変化量が大きくなる。空隙によって磁性粒子の移動が可能になることに起因する。空隙を有する磁性エラストマーでは,磁場なしの高い弾性率を維持したまま,大きな弾性率変化を実現できる。
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エラストマー薄膜と骨格筋細胞からなるバイオアクチュエータの開発
Development of Bioactuator with Elastomer Thin Film and Skeletal Muscle Cells
筋細胞を駆動力とするバイオアクチュエータは,生体動作を模倣したソフトロボットや,薬剤試験のための臓器チップへの応用が期待されている。本稿では,UVレーザーにて成形した微細溝を有するエラストマー製薄膜の作製と,微細溝薄膜を培養基材として利用した筋細胞からなる薄膜状バイオアクチュエータの開発について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 自立可能な高分子薄膜の作製技術と特徴
3 高分子薄膜上の微細パターンの成形手法とそれを用いた骨格筋細胞の配列手法
4 薄膜状バイオアクチュエータの収縮動作制御
5 おわりに
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誘電エラストマセンサと触覚デバイス
Dielectric Elastomer Sensors and Haptic Devices
変形や圧力等の特性を測定するために使用される従来のセンサでは,多くの場合,金属,セラミック,ピエゾ,ポリマー等の材料が使用される。しかし,これらの材料は硬いものが多く,対象物にかかる圧力や伸びが変化すると,単一のセンサで計測することが困難になる場合がある。誘電エラストマ薄膜圧力センサ(膜厚0.2 mm)は,1 gfから20 kgf,または4 kgfから120 kgfまでの圧力を正確に測定可能である。また誘電エラストマストレッチセンサは,400%伸長時でもセンサとして動作することが可能になった。
【目次】
1 はじめに
2 誘電エラストマの概要
3 高性能な小型薄膜圧力DESの製作
4 高性能ストレッチDESの製作
5 人の指の動きをロボットの指の動きにシンクロさせるデバイス
6 纏め
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[Material Report-R&Dー]
アルキル-D-グルカミドを基盤とする低分子ゲル化剤の創製
Creation of Low-Molecular-Weight Gelator Based on Alkyl-D-Glucamide
低分子化合物でありながら溶媒とともにゲル状物質を形成できる低分子ゲル化剤は,機能性ソフトマテリアルとしての基礎と応用に興味が持たれている。本解説では,単純な分子構造の低分子ゲル化剤として知られるアルキル-D-グルカミドを化学修飾した化合物群から得られたゲルの物性,特に力学物性について検討した結果を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 N-アルキルアミド-D-グルカミン系低分子ゲル化剤
3 オレオイルアミド-D-グルカミン系低分子ゲル化剤
4 メチルキャップしたステアロイルアミド-グリシン-D-グルカミン系低分子ゲル化剤
5 まとめ
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[Market Data]
石けん・洗剤工業の市場動向
石けん・洗剤市場は成熟市場といわれて久しいが,2022年は前年比で生産量102%,販売量101%,販売金額100%と前年水準にある。2022年はコロナ禍後も手洗い習慣が根付いたとみられ,手洗い用洗剤の需要が好調である。台所用洗剤においては汚れ落ちの早い新商品が発売され好調に推移している。停滞する石けん・洗剤市場においては,より消費者ニーズを喚起する商品展開が模索されており,除菌剤や柔軟剤いるなどの機能性洗剤や,すすぎ時間の短縮を狙う洗剤などが上市されている。今後も上記分野は活発化していくものと推測される。
【目次】
1 業界概要
2 需給動向
3 輸出入動向
4 環境問題への対応
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石油製品添加剤工業の市場動向
石油製品添加剤の需要は,その用途先となる燃料油や潤滑油などの需要に大きく左右される。2008年秋からの世界同時不況の影響で自動車,機械,電気機器などが大幅減産となり,その影響で石油製品,石油製品添加剤需要も落ち込みが続いた。2010年に回復の兆しが見られたものの,東日本大震災や景気低迷,エネルギー政策の迷走等により,先行きは不透明なものとなり,その後も需要は長く横ばいもしくは微増状態が続いている。
【目次】
1 概要
2 需給動向
2.1 燃料油添加剤
2.2 潤滑油添加剤
3 添加剤メーカーの動向
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[Material Profile]
過硫酸アンモニウム
水素化ビスフェノールA
ビスフェノールA -
月刊バイオインダストリー 2022年1月号
¥2,200
<著者一覧>
川畑伊知郎 東北大学
福永浩司 東北大学
町原加代 高知大学
難波卓司 高知大学
建部陽嗣 量子科学技術研究開発機構
徳田隆彦 量子科学技術研究開発機構
伊藤-佐々木隆広 東北大学
伊藤健太郎 東北大学
山口皐平 群馬大学
栁澤理央 群馬大学
大木佑哉 群馬大学
酒井真理 群馬大学
松村彰彦 群馬大学
加田 渉 群馬大学
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BIO REVIEW
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レビー小体病を予防可能な新規中分子治療薬の開発
Development of Novel Medium-molecular Therapeutics for Lewy Body Disease
超高齢化社会の到来により,認知症や運動疾患の増加が社会問題である。本稿では,パーキンソン病やレビー小体型認知症の原因タンパク質αシヌクレインの神経細胞取り込みと凝集,細胞間伝播の新しい分子機序を解説する。また,その根本的予防が可能な低分子化合物,新規中分子治療薬の開発について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 脂肪酸結合タンパク質依存的なαシヌクレインの細胞内取り込み機構
3 ドパミン受容体とカベオラによるαシヌクレインの細胞内取り込み制御
4 αシヌクレインの凝集と伝播を予防する新たな治療薬開発
5 おわりに
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スピルリナによる新たな抗酸化作用の発見
Spirulina Ingredient Increases Antioxidant Capacity in Senescent Fibroblasts.
スピルリナの新たな作用として老化線維芽細胞で抗酸化タンパク質の発現を誘導することで抗酸化能力を上昇させて,低下していたミトコンドリアの機能を回復させること,及びコラーゲンの産生量を増加させることを見出した。これにより,スピルリナはアンチエイジング作用を期待した新規素材としての開発が期待される。
1 はじめに
2 細胞老化とミトコンドリア
3 スピルリナによる老化細胞ミトコンドリアの機能回復
4 スピルリナによる細胞の抗酸化作用の増強
5 おわりに
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認知症の血液診断法の開発
Development of Blood Diagnostic Method for Dementia
認知症の治療薬開発が進む中で,早期診断や病態評価のために血液バイオマーカーの必要性が高まっている。アルツハイマー病病理の構成成分であるAβやタウは,病態を反映するバイオマーカーとしてこれまで脳脊髄液で定量がおこなわれてきた。近年,これらのタンパクは血液中でも正確に定量できるようになってきた。今後は,多種多様な認知症性疾患の脳病理をより包括的に診断・層別化ができる次世代のバイオマーカーシステムの確立が進行している。バイオマーカー(BM)は,「病的過程あるいは薬理学的な反応などを客観的に測定して評価される特性」と定義される。これまで脳神経疾患の生化学的BMは,主に脳脊髄液BMが開発の主体であったが,採取の手間や,侵襲性の高さなどの問題があり,臨床で応用されるにはいたっていない。そのため,血液や尿といった身近なサンプルによるBMの開発が強く望まれてきた。その中でも,脳神経疾患の血液BMが強く希求されており,最近のイノベーションによって血液BMの臨床応用が夢ではなくなってきている。
【目次】
1 アルツハイマー病のコアBMとそれら血液BMへの応用
2 ADバイオマーカーとしての血液中リン酸化タウ(p-タウ)の有用性
3 “A” myloid, “N” eurodegenerationおよびその他の血液BM
4 今後の展望
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世界初のLAL試薬を使用しないエンドトキシン検出法の開発
Development of LAL-free Endotoxin Detection Methodll Adhesion and Desorption
Coulter-counter法を用いたエンドトキシンの連続モニタリング法を検討した。先端にナノポアを有するガラスナノピペットの内部にエンドトキシンを含む透析液を入れ,エンドトキシンフリー透析液のバルク溶液にピペット先端を浸した。ピペット内-バルク間で1 V印加して電流変化を観察した結果,エンドトキエンドトキシン濃度の上昇とともにパルス状の電流変化の現れる頻度が上昇した。本手法はこれまでに実現されていない透析や製薬工場のラインへの組込みができるエンドトキシン検出法としての応用が期待される。
【目次】
1 緒言
2 実験
2.1 試薬調製と電極作製
2.2 エンドトキシン定量
3 結果および考察
3.1 ナノピペットの評価
3.2 エンドトキシン定量
4 結言
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重粒子線がん治療場での臨床線量の評価を目的とした半導体線量計の開発
Development of Semiconductor-based Dosimeter for Evaluation of Clinical Dose in Carbon Beam Cancer Treatment Field
「がん死ゼロ健康長寿社会」の実現を目指す上で,重粒子線がん治療技術は重要な役割を果たしている。治療高度化につれ,線エネルギー付与(LET)に代表される粒子線の特徴量の測定が必要となっている。本稿では,エネルギー分解能や放射線耐性に優れたワイドバンドギャップ半導体を用いた線量計の開発と実際の治療場での測定例を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 臨床線量計の開発
2.1 がん治療場での重粒子線照射
2.2 半導体線量計の開発
2.3 計測評価の流れ
3 実験結果
3.1 LETスペクトルの測定
3.2 今後の展開,LET解析とRBE推定
4 まとめ
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BIO BUSINESS
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医薬品工業
世界の医薬品市場は2014 年に1 兆ドルを突破し,2020 年には1 兆1,800 億ドルを超え,今後も3~6%程度の成長が見込まれている。2019 年の国内医薬品の生産金額は,9 兆4,860 億円となり,前年比37.3%の伸びを示した。医療用医薬品,一般医薬品とも増加したが,配置用家庭薬は減少した。全体的にみると生産金額は年によりばらつきがあるが,製薬業界にとって厳しい状況が続いている。また,2019 年末から発生しているコロナウイルス(COVID-19)による肺炎に関して,IQVIA は,国内のコロナワクチンの市場規模は,21 年度2,250 億円,22 年度500 億円,23 年度1,150 億円,24 年度300 億円,25 年度900 億円と予測している。
1 医療用医薬品
1.1 生産動向
1.2 輸出入
1.3 世界市場
1.4 国内動向
2 一般用医薬品
2.1 生産動向
2.2 市場動向
2.3 企業動向
3 臨床検査薬
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≪BIO PRODUCTS≫
N-アシルグルタミン酸塩(N-Acylglutamate)
L-ロイシン (L-Leucine)
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電子部品用エポキシ樹脂の最新技術 II(普及版)
¥6,710
2011年刊「電子部品用エポキシ樹脂の最新技術Ⅱ」の普及版!エポキシ樹脂と副資材、配合物の機能、応用分野の用途と要求物性などを網羅し、また新たな機能特性と注目分野への技術動向を詳述!!
