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【特集】エクソソーム研究が産業界に与えるインパクト
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エクソソーム研究が産業界にもたらすディープ・インパクト
Deep Impact of Exosome Research on Industrial Society
落谷孝広 (国立がん研究センター研究所)
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エクソソーム研究が導く新たな生命科学
Exosome Research will give a New Perspective on Biological Science
吉岡祐亮 (国立がん研究センター研究所)
落谷孝広 (国立がん研究センター研究所)
エクソソームが発見されてから, 30年以上が経ち, エクソソームが関与する生命現象は多岐に渡ることが明らかとなってきた。細胞はエクソソームに様々な物質を積み込み, 近傍の細胞, さらには遠隔地にいる細胞へと, エクソソームを介してメッセージを送っている。これらメッセージを解読することで新たな生命科学分野が拓きつつあり, 本稿では, これら最新の研究を紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 細胞外小胞エクソソームとは
3. エクソソームが関与する生命現象
3.1 凝固作用に関与する細胞外小胞
3.2 免疫に関与する細胞外小胞
3.3 組織保護・修復に関与する細胞外小胞
3.4 ウィルス感染と細胞外小胞
4. おわりに
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NanoSight:粒子トラッキング解析法を用いたマイクロベシクル/ナノベシクルの可視化・サイズ・濃度測定
NanoSight:Direct Visualization, Sizing and Counting of Exosome using Nanoparticles Tracking Analysis(NTA)
入江文子 (日本カンタム・デザイン(株))
バイオマーカとしての利用が期待されるマイクロベシクル/ナノベシクルに, 近年注目が注がれている。これまでナノベシクル研究は適切なキャラクタライゼーション法が不足していた。本稿では, 独自の技術を用いて粒子の可視化を行い, その情報をもとに粒子径・粒子濃度情報を迅速かつ簡易的に得ることが可能な「NanoSight」について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. 原理
3. 代替技術
4. 測定の選択性
5. まとめ
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エクソソーム診断デバイスの開発
Development of Exosome Diagnosis Device
湯川 博 (名古屋大学)
馬場嘉信 (名古屋大学)
本稿では, 筆者らが開発してきたナノバイオデバイスを駆使し, がん細胞由来エクソソームの粒子径・粒径計測, 高効率回収, 内包されているmiRNA 高効率抽出に取り組み, その有用性を明らかにした。今後, ナノバイオデバイスを実用化することで, エクソソームによる超早期診断が実現されることが期待される。
【目次】
1. はじめに
2. ナノポアデバイスによるエクソソーム粒子計測
3. ナノワイヤデバイスによるエクソソーム回収
4. ナノワイヤデバイスによるエクソソーム由来miRNA高効率抽出
5. 次世代診断システムの開発プロジェクト
6. おわりに
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間葉系幹細胞由来の細胞外小胞による組織修復
―メカニズム理解の現状と今後の展望―
Tissue Recovery Mediated by Mesenchymal Stem Cell-derived Extracellular Vesicles
-Current Status of The Underlying Mechanisms and Future Perspectives-
勝田 毅 (国立がん研究センター研究所)
落谷孝広 (国立がん研究センター研究所)
細胞外小胞(Extracellular vesicle:EV)は, 細胞間コミュニケーションにおいて重要な役割を演じている。近年, 多くの研究から, 間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell:MSC)から分泌されるEV が様々な疾患に対する治療効果をもつことが明らかとなり, 新たな疾患治療薬としての利用可能性が注目され始めている。EVにはタンパク質, miRNA, mRNAなど複数種類の分子が含まれており, これらの内容物に依存した種々の様式で, 生物学的プロセスに関わることが分かってきた。本稿では, MSC-EVを用いた新規治療法開発の可能性をテーマに, 内容物の分子種によって最近の報告を分類分けし, その組織修復のメカニズムを探る。また, この研究領域が辿るべき今後の展開についても議論したい。
【目次】
1. はじめに
2. タンパク質を介したMSC-EVによる治療効果
3. RNAを介したMSC-EVによる治療効果
4. 責任分子が未解明のMSC-EVによる治療効果
5. 今後の展望
6. おわりに