(監修:越智光一・岸肇・福井太郎)
<!--<a href="https://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=5199"target=”_blank”>この本の紙版「電子部品用エポキシ樹脂の最新技術 II(普及版)」の販売ページを見る(別サイトへ移動)</a> -->
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※執筆者の所属表記は、2011年当時のものを使用しております。
【監修】
越智光一 関西大学
岸肇 兵庫県立大学
福井太郎 パナソニック電工(株)
【著者】
越智光一 関西大学
中西政隆 日本化薬(株)
村田保幸 三菱化学(株) 機能化学本部
中村美香 大阪ガスケミカル(株)
奥村浩一 ダイセル化学工業(株)
吉田一浩 チッソ石油化学(株)
小椋一郎 DIC(株)
稲冨茂樹 旭有機材工業(株)
鈴木実 日立化成工業(株)
近岡里行 (株)ADEKA
有光晃二 東京理科大学
内田博 昭和電工(株)
永田員也 旭化成ケミカルズ(株)
岸肇 兵庫県立大学
中村吉伸 大阪工業大学 (吉の上は「土」)
佐藤千明 東京工業大学
高橋昭雄 横浜国立大学
久保内昌敏 東京工業大学
松田聡 兵庫県立大学
西川宏 大阪大学
上利泰幸 (地独)大阪市立工業研究所
原田美由紀 関西大学
今井隆浩 (株)東芝
古森清孝 パナソニック電工(株)
藤原弘明 パナソニック電工(株)
中村吉宏 日立化成工業(株)
米本神夫 パナソニック電工(株)
元部英次 パナソニック電工(株)
真子玄迅 味の素ファインテクノ(株)
宮川健志 電気化学工業(株)
大野浩正 ヘンケルエイブルスティックジャパン(株)
岩倉哲郎 日立化成工業(株)
小日向茂 住友金属鉱山(株)
矢野博之 新日鐵化学(株)
小高潔 ナミックス(株)
中村裕一 ハンツマン・ジャパン(株)
山口真史 積水化学工業(株)
浦崎直之 日立化成工業(株)
小谷勇人 日立化成工業(株)
三宅弘人 ダイセル化学工業(株)
後藤慶次 電気化学工業(株)
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【第1編 電子部品用エポキシ樹脂と副資材】
第1章 エポキシ樹脂
1. ノボラック型エポキシ樹脂
1.1 ナフタレン含有ノボラック型エポキシ樹脂
1.2 ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
1.3 トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂
1.4 テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹種
1.5 ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂
1.6 フェノールアラルキル型エポキシ樹脂
2. ビフェニル型エポキシ樹脂
2.1 ビフェニル型エポキシ樹脂の構造と特徴
2.2 ビフェニル型エポキシ樹脂の種類
2.3 ビフェニル型エポキシ樹脂の封止材用としての特性
2.3.1 溶融粘度
2.3.2 成形性
2.3.3 吸湿性
2.3.4 低応力性
2.3.5 接着性
2.3.6 耐熱性
2.4 ビフェニル型エポキシ樹脂の展開
2.4.1 新しい半導体技術への対応
2.4.2 新規なビフェニル型エポキシ樹脂の開発
2.4.3 高分子量エポキシ樹脂への導入
2.5 まとめ
3. フルオレン型エポキシ樹脂
3.1 はじめに
3.2 フルオレン型エポキシ樹脂
3.3 合成方法
3.4 基本物性
3.5 硬化物物性
3.6 耐黄変性試験
3.7 分散性
3.8 おわりに
4. 脂環式エポキシ樹脂
4.1 はじめに
4.2 脂環式エポキシ樹脂の合成法
4.3 脂環式エポキシ樹脂の種類と性状
4.3.1 低分子脂環式エポキシ樹脂
4.3.2 オリゴマー型脂環式エポキシ樹脂
4.3.3 新規な脂環式エポキシ樹脂
4.4 脂環式エポキシ樹脂の反応性と硬化物物性
4.4.1 脂環式エポキシ基の反応性
4.4.2 酸無水物硬化
4.4.3 UVカチオン硬化
4.4.4 熱カチオン硬化
4.4.5 アミン硬化
4.5 脂環式エポキシ樹脂の代表的な用途
4.5.1 LED封止材
4.5.2 インク・コーティング関係
4.5.3 電気・電子材料
4.5.4 添加剤・その他
4.6 おわりに
5. 無機骨格を有するエポキシ樹脂
5.1 はじめに
5.2 エポキシ変性シルセスキオキサン
5.2.1 ダブルデッカー型シルセスキオキサン
5.2.2 エポキシ変性ダブルデッカー型シルセスキオキサン
5.3 エポキシ変性シルセスキオキサンの特性
5.3.1 グリシジル変性ダブルデッカー型シルセスキオキサン
5.3.2 脂環エポキシ変性シルセスキオキサン
5.4 おわりに
6. 高機能エポキシ樹脂の分子設計と合成技術,および基礎物性
6.1 はじめに
6.2 高機能エポキシ樹脂の開発
6.2.1 速硬化性エポキシ樹脂
6.2.2 高耐熱性エポキシ樹脂
6.2.3 低熱膨脹性エポキシ樹脂
6.2.4 低吸湿性エポキシ樹脂
6.2.5 低誘電特性エポキシ樹脂
6.2.6 高難燃性エポキシ樹脂
6.2.7 柔軟強靭性エポキシ樹脂
6.3 おわりに
第2章 硬化剤
1. フェノール系エポキシ樹脂硬化剤
1.1 はじめに
1.2 フェノール樹脂の基礎
1.3 エポキシ樹脂とフェノール樹脂の反応
1.4 半導体封止材料エポキシ樹脂硬化剤
1.4.1 半導体封止材料の進歩
1.4.2 封止材用フェノール樹脂系エポキシ樹脂硬化剤の動向
1.5 まとめ
2. 酸無水物類
2.1 はじめに
2.2 酸無水物系硬化剤の種類
2.3 酸無水物系硬化剤の使用にあたって
2.3.1 配合に関して
2.3.2 吸湿,揮散に関して
2.3.3 安全性に関して
2.4 酸無水物系硬化剤の開発動向
2.5 おわりに
3. カチオン系開始剤
3.1 はじめに
3.2 光カチオン開始剤
3.2.1 メリット
3.2.2 デメリット
3.3 熱カチオン開始剤
3.4 おわりに
4. 光塩基発生剤および塩基増殖剤
4.1 はじめに
4.2 新規光塩基発生剤の開発
4.2.1 光環化型塩基発生剤
4.2.2 光脱炭酸型塩基発生剤
4.3 塩基増殖反応による高感度化
4.3.1 塩基増殖剤
4.3.2 分解挙動
4.3.3 アニオンUV硬化への応用
4.4 おわりに
第3章 添加剤
1. 強靱性,耐湿性付与剤
1.1 はじめに
1.2 CEAとα-オレフィンの共重合反応
1.3 共重合体の物性
1.4 共重合体の硬化物の物性値と強靭性・耐湿性付与効果
1.5 フッ素原子導入共重合体
1.6 おわりに
2. フィラー
2.1 フィラーの種類
2.2 フィラーの表面
2.2.1 金属酸化物,水酸化物フィラー
2.2.2 共有結合性フィラーおよび金属フィラー
2.3 フィラーの表面処理
2.3.1 シランカップリング剤
2.3.2 チタネートカップリング剤
2.3.3 脂肪酸,界面活性剤などのイオン結合性有機化合物
2.4 有機-無機ハイブリッド
【第2編 エポキシ樹脂配合物の機能化】
第4章 力学的機能
1. 強靱性
1.1 はじめに
1.2 ゴム添加によるエポキシ樹脂強靭化
1.3 ポリマー微粒子添加によるエポキシ樹脂強靭化
1.4 ポリマーアロイによるエポキシ樹脂の強靭化
1.5 おわりに
2. 低内部応力性
2.1 はじめに
2.2 内部応力とは
2.3 内部応力の低減
2.3.1 ゴム変性
2.3.2 無機粒子の充てん
2.4 強靭性の向上
2.4.1 ゴム変性
2.4.2 無機粒子の充てん
2.5 おわりに
3. 接着性
3.1 はじめに
3.2 接着性とは何か
3.2.1 接着性の定義
3.2.2 応力基準およびひずみ基準
3.2.3 破壊力学的基準
3.3 接着性を考慮した接合部の設計
3.3.1 ICチップと封入樹脂と界面強度
3.3.2 コヘッシブゾーンモデルを用いた接合部の強度予測
3.4 おわりに
第5章 耐久性・耐候性
1. エポキシ樹脂の耐熱性
1.1 はじめに
1.2 物理的耐熱性
1.3 化学的耐熱性
1.4 高耐熱化
2. 耐湿性
2.1 はじめに
2.2 吸水特性
2.2.1 Fickの理想拡散に基づく吸水特性
2.2.2 化学構造と吸水性
2.2.3 無機フィラーの効果
2.3 吸液後の乾燥と物性
2.4 浸入した水の分布と計測
2.5 電子部品の耐湿信頼性
2.5.1 PCT
2.5.2 樹脂の耐熱衝撃性に及ぼす水の影響
2.6 おわりに
3. エポキシ樹脂の疲労き裂伝ぱ特性
3.1 はじめに
3.2 耐疲労性の評価法
3.3 エポキシ樹脂の疲労き裂伝ぱ特性
3.4 おわりに
第6章 伝導的機能
1. 導電性
1.1 はじめに
1.2 導電メカニズム
1.3 導電フィラーの最新動向
1.3.1 導電フィラーの複合添加
1.3.2 導電フィラーに対する表面処理
1.4 おわりに
2. 熱伝導性―フィラー系高熱伝導性エポキシ樹脂
2.1 高熱伝導性高分子材料への期待
2.2 高分子材料の複合化による熱伝導率に及ぼす影響
2.2.1 粒子分散複合材料の有効熱伝導率に与える影響と予測式
2.2.2 熱伝導率に与える影響
2.3 応用分野と将来性
3. 熱伝導性―液晶性エポキシ樹脂系
3.1 はじめに
3.2 構造制御に用いられるメソゲン基と液晶性エポキシ樹脂の特徴
3.3 局所配列および巨視的構造を有する硬化物の創製と熱伝導性
3.4 局所配列構造の形成過程を利用した高熱伝導性コンポジットの創製
3.5 おわりに
第7章 光学的・電気的機能
1. エポキシ樹脂硬化物の屈折率制御
1.1 はじめに
1.2 屈折率に影響を及ぼす基本的な因子
1.3 分極率の異なる原子の導入による屈折率制御
1.4 充填密度の変化による屈折率制御
1.5 おわりに
2. 耐高電圧特性(耐絶縁破壊性)
2.1 はじめに
2.2 エポキシ樹脂の電気絶縁性と測定方法
2.3 絶縁破壊特性が受ける影響
2.4 絶縁破壊特性の向上
2.4.1 球状フィラー充填による絶縁破壊特性の向上
2.4.2 ナノフィラー分散による絶縁破壊特性の向上
2.5 おわりに
【第3編 電子部品用エポキシ樹脂の用途と要求物性】
第8章 基板材料
1. 高速通信用プリント配線板材料
1.1 はじめに
1.2 高速通信用PWB材料の要求特性
1.2.1 銅張積層板の材料構成
1.2.2 高速通信材料への要求物性
1.2.3 絶縁樹脂
1.2.4 ガラスクロス
1.2.5 銅箔
1.3 低誘電エポキシ樹脂銅張積層板
1.4 おわりに
2. 環境対応型プリント基板材料
2.1 はじめに
2.2 プリント基板に関係する法規制の動きと対応技術
2.3 鉛フリー対応技術について
2.4 ハロゲンフリー対応技術について
2.4.1 基板用エポキシ樹脂の難燃化技術の進歩
2.4.2 ハロゲンフリープリント基板材料の特性
2.5 おわりに
3. エポキシ樹脂を用いた最新PKG基板材料
3.1 はじめに
3.2 半導体パッケージの動向と半導体パッケージ基板材料に求められる特性
3.3 エポキシ樹脂の設計
3.3.1 高絶縁信頼性材料への対応
3.3.2 反り低減材料への対応
3.3.3 環境調和型材料への対応
3.4 実用事例
3.5 おわりに
4. ビルドアップ基板用層間絶縁材料
4.1 はじめに
4.2 半導体パッケージ基板用層間絶縁材に求められる特性
4.3 半導体パッケージ基板用層間絶縁フィルム
4.3.1 ABFを用いた多層基板の製造プロセス
4.3.2 ABFの構成
4.3.3 ABFの特徴
4.3.4 ABFの品種とそれぞれの特性
4.4 次世代の層間絶縁材料
4.4.1 次世代の層間絶縁材に要求される性能
4.4.2 次世代向けABF
4.5 ガラスクロスとの複合化材料
4.6 おわりに
5. 高放熱性金属ベース基板
5.1 放熱性基板
5.2 金属ベース基板の構造
5.3 絶縁層の高放熱材料設計
5.4 金属ベース基板の信頼性
5.5 まとめ
第9章 実装材料
1. ダイボンディングペースト
1.1 はじめに
1.2 ダイボンドペーストの分類
1.2.1 リードフレーム用ダイボンドペースト
1.2.2 有機基板用ダイボンドペースト
1.3 マーケットトレンドロードマップ
1.3.1 ダイボンドペーストのマーケットドライバー
1.3.2 ダイボンドペーストの要求特性
1.4 ダイボンドペーストロードマップ
2. ダイボンディングフィルム
2.1 はじめに
2.2 高密度実装の動向とダイボンディングフィルムの必要特性
2.3 エポキシ樹脂/アクリルポリマー系の特徴
2.4 エポキシ樹脂/アクリルポリマー系の補強
2.5 フィルムのダイボンディング用途への適用
2.6 おわりに
3. 導電性接着剤(ペースト)
3.1 はじめに
3.2 Agエポキシの組成概要
3.3 導電性に影響をおよぼす金属粉末の界面活性剤(解こう剤:Lubricant/有機物)
3.4 Agエポキシ硬化物の導電性
3.4.1 直流電気伝導測定
3.4.2 AFM観察
3.5 Agエポキシの電気伝導機構の検討
3.6 新しい導電性接着剤の試み
4 フリップチップ実装用NCP(Non Conductive Paste)
4.1 はじめに
4.2 NCPの要求特性
4.3 設計
4.3.1 硬化挙動
4.3.2 信頼性
4.3.3 材料設計
4.4 おわりに
5. アンダーフィル材―フリップチップ用,COF用,CSP補強用
5.1 はじめに
5.2 アンダーフィルの材料構成
5.2.1 樹脂組成
5.2.2 フィラーについて
5.2.3 その他の添加剤
5.3 アンダーフィルの要求特性と課題
5.3.1 流動特性
5.3.2 接続方式の変化とLow-Kの脆弱化
5.4 熱応力シミュレーション技術のアンダーフィル開発への応用
5.5 COF用アンダーフィル
5.6 2次実装用アンダーフィル
5.7 おわりに
第10章 注目用途へのエポキシ樹脂の展開
1. エネルギー用途―風力発電用FRP材料
1.1 はじめに
1.2 風力発電ブレードの大型化
1.3 風力発電ブレードの成形方法
1.3.1 レジンインフュージョン
1.3.2 構造接着プロセス
1.4 ブレードの製造プロセス
1.5 ブレード製造に用いられるエポキシ樹脂システムおよび構造接着剤
1.5.1 ブレード製造に用いられるインフュージョン用エポキシ樹脂
1.5.2 ブレード製造に用いられる構造用接着剤
1.6 おわりに
2. 液晶ディスプレー用シール剤
2.1 はじめに
2.2 UVシール剤の構成
2.2.1 構成
2.2.2 各成分の役割
2.2.3 各材料の特徴
2.3 UVシール剤の必要機能
2.3.1 UV硬化性
2.3.2 熱硬化性
2.3.3 低汚染性
2.3.4 ポットライフ/ディスペンス性
2.3.5 長期信頼性
2.3.6 接着力
3. 高輝度白色LED用途―白色リフレクタ材料
3.1 はじめに
3.2 表面実装型LED動向と白色反射モールド樹脂の必要特性
3.3 成形方法と白色反射モールド樹脂の設計
3.4 LED用白色反射モールド樹脂の事例
3.4.1 開発材の物性
3.4.2 開発材を用いたLEDパッケージの試作工程と結果
3.4.3 LEDパッケージの信頼性
3.4.4 開発材の寿命
3.4.5 まとめ
3.5 おわりに
4. ナノファブリケーション用途―光ナノインプリント材料へのエポキシ樹脂の応用
4.1 はじめに
4.2 ナノインプリント技術
4.2.1 ナノインプリントの種類
4.2.2 光ナノインプリント材料への適用性
4.3 カチオン硬化システムの特徴
4.3.1 カチオン硬化性化合物
4.3.2 硬化収縮について
4.3.3 硬化収縮のメカニズム
4.3.4 基材密着性とモールド離型性
4.4 まとめ
5. 光学部品用UV硬化型エポキシ接着剤
5.1 はじめに
5.2 光学部品用UV接着剤について
5.3 UV硬化型エポキシ接着剤の特徴
5.4 UV硬化型エポキシ接着剤の硬化機構
5.5 UV-LEDについて
5.5.1 分光分布
5.5.2 寿命
5.5.3 高安全性・低ランニングコスト
5.6 UV硬化型エポキシ接着剤の硬化特性
5.7 UV硬化型エポキシ接着剤「ハードロック UVX-Bシリーズ」
5.8 おわりに -
月刊バイオインダストリー 2016年2月号
¥3,960
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特集
細胞識別・選別技術の最前線―再生医療の安全性向上に向けて―
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特集にあたって
Introduction
紀ノ岡正博 (大阪大学)
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5-アミノレブリン酸を利用した残留未分化iPS細胞の選択的除去
5-Aminolevulinic Acid-induced Selective Elimination of Remaining Undifferentiated iPS Cells
伊東秀典 (SBI ファーマ㈱)
吉田俊介 (㈱リプロセル)
田中徹 (SBI ファーマ㈱)
5-アミノレブリン酸(ALA)を用いたがんの光線力学治療(ALA-PDT)は,ALA投与時にがん細胞選択的にプロトポルフィリンⅨ(PPⅨ)が蓄積することを利用している。筆者らはALA-PDTを応用した残留未分化iPS細胞の選択的除去法を開発したので紹介する。
【目次】
1. はじめに
1.1 5-アミノレブリン酸(ALA)とは
1.2 ALAの外的投与とその応用
2. ALAと光照射を組み合わせたiPS細胞の選択的除去
2.1 ALAを用いた光線力学診断(PDD),光線力学治療(PDT)
2.2 光線力学除去(PDE)によるiPS細胞特異的な細胞死の誘導
2.3 PDEによる分化細胞純化の特色
3. 応用展開:iPS細胞由来分化細胞の品質診断法としての可能性
4. 未分化iPS細胞のALA-PDEが示唆する未来のがん治療
5. おわりに
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多能性幹細胞の腫瘍化原因細胞をがん特異的制限増殖型アデノウイルスにより特異的に除去する新技術
A Novel Method using Conditionally Replicating Adenovirus for Specifically Abolishing Tumorigenic Cells in Pluripotent Stem Cells
三井薫 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
小戝健一郎 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
本稿では,我々が独自開発したがん治療薬の「多因子制御によるがん特異的増殖型アデノウイルスベクター(m-CRA)」技術を応用した,多能性幹細胞の中の腫瘍化原因細胞の新たな除去技術を紹介する。m-CRAは腫瘍化原因細胞中のみで増殖し,これらを直接・特異的に殺傷・除去できるため,再生医療における腫瘍化阻止の新たな技術として期待される。
【目次】
1. はじめに
2. 腫瘍化原因細胞を「直接」標的治療する3つのウイルスベクター技術
3. 革新的ながん治療薬としてのm-CRA技術の開発
4. m-CRA技術の再生医療への応用
5. 今後の展望
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ラマン散乱スペクトルによる細胞指紋法の提案
Cellular Fingerprinting using Raman Spectroscopy
渡邉朋信 (理化学研究所)
市村垂生 (生命システム研究センター)
藤田英明 (生命システム研究センター)
正常細胞とがん細胞との識別や良質な人工多能性幹細胞(iPS細胞)の選種など,細胞の種類や状態の判断を必要とする状況は,基礎医学分野,生命科学分野において多々ある。本稿では,我々が考案・開発してきた,ラマン散乱スペクトルを細胞の種類/状態を識別するための「指紋」として用いる方法を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 「細胞指紋」となり得る物理量
3. 細胞のラマンスペクトルの取得
4. 主成分分析を用いて様々な細胞株を識別する
5. ラマンスペクトルを用いた,細胞状態遷移の表現
6. おわりに
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培養細胞の自動評価と赤外線レーザーを用いた非接触式細胞選別法の必要性
Automated Evaluation and Laser-assisted Maintenance of Induced Pluripotent StemCells
寺村岳士 (近畿大学)
松田浩一 (シンフォニアテクノロジー㈱)
ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)が樹立されて以来,多能性幹細胞を用いた再生医療が注目されるようになった。iPS細胞を用いた再生医療を安全に実施するためには,細の品質を安定させることが必要である。本稿では,再生医療における画像診断・赤外線レーザーによる非接触式細胞除去技術の必要性と,iPS細胞の新たな管理法としての可性について紹介する。
【目次】
1. 従来の再生医療細胞施設と問題点
2. 全自動培養ロボットの意義
3. iPS細胞培養の特殊性
4. iPS細胞の普及,臨床応用に向けた試み
5. レーザーによる非接触操作の意義
6. iPS細胞培養のこれから
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無菌ソーティングを実現する使い捨て交換型流路チップを用いるセルソーター(On-chip Sort)
Disposable Microfluidic Chip Based Cell Sorter for Sterile Sorting
武田一男 (㈱オンチップ・バイオテクノロジーズ)
1. はじめに
2. 従来型のセルソーターの原理と限界
2.1 原理と長所
2.2 従来型セルソーターの欠点
2.2.1 ソーティングダメージ
2.2.2 大気中からのサンプルへの細菌汚染や大気へのエアロゾルによるサンプル拡散
2.2.3 サンプル間のコンタミネーション
3. 使い捨て交換型マイクロ流路チップ内のソーティング技術の開発
3.1 ソーティング原理の探索
3.2 マイクロ流路内パルス流ソーティングのための局所化技術
3.3 使い捨て交換型ソーティング流路チップとソーティング性能
3.4 ソーティングダメージ
3.5 セルソーターの光学系
4. 再生医療用向け分化細胞の純化(未分化細胞の完全除去)
5. あとがき
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生細胞の分取に適したダメージレスセルソーター
A Novel Damage-less Cell Sorter(PERFLOWⓇ Sort)Developed for Live Cells
徐杰 (古河電気工業㈱)
生細胞へのダメージレスソーティングを目的とする世界初のセルソーター(PERFLOWⓇSort)は,特にデリケートな細胞種であるヒトiPS細胞やヒトES細胞等のソーティングに最も適しており,これまでになく,66%という極めて高い成功率でシングルセル由来のモノクローンヒトiPS細胞の樹立に成功した。
【目次】
1. はじめに
2. 新しいコンセプトのセルソーター(PERFLOWⓇ Sort)
2.1 新しい解析情報
2.2 ダメージレスソーティング
2.3 濃縮ソーティング
3. 生細胞によるダメージレスソーティング評価
3.1 成熟巨核球細胞によるダメージレスソーティング評価
3.2 ヒトiPS細胞へのダメージレスソーティング評価
3.3 神経冠幹細胞候補へのダメージレスソーティング評価
3.4 三次元培養による結腸腺癌細胞塊へのダメージレスソーティング評価
4. おわりに
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BIO R&D
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抗体の小分子化とドラッグデリバリーへの展開
Fragment antibodies and their application in drug delivery systems
秋葉宏樹 (東京大学)
津本浩平 (東京大学)
次世代の抗体医薬の基盤として注目を集めているのが小分子化・融合技と,これらを応用したドラッグデリバリーシステム(DDS)である。小分子化技術,DDSにおける抗体の役割,近年発展しているプレターゲティングを概説し,生体内での二重特異性抗体成を利用した抗体DDSについての筆者らの取り組みについて紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 抗体の小分子化と融合抗体
3. DDSのためのコンジュゲート抗体