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乳中に含まれるRNA とエクソソームの機能解析および産業応用の可能性
Functional RNA and Exosome in Milk
和泉裕久 (森永乳業(株))
小坂展慶 (オックスフォード大学)
「乳」 には栄養素以外の生理活性因子も多数含まれているが, 近年miRNA, mRNAも存在することが明らかになった。本稿では, 乳中に含まれるRNAと, 内部にRNAを含む乳中エクソソームについて, 現在分かっていることを紹介するとともに, 今後の展開について議論する。
【目次】
1. はじめに
2. 乳清中に含まれるmiRNAについて
3. 乳中エクソソームについて
4. 乳清中に含まれるmRNAについて
5. 乳清中RNAの存在形態
6. 乳清以外に含まれる乳中RNA
7. 食餌由来RNAやエクソソームの生体への作用
8. 乳由来エクソソームの今後の展開
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食品成分がマイクロRNA/エクソソームに与える影響
―新規機能性食品開発の可能性と展望―
An Overview of the Relationship between Food
-Derived Natural Products, microRNAs, and Exosomes/Extracellular Vesicles
大塚蔵嵩 (キユーピー(株))
我々の体内のマイクロRNA発現の乱れは多くの疾病に関与していることが明らかとなりつつある。最近の研究からは食品由来の化合物がマイクロRNA発現を良い状態に戻す可能性が浮上しているが, それを有効に利用できるかは課題でもある。本稿ではマイクロRNAに影響を与える成分を解説するとともに, 新規の機能的な食品開発の可能性と展望についても考察する。
【目次】
1. はじめに
2. miRNA発現に影響を与える天然化合物とは
2.1 クルクミン(Curcumin)
2.2 ゲニステイン(Genistein)
2.3 EGCG(Epigallocatechin-3-gallate)
2.4 レスベラトロール(Resveratrol)
2.5 ケルセチン(Quercetin)
2.6 スルフォラファン(Sulforaphane), DIM
2.7 その他の天然化合物
2.8 miRNAを制御する天然化合物の食品への利用
3. 食品由来のmiRNAは健康に寄与するのか?
4. おわりに
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BIO R&D
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微生物の高生存率乾燥技術の開発
Development of Microorganism Drying Technology with High Survival Rate
平康博章 ((地独)大阪府立環境農林水産総合研究所)
筆者らはパルスジェットエンジンを利用した乾燥機を用いて乳酸菌などの微生物を連続的かつ高生存率で乾燥する技術を開発した。この技術は乾燥生菌剤の大量調製に適しており, 従来の微生物乾燥法より速度やエネルギーコストの面で優れることが期待される。本稿では技術の概要および特徴, 開発の経緯について解説する。
【目次】
1. はじめに
2. 様々な微生物乾燥技術
3. パルス燃焼式乾燥の概要
4. パルス燃焼式乾燥による微生物の乾燥
5. 乾燥保護剤の改良
6. 今後の展望
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新規プロテオグリカン複合体(ヒアルコPG(R))摂取による紫外線からの防御効果
Protective Effects from Ultraviolet Rays by Ingestion of New Proteoglycan Complex(Hyaluco PG)
後藤昌史 (サンスター(株))
加藤陽治 (弘前大学)
柿崎育子 (弘前大学)
弘前大学とサンスター(株)は, 共同研究によりサケ軟骨からの熱水抽出による新たなプロテオグリカン原料を開発した。酸やアルカリを使用せず, 熱水のみで抽出することにより, 生体内の存在形態に近いヒアルロン酸-コラーゲン-プロテオグリカン複合体の形で抽出されていることが大きな特徴である。本稿では, この新規プロテオグリカン複合体原料(ヒアルコPG(R))の開発および有用性について紹介する。
【目次】
1. はじめに
2. サケ軟骨PGの分子量と生理活性の関係
3. 熱水抽出技術の開発
4. サケ軟骨熱水抽出PGの構造
5. ヒアルコPG(R)摂取による日焼け予防効果(ヒト臨床試験)
5.1 試験方法
5.2 結果および考察
6. おわりに
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BIO BUSINESS
産業用酵素の市場
Industrial Enzymes Market
シーエムシー出版編集部
【目次】
1. 酵素の分類と世界市場
2. 産業用酵素市場
2.1 市場概況
2.2 分野別の市場動向
2.2.1 食品用酵素
2.2.2 洗剤用酵素
2.2.3 繊維用酵素
3. 主要メーカー動向
3.1 ノボザイムズジャパン
3.2 天野エンザイム
3.3 ナガセケムテックス
3.4 新日本化学工業
3.5 ヤクルト薬品工業
3.6 エイチビィアイ
3.7 三菱化学フーズ
3.8 洛東化成工業
4. 市場の方向性