4. プレターゲティング
5. 新しいDDS抗体へ
6. おわりに
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BIO BUSINESS
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再生医療等に使用される細胞加工物の品質・安全性評価
―リスクベースアプローチの考え方―
Quality and Safety Assesment of Cell Processor for Regenerative Meicine
佐藤陽治 (国立医薬品食品衛生研究所)
【目次】
1. はじめに
2. 再生医療,細胞治療,細胞加工物
3. 細胞の「加工」について
4. 細胞加工物の品質・安全性評価の原則
5. リスクベースアプローチの具体的な考え方に関するEUのガイドライン
5.1 ATMPの規制における基本原則:リスクベースアプローチ
5.2 EMAのリスクベースアプローチ・ガイドライン
5.3 EMA/CAT/CPWP/686637/2011
5.3.1 EMAガイドラインの対象
5.3.2 リスクベースアプローチの方法論
5.3.3 リスク
5.3.4 リスク要因
5.3.5 リスクプロファイリング
5.3.6 販売承認申請書類への適用
6. 我が国の規制環境においてリスクベースアプローチをどう活用するか
7. おわりに -
月刊バイオインダストリー 2022年3月号
¥2,200
<著者一覧>
黒田章夫 広島大学
堀 克敏 名古屋大学
内田和希 九州大学
神谷典穂 九州大学
梅津光央 東北大学
中澤 光 東北大学
二井手哲平 大阪大学
大河内美奈 東京工業大学
隅田泰生 鹿児島大学
新地浩之 鹿児島大学
吉野知子 東京農工大学
鈴木智加良 東京農工大学
川久保雅友 信州大学
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【特集】固相へのバイオ分子の配向とその利用
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特集にあたって
Introduction
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鉱物にアフィニティーのあるタンパク質の利用
Application of Mineral-binding Proteins
特定の鉱物にアフィニティーのあるタンパク質を利用して鉱物を検査しようという試みは,現在のX 線を用いた分析法では判定が難しいものでも判定できる場合があることから,「環境検査」「医療診断」「鉱物学」の分野で将来有用な技術になると考えている。著者は,「固相へのバイオ分子の配向とその利用」から始まった「結晶のバイオセンシング」を一般化したいと考えている。
【目次】
1 はじめに:「固相へのバイオ分子の配向とその利用」から「結晶のバイオセンシング」へ
2 アスベストをバイオで検査するという試み
2.1 アスベスト結合タンパク質を使ったアスベスト検査
2.2 鉱物資源を安全に利用するための簡便なアスベスト検査
3 結晶のバイオセンシングへの展開
3.1 DksAの分子認識メカニズム
3.2 様々な結晶を特異的に認識する人工タンパク質を創成する技術
4 おわりに
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細菌接着タンパク質と微生物固定化への利用
Bacterial Adhesive Protein and Its Application to Microbial Immobilization
筆者らは,様々な材料表面に接着する細菌の細胞表層タンパク質AtaA を発見し,その性質,構造,接着機構の解明を進めてきた。さらに,AtaA を利用した画期的な微生物固定化法の開発と固定化微生物による革新的微生物プロセスの構築を手掛けてきた。本稿では,従来の微生物固定化法の概説後,AtaA について研究の進展について紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 従来の微生物細胞固定化法
3 微生物接着タンパク質AtaA
4 微生物固定化技術への応用
5 将来展望
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脂質二分子膜へのタンパク質のアンカリング技術
Anchoring Proteins on Lipid-bilayer Membranes
細胞は脂質分子により構成される二重膜構造で区画化され,膜に局在するタンパク質を介した情報伝達やエネルギー変換を通して生命活動を営んでいる。本稿では,脂質分子の導入によるタンパク質への疎水性の付与と,人工脂質修飾タンパク質の合成二分子膜ならびに細胞膜表層へのアンカリング技術と応用例を紹介する。
【目次】
1 生体内におけるタンパク質の脂質修飾
2 合成脂質二分子膜へのタンパク質のアンカリング
3 細胞膜表層へのタンパク質のアンカリング
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材料表面を認識するペプチド・タンパク質から発想するハイブリッドナノアセンブリ
Hybrid Nanoassembly via Material-binding Peptides and Proteins
試験管の中で進化を模倣した進化分子工学は,分子集合体や無機材料表面などの非分子系材料をも分子認識対象とし材料表面に親和性のあるペプチド・タンパク質を創りだすことができる。本稿では,それらバイオ分子が様々な材料に対してハイブリッドな階層的複合構造を形成できるインターフェイス分子として利用できることを紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 材料結合性ペプチド
3 材料結合性抗体
4 天然に存在する材料結合性ドメイン:セルロース結合ドメイン
5 おわりに
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ナノデバイスへのペプチドの固定と利用
Peptide Functionalization and Utilization in Nanodevices
近年,ナノ粒子,ナノワイヤ,ナノシートなど比界面積の大きいナノ構造体を活用したバイオデバイスの開発が進んでいる。ペプチドは化学合成や化学修飾が容易であり,特定の材料表面への修飾や自己組織化が可能である他,構成されるアミノ酸の特性によりターゲットに対して優れた親和性を発揮する。本稿では,ペプチドを利用した分子認識界面の構築によるナノデバイスの開発について述べる。
【目次】
1 はじめに
2 ペプチド修飾ナノワーヤデバイスによるエクソソーム回収
3 有害・危険物を迅速にセンシングする分子認識ペプチドプローブの開発
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糖鎖のナノ粒子への固定化と医薬・検査薬への応用
Immobilization of Sugar Chain onto Gold Nanoparticle and Medical / Diagnostic Application
糖鎖を金属へ効率よく固定化するオリジナルな方法を確立し,それを応用したナノ粒子のウイルス検査法,および免疫増強剤の開発研究について説明する。
【目次】
1 はじめに
2 糖鎖固定化ナノ粒子を用いたウイルス検査法の開発
2.1 ウイルス検査の重要性について
2.2 インフルエンザウイルスの実験
2.3 デング熱ウイルス
3 アジュバント(免疫増強剤)としてのToll様受容体7(TLR7)リガンド・糖鎖共固定化金ナノ粒子の開発
3.1 アジュバントとしてのTLRリガンド
3.2 1V209・糖鎖共固定化金ナノ粒子(1V209-SGNPs)の調製
3.3 1V209-SGNPsの免疫増強活性
4 おわりに
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単一細胞アレイ化技術と希少細胞解析への応用
Single-cell Array and Its Application to Rare Cell Analysis
生体内には疾病に関わる様々な希少細胞が存在しており,この様な希少細胞の解析により診断・治療や発症メカニズム解明が期待される。一方でこの様な希少細胞の解析には技術的な課題が多く残されており,十分なオミクス情報の取得には至っていない。本総説では希少細胞の解析に向けて,近年開発されている単一細胞アレイ化技術と希少細胞解析への応用に関して概説する。
【目次】
1 はじめに
2 希少細胞の種類と重要性
3 単一細胞アレイ化技術
3.1 ドロップレット
3.2 マイクロウェル
3.3 誘電泳動
3.4 マイクロフィルター
4 Microcavity array(MCA)の開発と希少細胞解析への応用
5 おわりに
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BIO REVIEW
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薬剤耐性ピロリ菌に除菌効果を有するコレステロール類似物質
Cholesterol Analogue Available for Antimicrobial Resistant Helicobacter Pylori
コレステリル-α-D-グルコピラノシド(CGL)は,ピロリ菌の細胞壁構成成分である。我々は,コレステロール類似物質であるコレステノンが,CGL生合成を阻害することでピロリ菌に抗菌活性を示すことを明らかにした。また抗菌作用はクラリスロマイシン耐性を有するピロリ菌にも有効であった。さらにコレステノンは,ピロリ菌感染マウスに投与し単剤で除菌することができた。
【目次】
1 ピロリ菌とは
2 ピロリ菌除菌治療の方法およびその効果と問題点
3 ピロリ菌がもつ特徴的な糖脂質
4 ピロリ菌に対するコレステノンの効果
5 抗生物質とコレステノンの相違
6 今後の展望
-
月刊バイオインダストリー 2019年12月号
¥4,950
<著者一覧>
笹内謙一 (株)PEO技術士事務所
菅野明芳 (株)森のエネルギー研究所
片岡直明 水ingエンジニアリング(株)
澤井正和 (株)テクノプラン
原田龍一 東北大学
盛戸貴裕 東北大学
谷内一彦 東北大学
梅津光央 東北大学
齋藤 裕 産業技術総合研究所
亀田倫史 産業技術総合研究所
津田宏治 東京大学
小沼泰子 (株)ニコン
清田泰次郎 (株)ニコン
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【特集】バイオマス発電の実際と今後
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木質バイオマス小規模発電
Small Scale Power Plant for Woody Biomass
小規模の木質バイオマス発電がFITの買取価格が40 円/kWh と再生可能エネルギーの中でも群を抜いて高いことや必要な燃料の量が比較的少ないことから注目を浴びている。中でもガス化発電は高効率であることからその導入が盛んである。ただしその技術の大半が欧州からの輸入であること,熱電併給の熱利用が活かせていないことから事業性の妨げとなっており,その留意点について述べる。
【目次】
1 はじめに
1.1 2,000 kW未満の発電所のメリットとデメリット
1.2 BTG発電
1.3 ORC発電
1.4 熱分解ガス化発電(ガス化CHP)
1.5 汎用ガス化CHPの留意点
1.6 熱電併給は必須
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バイオマス熱電併給・熱供給の最新動向
Latest Trends in Biomass Cogeneration and Heat Supply
「2050年にCO2排出量80%削減」達成には,日本のあらゆる企業や家庭が「CO2ゼロ」の実現に投資を行う必要がある。太陽光に比べバイオマス発電はコストが高止まりする短所がある一方で,工場での蒸気利用等の熱利用では他の再エネよりバイオマスが安価となる。民間企業や一般家庭から投資を呼び込む「バイオマス熱電併給・熱自給」のビジネス創出が胎動し始めた。
【目次】
1 はじめに
2 木質バイオマスの熱利用を伴う発電(熱電併給)・熱供給の現状
2.1 他の再エネ発電と,木質バイオマス発電の将来動向
2.2 木質バイオマスの熱利用の現況
2.3 民間事業者にとっての「儲かる木質バイオマスの熱利用事業」の定義
3 近年の特徴ある木質バイオマス熱電併給・熱利用の動向,導入事例について
4 結び
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バイオマスのメタン発酵技術の基礎と開発事例
Trends in Research & Development of Anaerobic Biological Treatment Technology for Biomass
メタン発酵(嫌気性処理)は,酸素のない嫌気環境下で生育する嫌気性菌の代謝作用により,有機物をメタンガスや炭酸ガスに分解する方法である。現在,低炭素社会に向けた未利用資源の活用技術として,生ごみや食品加工残渣,汚泥などのバイオマス向けメタン発酵が普及し始めており,その基礎と研究開発動向を紹介した。
【目次】
1 はじめに
1.1 メタン発酵技術の歴史
1.2 バイオマス活用の推進,循環型社会の形成,法制度の施行状況
1.3 バイオマスメタン発酵の技術開発
2 メタン発酵技術の基礎
2.1 メタン発酵処理の特徴
2.2 有機物の嫌気分解経路
2.3 バイオガス発生
2.4 バイオマス活用に向けたメタン発酵処理技術
3 食品廃棄物系メタン発酵技術の開発事例
3.1 システムフロー
3.2 食品製造残渣バイオガス化設備の運転結果
4 下水汚泥のメタン発酵技術の開発事例
4.1 高濃度汚泥消化システム
4.2 高濃度汚泥消化システムの評価(室内実験)
4.3 下水汚泥消化のバイオガス有効利用技術と課題
5 地域バイオマス利活用施設の事例
6 今後の展望
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メタン発酵発電事業の採算性と最適化および新技術
Profitability and Optimization of Methane Fermentation Power Generation Business and New Technology
本稿では,「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の支援を受けて開発したメタン発酵槽に関する新技術について紹介する。この技術は,真空装置とバイオマスの可溶化装置として機能する「蒸気エジェクター」を利用したメタン発酵促進技術で,この技術を利用した発電システムからの熱回収と消化率の効率化により,発電事業の採算性を従来システムと比較して飛躍的に改善する方法を解説する。
【目次】
1 はじめに
2 メタン発酵発電事業の事業性向上対策
2.1 メタン発酵発電事業に適したバイオマスと発電事業の状況
2.2 メタン発酵発電事業における利益率向上のための方策と課題
3 蒸気エジェクター式加温装置によるメタン発酵の効率化技術
3.1 蒸気エジェクター式加温装置の原理と機能
3.2 蒸気エジェクター式加温装置の性能
4 蒸気エジェクター式加温装置を利用したメタン発酵発電システム
4.1 蒸気エジェクター加温装置を利用した高温メタン発酵システム
4.2 温水加温発電システムとの事業性(投資利益率)比較
5 おわりに
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BIO R&D
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ポジトロン放出核種標識タンパク質の新規合成方法の開発
Development of New Methods for Protein Radiolabeling with Positron Emitting Radionuclides
バイオ医薬品のようなタンパク質製剤が治療薬に出てきてから,タンパク質型のPETプローブへの期待も高まってきている。本稿では,筆者らが取り組んできた炭素11とフッ素18標識高比放射能標識アミノ酸と無細胞タンパク質合成試薬を用いた,新しいポジトロン放出核種標識タンパク質PETプローブの合成技術について解説する。
【目次】
1 はじめに
2 無細胞タンパク質合成試薬を用いたポジトロン放出核種標識タンパク質の合成
2.1 11C標識L-メチオニンを用いた11C標識タンパク質の合成
2.2 18F標識4-フルオロ-L-プロリンを用いた18F標識タンパク質の合成
2.3 部位特異的な18F標識タンパク質の合成
3 おわりに
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BIO R&D
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機械学習が道先案内するタンパク質の進化分子工学
Can Machine Learning Guide Directed Evolution of Functional Proteins ?
タンパク質の設計とは「20種類のアミノ酸をどのように配列させるか」であるが,アミノ酸の配列が生み出す「場合の数(配列空間)」は膨大である。タンパク質のデータベースから骨格タンパク質を選定した場合,タンパク質の設計は「どこの残基」を「何のアミノ酸」に変えるかという単純なものになる。しかし,タンパク質の大規模な変異体ライブラリーの作製技術やスクリーニング操作が発展してきているにも関わらず,未だ開発時間も創出確実性も読めない中で開発を進めざるを得ない現状がある。本稿では,進化分子工学における変異体ライブラリーの作製に人工知能技術の一つである機械学習による機能予測を導入することで,目的変異体を含む確率が飛躍的に向上している小規模な変異体群(スマートホットライブラリー)を構築する手法を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 進化分子工学の課題:配列空間問題
3 配列空間の道先案内人としての機械学習
4 学習データの質と量
5 アミノ酸の記述子
6 ベイズ最適化に基づく機械学習
7 酵素への利用
8 まとめ
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BIO ENGINEERING
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細胞培養向けライブセルイメージング
Live Cell Imaging for Cell Culture
ライブセルイメージングは基礎研究だけでなく,医療及び産業で利用される細胞品質管理や in vitro での創薬スクリーニングにおいても欠かせないツールとなっている。安定したライブセルイメージングを実現するための,細胞培養環境を維持する細胞培養観察装置と画像解析について述べる。
【目次】
1 培養細胞のライブセルイメージング
2 ライブセルイメージングを支える画像解析技術
3 接着細胞のコンフルエンシーの解析
4 ヒト多能性幹細胞コロニーの解析
5 神経細胞の解析
6 画像解析のための撮影条件設定
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BIO BUSINESS
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世界のバイオプラスチック市場
【目次】
1 世界市場
2 ブラジル
3 アジア
4 欧州
5 北アメリカ
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BIO BUSINESS
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特定保健用食品(トクホ)市場の動向
【目次】
1 はじめに
2 市場動向
3 用途別動向
4 販売チャネル別動向
5 将来動向
6 トクホ市場における食物繊維含有製品の動向
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月刊バイオインダストリー 2016年3月号
¥3,960
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【特集】共培養による“ものづくり”の発展
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特集にあたって
Introduction
尾仲宏康 (東京大学大学院)
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複合培養による放線菌抗生物質生産の覚醒
Combined-Culture:the New Method for Secondary Metabolism Activation in Actinomycetes
尾仲宏康 (東京大学大学院)
放線菌は抗生物質をはじめとした多様な二次代謝産物を作る有用な微生物として知られている。一放線菌株が有する二次代謝生合成遺伝子群は実に40種類にのぼるとゲノム解析結果は示しているが, 実際には一株当たり数種の二次代謝産物生産を確認するのみであり, 二次代謝を効率的に活性化する培養法が求められている。
【目次】
1. はじめに
2. 放線菌の二次代謝に刺激を与える微生物の取得
3. ミコール酸含有細菌には二次代謝誘導活性がある
4. ミコール酸含有細菌の直接接触が赤色色素生産を誘発している
5. 複合培養は多くの放線菌の二次代謝を活性化する
6. 複合培養を用いた新規二次代謝産物の探索
7. おわりに
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海綿共生微生物による生物活性物質の生産
Biosynthesis of Bioactive Compounds by Marine Sponge Symbiont Bacteria
江上蓉子 (北海道大学大学院)
脇本敏幸 (北海道大学大学院)
阿部郁朗 (東京大学大学院)
海綿動物からは, これまでに数多くの生物活性物質が単離報告されている。化学構造上の類似性から, これらは共生微生物によって生産されることが長年疑われてきた。本稿では, 生物活性物質の生産を担う海綿共生微生物の遺伝子レベルでの同定について概説する
【目次】
1. はじめに
2. 海綿動物と共生微生物
3. 海綿由来生物活性物質の生産者に関する研究
4. 海綿Discodermia calyx共生微生物の解析
5. Calyculin生合成遺伝子を用いた生産者の同定
6. 海綿-共生微生物系におけるcalyculin類の毒性制御機構
7. 今後の課題
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共培養の伝統的発酵への影響
Influence of Microbial Coculture on the Traditional Fermentation
酒谷真以 (佐賀大学)
北垣浩志 (佐賀大学)
伝統発酵食品の製造は開放発酵系であるため, 様々な微生物が入り込み, 多くの微生物間の相互作用で成り立っている。その相互作用のメカニズムとしては, 細胞間の接着や不飽和脂肪酸, エルゴステロール, グルコシルセラミドなどの脂質のやり取りが報告されている。
【目次】
1. 世界の伝統的発酵における微生物共生
2. 日本酒造りにおける微生物制御技術の発展
3. 日本酒造りにおける微生物共生
3.1 酵母と乳酸菌
3.2 麹菌と酵母の共生
4. 酢酸菌との共生によるお酢造り
5. 糠床における微生物の共生
6. おわりに
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異種微生物間で受け渡される基質と生育因子の解明
Interspecies Substrate and Growth Factor Transfer between Organisms
鎌形洋一 (産業技術総合研究所)
環境中では多様な微生物が集団で存在している。この複雑系の根幹をなすのは異種微生物間の競合・共存・共生でありそこには多様な物質の授受を介したネットワークシステムが存在しているはずである。ここでは異種微生物間で受け渡される物質や生育因子の解析を通してこうしたネットワークの一端を解説したい。
【目次】
1. 微生物は複雑系の中で存在し多くは実験室で純粋培養することができない
2. 複雑系における異種微生物間の基質の授受
3. 微量で環境中の微生物の生育を促進する因子とは
4. 二種の微生物の共培養によって発見された生育因子
5. おわりに
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微生物間相互作用を利用した複合系バイオフィルムの制御
Applying Cell-Cell Communication to Control Polymicrobial Communities
豊福雅典 (筑波大学)
尾花望 (筑波大学)
野村暢彦 (筑波大学)
自然界の微生物は複合系として存在する。多くの場合バイオフィルムのような塊を形成し, 相互に作用する。その制御は環境問題からヒトの健康問題に至るまで多くのニーズを抱えている。ここでは微生物間相互作用を利用した複合系バイオフィルムの試みと今後の展望について解説する。
【目次】
1. はじめに
2. バイオフィルムと微生物間相互作用
3. バイオフィルム中における微生物間相互作用
4. 細胞間コミュニケーションによる代謝の制御
5. 細胞間コミュニケーションによる複合系バイオフィルムの制御
6. 今後の展望
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共培養によるテバイン生産
Microbial Production of Thebaine by Co-Culture System
南博道 (石川県立大学)
近年, 生合成工学の進展により, 微生物発酵法による植物アルカロイド生産が可能となったが, 多段階の生合成経路において生産効率が低くなる問題があった。一菌体での生産が効率的だと考えられていたが, 生合成経路を複数の菌体に分割し, 共培養を行うことで効率的に生産できることが明らかとなった。本稿では, 共培養によるアルカロイドの微生物発酵生産について解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 微生物によるレチクリン生産
3. レチクリンからのイソキノリンアルカロイド生産
4. 微生物によるケシアルカロイド生産
5. おわりに
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ヨーグルトにおける共生作用と酸素
Symbiosis and Oxygen in Yogurt
堀内啓史 (㈱明治)
ヨーグルトは, 2種類の乳酸菌Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricusとStreptococcus thermophilusの共生作用で作られるが, 酸素の存在はこの共生作用を阻害することがわかった。そこで, 酸素を低減した発酵を試みた結果, 発酵が促進されることがわかった。
【目次】
1. はじめに
2. 乳酸菌の共生作用とヨーグルト
3. 乳酸菌の共生作用と酸素
3.1 酸素に着目した研究
3.2 ヨーグルトの発酵と酸素
3.3 酸素を低減した発酵
4. 研究成果の商品への応用-酸素を低減して低温で発酵-
5. 酸素低減による発酵時間短縮メカニズム
5.1 単菌発酵に対する「脱酸素発酵法」の効果
5.2 溶存酸素濃度を固定した発酵
5.3 溶存酸素濃度を固定した発酵における蟻酸の生成
5.4 「脱酸素発酵法」と蟻酸の生成
6. おわりに
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BIO R&D
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植物由来フェノール(グリーンフェノール)の量産化技術
Mass production of bio-mass derived phenol“Green-phenol”
宮内啓行 (住友ベークライト㈱)
乾将行 (地球環境産業技術研究機構)
近年, 低炭素社会実現に向け植物資源からのプラスチックの生産に大きな注目が集まっている。フェノール樹脂は実用化されたプラスチックの中で最も古い歴史を持ち, 今もなお発展を続けているが, 工業生産がされているフェノール樹脂は石油由来の原料を用いて製造されているもののみである。本稿では, 世界で初めての植物由来フェノール(グリーンフェノール)の量産化技術について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. フェノール樹脂について
2.1 フェノール樹脂の歴史
2.2 フェノール樹脂とは
2.3 フェノール樹脂の市場動向
3.フェノール樹脂の利用分野と技術動向
3.1 工業用フェノール樹脂
3.2 成形材料
4. グリーンフェノールの量産化技術
4.1 フェノールの植物由来化の重要性
4.2 バイオプロセスの生産性向上
4.3 グリーンフェノール樹脂の特性
5. おわりに
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BIO BUSINESS
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乳酸菌関連製品の市場動向
Market Trend of Productics and Prebiotics
シーエムシー出版編集部
【目次】
1. 市場の動向
1.1 市場規模の推移
1.2 市場のトレンド
2. 個別市場の動向
2.1 発酵乳
2.2 乳製品乳酸菌飲料/乳酸菌飲料/乳酸菌入り清涼飲料
2.3 食品/健康食品(サプリメント)
3. 企業動向 -
月刊バイオインダストリー 2016年6月号
¥3,960
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【特集】バイオテクノロジーが育む頭髪の未来
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臨床発毛医学の現状と展望
Current State of Clinical Hair Growth Medicine and Future
松山淳 (国際抗老化再生医療学会;日本臨床医学発毛協会;松寿会)
健康長寿社会が進む現代社会において, アンチエイジングという概念も様々な分野で浸透し, 健康長寿はもちろん, 近年, 「見た目の若さ」も重要な要素となってきている。なかでも, 薄毛や脱毛は男女共通の悩みとして, 関心を集めている。本稿では脱毛症の基礎, 現在の治療法, 今後の治療の発展や可能性などについて臨床的観点から述べたい。
【目次】
1. はじめに
2. 男性型脱毛症(AGA)とは
3. 診断
4. 治療
5. 内服療法
6. 注射療法
7. 実際のHARG(R)治療
8. 効果的な治療介入の時期と治療効果の判定時期
9. 今後の展望
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5-アミノレブリン酸ALAの発毛促進作用
Promotion of Hair Regrowth with 5-Aminolevulinic Acid
松崎貴 (島根大学)
皮膚に適切な濃度の5-アミノレブリン酸(ALA)を塗布すると発毛が促される。本稿ではその作用機序が従来の発毛・育毛剤とは異なることを示すとともに, 投与されたALAがヘムに変換されてATP生成を促進している可能性, および毛周期調節機構に関わっている可能性について解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 毛母細胞の細胞活性と毛周期の関係
3. 5-アミノレブリン酸(ALA)と細胞増殖
4. ALAの発毛促進効果
5. ALAの作用機序
6. ヘムタンパク質と毛周期
7. 今後の課題
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ガゴメ昆布由来フコイダンの育毛効果
Effect of Fucoidan from Kjellmaniella crassifolia on Hair Growth
大野木宏 (タカラバイオ(株))
海藻と毛髪に関する伝承は古くから存在するが, 科学的な検証が十分進んでいない。最近の研究において, 昆布に含まれるフコイダンが様々な増殖因子の産生を促進することで育毛効果を発揮することがわかってきた。本稿ではガゴメ昆布由来のフコイダンに関する基礎研究結果と製品応用例を紹介する。
【目次】
1. フコイダンと毛髪
2. ガゴメ昆布由来フコイダンのHGF産生促進作用
3. ガゴメ昆布由来フコイダンのFGF-7産生促進作用
4. ガゴメ昆布由来フコイダンの育毛領域での応用
5. 今後の展望
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フラーレンの持つ抗酸化作用と育毛効果
Effect of the Fullerene on Hair Growth
伊藤雅之 (ビタミンC60 バイオリサーチ(株))
乾重樹 (心斎橋いぬい皮フ科;大阪大学)
フラーレンは, 抗酸化成分としてスキンケア用途で使用されており, 昨年で発売から10年となった。主にシミ・ニキビ・毛穴目立ちなどの肌トラブルに対してフラーレンが用いられているが, 近年, 頭皮・頭髪への効果を期待する声が多くなっている。本稿では, フラーレンが毛成長促進に有効である事を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 化粧品原料としてのフラーレン
2.1 フラーレンの発見
2.2 フラーレンの抗酸化力
2.3 フラーレンの化粧品への応用
2.4 フラーレンによる活性酸素対策と美容効果
2.5 フラーレンの安全性
3. フラーレンの毛成長に対する効果
3.1 実験方法
3.2 結果
3.3 考察
4. おわりに
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AGAのメカニズムと治療
Mechanism and Treatment of AGA
乾重樹 (心斎橋いぬい皮フ科;大阪大学)
AGAのメカニズムについて, 近年の遺伝学的研究から得られる示唆と, アンドロゲンの基礎医学的研究から得られるアンドロゲンの関与の仕方の面から議論する。さらに日本皮膚科学会男性型脱毛症診療ガイドラインで強く勧められている治療である, フィナステリド内服とミノキシジル外用について臨床医学的な見地から概説する。
【目次】
1. はじめに
2. AGAの遺伝
3. AGAの病態メカニズム
3.1 毛器官の男性ホルモンに対する感受性の調節因子
3.1.1 5α-還元酵素(5α-reductase)
3.1.2 アンドロゲン受容体(AR)
3.1.3 アンドロゲン受容体共役因子(androgen receptor coregulator)
3.2 AGAの病態に関わるメディエーター
4. AGAの治療
4.1 フィナステリド内服薬
4.1.1 作用機序
4.1.2 用法・適応
4.1.3 効果
4.1.4 副作用
4.2 ミノキシジルローション
4.2.1 作用機序
4.2.2 効能・効果
4.2.3 副作用
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AGA治療におけるデュタステリド(ザガーロ(R)カプセル)の作用
Effects of Dutasteride(Zagallo(R)capsule)on AGA Treatment
畠中俊樹 (グラクソ・スミスクライン(株))
男性における男性型脱毛症(androgenetic alopecia;AGA)の主な原因要因として, ジヒドロテストステロン(DHT)が深く関与することが明らかとなっている。DHTは生体内において, テストステロンから5α-還元酵素により変換され, 生成される。5α-還元酵素阻害薬であるデュタステリドは, 毛髪の毛包部においてDHTの生成を抑制することでヘアサイクルにおける成長期を延長させ, AGAに対して有効性を示すと考えられる。本稿では, デュタステリド(ザガーロ(R)カプセル)の開発経緯とともに, その作用機序, 有効性および安全性に関する臨床試験成績, およびDHT濃度に対する影響を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. デュタステリドのAGA治療薬としての開発経緯
3. AGAのヘアサイクルとデュタステリドの作用機序
4. デュタステリドの臨床試験成績
4.1 第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検比較試験(国際共同試験)
4.2 国内臨床試験(長期投与試験)
4.3 海外第Ⅱ相試験
5. デュタステリドのDHT濃度に対する影響
6. おわりに
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α-リポ酸誘導体の抗がん剤誘発脱毛に対する抑制効果
Inhibitory Effect of α-Lipoic Acid Derivative on Chemotherapy-Induced Alopecia
平塚孝宏 (大分大学医学部附属病院;大分大学)
中嶋健太郎 (大分大学医学部附属病院;大分大学)
圓福真一朗 (大分大学医学部附属病院;大分大学)
河野洋平 (豊後大野市民病院)
麻生結子 (大分大学医学部附属病院;大分大学)
猪股雅史 (大分大学医学部附属病院;大分大学)
北野正剛 (大分大学)
抗がん剤誘発脱毛は抗がん剤による最も心的ダメージの大きな副作用であるにもかかわらずその効果的な治療法はいまだに存在しない。今回我々は新規抗酸化剤であるα-リポ酸誘導体が抗がん剤誘発脱毛抑制効果を有することを明らかにした。その詳細と臨床応用へ向けた取り組みについて解説する。
【目次】
1. はじめに
2. ラット抗がん剤誘発脱毛モデルを用いた基礎研究
3. 乳がん患者を対象とした臨床研究
4. 多施設共同臨床試験
5. おわりに
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発毛・育毛ビジネスの進展と未来
Progress and the Future of Hair Growth Business
伊藤憲男 ((株)アデランス)
現在は脱毛のメカニズムが解明されてきており, その対処方法も実に様々なものがある。医療機関での治療方法も数多く存在しているが, 一方で手術や医薬品の使用に抵抗のある, あるいはまだその段階ではないと考える人も少なくない。本稿ではそれらの人たちを対象に実践されている脱毛への対処を中心に, その周辺と将来の展望について考察する。
【目次】
1. 髪の悩み
2. 脱毛進行の分類と市場
3. 医療機関における対処法
3.1 内服薬または外用薬
3.2 植毛術(自毛植毛)
3.3 GF カクテル注入
3.4 HARG療法
4. 医療機関以外
4.1 育毛剤
4.2 ヘアケア・スカルプケア機器
4.3 スカルプケア系シャンプー類
4.4 スカルプケアサロン
5. 今後の展望
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BIO R&D
ウシ唾液はセルロース分解を促進する
Enhancement of Cellulose Degradation by Cattle Saliva
坂口謙吾 (東京理科大学)
金井良博 (東京理科大学発ベンチャー アクテイブ(株))
関泰隆 (東京理科大学)
草食動物の唾液は咀嚼や反すうの際に植物繊維を分解補助する。難分解性であるセルロースを効率的に酵素分解するため, ウシの唾液が及ぼす影響を調べた。その結果, 唾液によって分解が促進され, セルラーゼ使用量の低減ができる可能性が見出された。バイオマス資源の糖化技術において, 酵素コストは実用化を遅らせている主要因の一つであり, その部分への貢献が期待される。
【目次】
1. はじめに
2. 非生物系と生物系の素材の融合が必要な背景
3. 研究の概要と成果
4. 結論
5. まとめと展望
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TOPICS
環境DNA を用いて水中の生物相を知る
Aquatic species census using environmental DNA
源利文 (神戸大学)
近年, 環境中のDNA情報を用いて生物の分布情報を得る「環境DNA分析」と呼ばれる手法が発展している。本稿では主に, 環境水中のDNA情報を用いて魚類や両生類などの大型生物の分布情報を明らかにする取り組みについて, 研究開発の経緯を概説するとともに, 種特異的な検出法および環境DNAメタバーコーディング法の二つの手法について技術的なポイントを解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 環境DNA分析の流れ
3. 種特異的な検出と定量
4. 環境DNAメタバーコーディング
5. 環境DNA分析手法の課題
6. 今後の展望
7. おわりに
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BIO PRODUCTS
ポリL-乳酸
Poly-L-lactic Acid, PLLA
【目次】
1. 概要
2. 毒性
3. 製法
4. 生産
5. 需要
6. 価格・荷姿
7. 市場予測 -
月刊バイオインダストリー 2015年3月号
¥3,960
【特集】抗菌ペプチド利用の最前線
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特集にあたって
Introduction
相沢智康(北海道大学)
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未知の生理活性ペプチドの探索方法
Screening Methods for Discovering New Bioactive Peptides
尾崎司 (山形大学)
佐々木一樹 (国立循環器病研究センター研究所)
南野直人 (国立循環器病研究センター研究所)
生理活性ペプチドは, 前駆体タンパク質がプロセシングを受けて生成し, 機能を発揮する。近年の質量分析技術の向上, ゲノム情報の蓄積によって微量のペプチドを単離することなく同定できるようになった。本稿では, 生理活性ペプチドの探索方法について2種の新規抗菌ペプチドの発見を例に挙げて紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 生理活性ペプチド探索のために有効な手法 : セクレトペプチドーム解析
3. ペプチドーム解析の鍵となる質量分析計によるペプチド同定
4. 塩基性ペプチド画分からのAMP-IBP5の発見
5. 生物種間の保存性および既知の活性ペプチドの特徴を加味した候補ペプチドの選定
6. 生菌の還元活性を指標にした抗菌活性のスクリーニング
7. AMP-IBP5 およびVGF[554-577]-NH2の抗菌活性
8. まとめ
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抗菌ペプチドの食品添加物としての利用
Use of Antibiotic Peptides as Food Additives
小磯博昭 (三栄源エフ・エフ・アイ(株))
食品の腐敗防止に使われる抗菌ペプチド(リゾチーム, ε-ポリリジン, プロタミン, ナイシン)は, 少量で効果を示し優れた静菌剤であるが, ペプチドの種類により抗菌スペクトルや熱安定性などの性質が異なる。本稿では食品添加物として認められている抗菌ペプチドの特徴や食品での応用事例を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. リゾチーム
3. ε-ポリリジン, プロタミン
4. ナイシン
5. おわりに
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米由来抗菌ペプチドの有する多様な生体防御機能
Host Defense Multi-functions of Antimicrobial Peptides from Rice Proteins
谷口正之 (新潟大学)
抗菌ペプチドは, 従来の抗生物質に代わる感染防御剤として注目を集めている。米タンパク質由来の抗菌ペプチドを新規に同定し, それらのヒト病原微生物に対する抗菌活性とスペクトルについて解説した。また, 抗菌ペプチドの有するプロテアーゼ阻害活性, 抗炎症活性, 管腔形成促進作用などの多様な生体防御機能について紹介した。
【目次】
1. はじめに
2. 米由来抗菌ペプチドの特徴と抗菌活性
3. 抗菌ペプチドのプロテアーゼ阻害活性
4. 抗菌ペプチドの抗炎症活性
5. 抗菌ペプチドの管腔形成促進活性
6. 抗菌ペプチドの細胞毒性と溶血活性
7. まとめと今後の課題
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カブトムシディフェンシン由来抗菌ペプチドを用いた抗菌性繊維の開発
Development of Antimicrobial Fiber using Antimicrobial Peptides derived from Allomyrina dichotoma Defensin
石橋純 ((独)農業生物資源研究所)
中村允 (和歌山県工業技術センター)
薬剤耐性菌の蔓延の問題に対処するために, 新たな抗菌性素材の開発が急務である。薬剤耐性菌に対して効果を示し, 新たな耐性菌を生み出しにくいと考えられる抗菌タンパク質は, 抗菌剤として有望である。本稿ではカブトムシディフェンシン改変ペプチドを利用した抗菌繊維の開発について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. カブトムシディフェンシン改変ペプチドの開発
3. 抗菌ペプチドを共有結合させた抗菌性素材
3.1 ペプチド固定化技術の応用
3.2 綿生地の改質
3.3 改変ペプチド固定化繊維の作製
3.4 改変ペプチド固定化繊維の形態変化
3.5 抗菌活性試験
4. 抗菌ペプチドの加工剤化
4.1 改変ペプチドの高分子化
4.2 加工生地の抗菌活性評価
4.3 安全性試験
5. まとめ
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抗菌ペプチドによるバイオシリカ生産技術の開発
Development of Bio-silica Formation Technology Utilizing Antimicrobial Peptides
井上高康 (富士化学(株))
松田祐介 (関西学院大学)
ケイ酸固体化ペプチドは珪藻被殻 Silaffin などのように強い塩基性である。塩基性人工ペプチド, CDPFもやはり強いケイ酸固体化能を有する。塩基性は抗菌ペプチドと共通する特徴であるため, 抗菌性ペプチドとして知られるプロタミンのケイ酸固体化を試みた結果, 強い抗菌性は保持されたままで効果的なケイ酸固体化が確認された。
【目次】
1. はじめに
2. ペプチドによるシリカバイオミネラリゼーションについて
3. プロタミンのシリカ固体形成能と抗菌性
4. おわりに
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抗菌ペプチドをプローブとして利用した微生物検出法の開発
Development of Novel Assays using Antimicrobial Peptides for the Detection of Microbes
相沢智康 (北海道大学)
米北太郎 (日本ハム(株))
北條江里 (日本ハム(株))
抗菌ペプチドは微生物に結合する性質を持つことから, 幅広い微生物を検出するプローブとしての応用が期待できる。本稿では, 抗菌ペプチドをプローブとして用いた食中毒原因微生物の検出法の開発について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. プローブに適した抗菌ペプチドのスクリーニング
3. 抗菌ペプチドの遺伝子組換え生産
4. ラテラルフロー法への応用
5. まとめ
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創傷治癒効果と抗菌効果を併せ持つペプチドの創生
Development of a Novel Multifunctional Peptide with Wound Healing and Antimicrobial Activities
天満昭子 (大阪大学)
冨岡英樹 (アンジェスMG (株))
中神啓徳 (大阪大学)
森下竜一 (大阪大学)
抗菌ペプチドとは広域の抗菌スペクトルを有し, 生体防御機構として生体を守る役割を担う自然免疫機能の一つである。抗菌ペプチドの中には, 抗菌活性に加えて多様な活性を示すものが存在するが, 筆者らは, 遺伝子機能スクリーニングの過程において, 創傷治癒効果と抗菌活性をもつ多機能ペプチドを見出したのでこれを紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. AG30 の最適化
3. SR-0379 の生物活性
3.1 SR-0379 の抗菌活性
3.2 SR-0379 の創傷治癒作用
4. SR-0379 の in vivo 創傷治癒作用
5. まとめ
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≪BIO R&D≫
クモ糸を紡ぐカイコの実用品種化に成功
Silk Produced by Transgenic Silkworm Expressing Spider Dragline Silk Protein
桑名芳彦 ((独)農業生物資源研究所)
小島桂 ((独)農業生物資源研究所)
カイコ実用品種に, オニグモの縦糸遺伝子を導入した遺伝子組換えカイコを作出した。そのカイコが作るシルク(クモ糸シルク)は, シルク本来の光沢やしなやかさを保ちつつも, 通常シルクより強くてよく伸び, 切れにくさが向上していた。実用品種カイコを使っているので糸質も良く, 機械によってベスト等を加工できた。今後はクモ糸成分を増やして, より高強度のシルクの作出を目指す。
【目次】
1. はじめに
2. クモ糸シルクとは
2.1 遺伝子組換えカイコの作出
2.2 クモ糸遺伝子の導入
2.3 カイコ実用品種の利用
3. クモ糸シルクの特徴
3.1 オニグモ縦糸タンパク質の確認
3.2 引張り物性
4. さいごに
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BIO BUSINESS
芳香・消臭・脱臭剤工業の市場
Market of Aromatic and Deodorant
2013年の消臭芳香剤の市場規模は約500億円となった。国内市場の成熟化に加え, プライベートブランド化による価格訴求の高まりから平均単価が下落したことが大きな要因と考えられており, 新規市場の開拓とともに価格の安定化が求められている。近年は20~30代の女性をターゲットにデザインを重視した商品開発が盛んで, 大きく売り上げを伸ばしている。その他にも高齢者, ペット飼育者向けに新たな製品投入を行うなど, 今後の市場拡大に期待がかかる。
【目次】
1. 概要
2. 種類・素材など
2.1 天然系
2.2 無機系
2.3 触媒系
2.4 オゾン系
3. 市場動向
3.1 室内用
3.2 トイレ用
3.3 衣料用
3.4 自動車用 -
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【特集】セラミックスの製造・開発と活用動向
★セラミックスは様々な元素の組み合わせにより多様な特性を実現することが可能であり,耐熱性,耐食性,電気絶縁性などに優れた性質を有しております。本特集では,様々な領域での活躍が期待されているセラミックスに関して,製造・開発や活用動向を紹介しております。
<著者一覧>
伊藤暁彦 横浜国立大学
井上遼 東京理科大学
新井優太郎 東京理科大学
鴨田紀一 (株)リコー
田中諭 長岡技術科学大学
青山慎治 東京工業大学
ロレンツォ カッティ 東京工業大学
吉沢道⼈ 東京工業大学
澤原馨登 筑波大学
川波肇 (国研)産業技術総合研究所
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【特集】セラミックスの製造・開発と活用動向
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透明セラミックス結晶の高効率製造
Rapid Production Process for Transparent Ceramic Thick Films
化学気相析出プロセスをレーザー照射により活性化することで,透明セラミックス結晶の高効率製造を実現できる。ガーネット型シンチレータ結晶では,従来製法を凌駕する発光収率を達成し,放射線撮像装置の高分解能化や低コスト化に貢献する。一方,機能性セラミックス結晶の迅速探索研究など,様々な用途への展開が期待できる。
【目次】
1 緒言
2 高分解能X線撮像向け透明セラミックス
3 化学気相析出法
4 透明セラミックス結晶の高速CVD
4.1 希土類アルミネート系蛍光体
4.2 フェライト系磁性体
5 結論
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多元素セラミックスの設計とその性能の可能性
Prospective for Design and Performance of Compositionally Complex Ceramics
近年,5種類以上の元素をおよそ等量含む合金であるハイエントロピー合金の設計思想を応用した多元素セラミックスの研究・開発が国際的に盛んである。本稿では多元素セラミックスを設計するうえで重要な「ハイエントロピー」という概念と著者らが取り組んでいる多元素セラミックスの研究について解説する。
【目次】
1 「ハイエントロピー」とは何か?
2 セラミックスにおける「ハイエントロピー」を定義する
3 耐熱構造材料としての多元素セラミックス
3.1 耐熱多元素セラミックスが求められる背景
3.2 計算熱力学を応用した耐熱多元素セラミックス複合材料の創成
4 転写した薄膜の損傷を抑制するPt保護層の形成
5 終わりに
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リコーが挑む構造用セラミックス三次元造形技術の開発と特徴
Ricoh’s Challenge for Structural Ceramics 3D Printing Technology
本稿では,リコーが研究開発を行っている構造用セラミックスの製造を目的とした粒子均質化モデリング(PHM)法を紹介する。これは,バインダージェッティング法と呼ばれる造形法を発展させた新しい方法である。既存技術では困難であった厚さ10mmから30mmの部品の造形と焼結・評価を通して,本技術の特徴と造形時の挙動について解説する。
【目次】
1 イントロダクション
1.1 背景
1.2 粒子均質化造形法の構想
2 実験目的
2.1 材料
2.2 造形
2.3 乾燥,脱脂,焼結
2.4 造形物の解析
3 結果と考察
3.1 グリーン体の緻密化挙動
3.2 PHM 法の仮説検証
4 結論
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セラミックス製造プロセスにおける三次元可視化評価技術
Three-Dimensional Visualization Evaluation Technology in Ceramic Powder Processing
セラミックスの特性に影響を及ぼしかねない重要な構造は,従来の二次元観察に加えて,三次元で観察すべきである。本稿では,緻密体及び成形体のような多孔質体での三次元観察手法について,その方法や観察事例を用いて概説する。三次元観察に工程や時間の次元を加えた多次元観察が“新たな気づき”をもたらすはずである。
【目次】
1 はじめに
2 パウダープロセス
3 セラミックス成形体及び焼結体の欠陥構造の三次元可視化
3.1 光学顕微鏡による薄片及び浸液含浸した試料の透過観察
3.2 共焦点走査型レーザー顕微鏡による浸液含浸した試料の三次元観察
3.3 X線コンピュータトモグラフィ(CT)による試料の三次元可視化
4 三次元可視化技術を用いたパウダープロセスでの構造発達の解明
4.1 浸液透光法による脱脂前後での三次元観察
4.2 浸液透光法による焼結途中での三次元観察
4.3 X線CTによる焼結中の三次元観察
4.4 共焦点走査型レーザー顕微鏡によるスラリー中粒子運動の三次元観察
5 おわりに
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[Material Report-R&Dー]
超難溶性ポリマーのナノカプセル化による水溶化の実現
Water Solubilization of Virtually Insoluble Polymers through Encapsulation by Aromatic Micelles
芳香環骨格を主軸に持つポリマーは高機能性材料の原料として注目されているが,置換基の導入なしでは,高い剛直性と強い凝集性から水や有機溶媒に溶解しない。今回,無置換の芳香環ポリマーとV型両親媒性分子の混合により,ナノカプセル化を介した効率的な水溶化に初めて成功した。また,薄層フィルムが簡便に作製できる新ポリマー加工法を開発した。
【目次】
1 はじめに
2 ナノカプセルによる芳香環ポリマーの水溶化
3 芳香環ポリマーの構造解析と物性評価
4 芳香環ポリマーの薄層フィルム作製
5 まとめと今後の展開
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フロー式によるギ酸からの発電システムの開発
Power Generation by the Flow Type Hydrogen Production from Formic Acid
新たなギ酸脱水素化用の固定化触媒を開発し,フロー式による連続した水素生成システムを開発した。その水素を用いて燃料電池による発電を実証した。固定化触媒は,従来の均一系イリジウム触媒と同等の高活性を維持しつつ,2000時間以上の長時間運転を実現し,生成ガス中の一酸化炭素濃度も0.2ppm以下を達成した。
【目次】
1 はじめに
2 固定化触媒の開発
3 触媒活性評価
4 発電試験
5 まとめ
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[Market Data]
レアアース工業の市場動向
レアアースの需要は,ここ数年増減を繰り返している。2021年に新型コロナの影響型回復したレアアース(希土類)の国内需要は,2022年ふたたび低下した。セリウム,ミッシュメタル等における需要の減少は,半導体不足に伴う自動車の生産量の低下などの要因に起因している。
【目次】
1 概要
2 需給動向
2.1 酸化セリウム(CeO2)・セリウム化合物
2.2 酸化イットリウム(Y2O3)・酸化ユーロピウム(Eu2O3)
2.3 酸化ランタン(La2O3)
2.4 ミッシュメタル
2.5 その他製品
3 業界動向
3.1 供給先確保
3.2 リサイクル関連
3.3 使用量低減・代替材料関連
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[Material Profile]
酸化マグネシウム
水酸化マグネシウム -
Hydrogen Energy Society 創刊号
¥2,200
創刊号
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第1章 現実となってきた水素社会
幾島賢治
愛媛大学;IHテクノロジー㈱
1 はじめに
2 水素社会のイメージ
3 水素の用途及び製造
4 水素社会に向けてのうねり
4.1 家庭用燃料電池
4.2 燃料電池自動車
4.2.1 自動車本体の概要
4.2.2 水素ステーション
4.2.3 水素火力発電所
5 まとめ
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第2章 天然ガスからの水素製造
朝倉隆晃、池田耕一郎、清水 翼、東 隆行
大阪ガス㈱、㈱KRI
1 はじめに
2 水素製造法
2.1 改質部門
2.1.1 脱硫
2.1.2 改質
2.1.3 CO変成
2.2 精製・分離部門
2.2.1 吸収法
2.2.2 深冷分離法
2.2.3 吸着法
2.2.4 膜分離法
3 最近の水素製造法の進歩
3.1 大型の合成ガス製造装置
3.1.1 無触媒部分酸化(POX)プロセス
3.1.2 自己熱改質(ATR)プロセス
3.1.3 自己熱改質(AATG)プロセス
3.2 オンサイト型小型水素製造技術
3.2.1 工業雰囲気ガス用
3.2.2 自動車用水素供給ステーション
4 新規水素製造技術の開発
4.1 膜分離型水素製造法
4.2 熱分解法
4.3 プラズマ分解法
4.4 ベンゼン併産法
4.5 CO2固定型
5 おわりに
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第3章 燃料電池の研究開発状況と自動車への応用
草川紀久
高分子環境情報研究所
1 燃料電池自動車の市販開始と「水素社会」の幕開け
2 燃料電池注目の背景~地球環境問題・エネルギー
3 政府の「次世代自動車戦略2010」と「エネルギー基本計画」
4 2014 年4 月11 日に閣議決定された新「エネルギー基本計画」
4.1 考えられているエネルギー源
4.1.1 非化石エネルギー
4.1.2 化石燃料
4.1.3 水素エネルギー
4.2 今後のエネルギー源のベストミックスのあり方
4.3 次世代自動車等の環境性能に特に優れた自動車の普及
5 政府の「水素・燃