- シーエムシー出版
- ¥4,950
- 35MB
- 2023/09/12
月刊バイオインダストリー 2023年9月号(電子版)
雑誌・定期刊行物
コンテンツの内容
- ePub
<著者一覧>
久保田博南 ケイ・アンド・ケイジャパン㈱
久保田 慎 東京都立産業技術大学院大学
山越憲一 NPO 法人ライフベネフィット総合研究所;金沢大学名誉教授;昭和大学
森下雅代 ㈱HIROTSU バイオサイエンス
広津崇亮 ㈱HIROTSU バイオサイエンス
根日屋英之 アンプレット通信研究所;日本大学
前田郷司 東洋紡㈱
岡部寛史 近畿大学
矢部三雄 (一社)日本木質バイオマスエネルギー協会
澤井 淳 神奈川工科大学
杉山友康 東京工科大学
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【特集】先進ヘルスケア計測機器の開発
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ヘルスケアを支える生体情報モニタリング
Hearth Care Supported by Vital Sign Monitoring
ヘルスケアを目的とした健康機器の基礎技術は,医療のための生体情報モニタが基礎になっている。近年では,これにIT 関連技術が加わり,スマホで自分の健康状態をチェックできるようになってきた。測定項目には大きな変化が見られものの,COVID-19 の蔓延により,パルスオキシメータは一般的な製品となり,第三次AI ブームによりこれらの実装もされてきた。時代の流れや環境変化を踏襲しつつヘルスケア機器も変貌してきている。
【目次】
1 はじめに
2 単能機器によるモニタリングの現況
2.1 スタートは歩数計から
2.2 体重計から体脂肪計へ
2.3 現在の代表格は脈波数モニタリング
2.4 ヘルスチェックのための心電図モニタなど
2.5 パルスオキシメータの役割が増加
2.6 血圧モニタリングへの各社の競争
2.7 日内の眼圧変動測定
2.8 最後の砦か-非侵襲グルコースセンサ開発への展望
3 複合機器を含む市場開拓の動き
4 医療機器から一般ヘルスケア機器への移行動向
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ヘルスケアモニタリング技術:最近の動向と今後の展開に向けて
Healthcare Monitoring Technology:Recent Advancements and Towards Progressive Developments
ヘルスケアに対する最近の国民意識の急速な高まりを背景に,健康モニタリング装置は小型・高利便性に向けて進化を続けている。本稿では,ヘルスケアを目的とした生理機能計測法のあり方を述べ,最近のウエアラブル及び無意識・無負担計測技術を紹介し,それらの技術を融合したカームヘルスケア・モニタリング技術を基盤とした今後の展開ついて私見を述べた。
【目次】
1 はじめに
2 生体情報とヘルスケア
3 ヘルスケアモニタリング技術:その現状と開発コンセプト
3.1 現状と課題
3.2 モニタリング技術の開発コンセプト
4 開発事例
4.1 ウエアラブルモニタリング
4.2 暮らしに溶け込む無意識・無負担モニタリング
5 おわりに:今後の展開に向けて
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尿診断によるヘルスケア
Health Care via Urine Tests
日本では,がん検診受診率の低さから,早期発見・早期治療が課題となっている。N-NOSE(Nematode-Nose,線虫の鼻)は,嗅覚の優れた線虫と尿を用いた安価で高精度,早期発見に長けた世界初一次スクリーニングがん検査である。早期発見が困難なすい臓がんの特定も成功し,犬用のN-NOSE サービスも提供開始した。N-NOSE によるヘルスケアと今後の展開について概説する。
【目次】
1 はじめに:「未病」と早期がん
2 がん検査の現状
3 非侵襲性の診断
4 がんには特有の匂いがある
5 線虫の嗅覚
5.1 線虫の嗅覚受容体と嗅覚神経
6 線虫はがんの匂いに反応する
6.1 線虫の走性行動解析
6.2 線虫はがん細胞培養液上清の匂いに反応する
6.3 がん患者の尿に対する線虫の行動
7 生物検査N?NOSEの開発と有効性
7.1 N-NOSEは早期がんも判別できる
7.2 N-NOSEと腫瘍マーカーとの比較
7.3 Multi-Cancer Early Detection(MCED)としてのN-NOSE
8 N-NOSE一次スクリーニングの実用化
9 N-NOSEのヘルスケアと有効な利用法
10 早期発見が難しいすい臓がん特定N-NOSE
10.1 すい臓がんの匂い候補受容体
10.2 がん種特定N-NOSEの実用化
11 ペット用N-NOSEの開発とサービス
12 N-NOSEの今後の展望
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人体通信技術
Bioactivity and Clinical Application of CH3-B12(mecobalamin)
人体を伝送媒体として通信を行う人体通信のウエアラブル機器への応用に注目が集まっている。また,人体通信の通信機器は,筋電位や心電情報などの生体情報センシング機器の電極や回路と構成が似ていることから,人体通信機器を用いた生体情報の取得が提案され,遠隔医療やヘルスケアヘの応用が期待されている。本稿は月刊機能材料2010 年1 月号に掲載され好評を博した。このため著者根日屋先生への再掲載をお願いし,許諾いただいた。(BIO INDUSTRY 編集部)
【目次】
1 はじめに
2 人体通信の歴史
3 人体通信の分類
3.1 利用シーンによる分類
3.2 通信方式による分類
4 電極構造
5 人体通信の規格
6 人体通信の医療応用
7 おわりに
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ウェアラブルデバイスでメンタルはどこまで読みとれるか?-COCOMI(R)を用いたウェアラブル E-Smart テキスタイルによるバイタルセンシング と ANAIM(R)による自律神経活動の表示-
How Far Can Wearable Devices Read Our Mental and Physical States?-Representation Method of Autonomic Nerve Activity Index Based on Heartbeat Information
Obtained from Wearable Devices-
ウェアラブルデバイスで測定される心拍変動から導かれる自律神経活動指数(SNI:交感神経活動指数とPNI:副交感神経活動指数の対数)をX-Y 平面に図示することで被験者のメンタル状態,肉体状態を読み取れる可能性があることを示す。本手法は,原理的には遠隔かつ実時間の数分遅れで被験者をモニタリングできる。
【目次】
1 はじめに
2 衣服型のウェアラブルデバイスによる心電信号の計測
3 自律神経活動指数の測定例
4 自律神経活動の直交座標系による表現手法 「ANAIM(R)」
5 ANAIM(R)の実測例
5.1 プロフェッショナル・女性レーシングドライバー
5.2 音楽演奏時
5.3 自動車レース
6 まとめ
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BIO ENERGY
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バイオリファイナリー(2)-動植物性油脂の石油製油所における同時精製について-
Biorefinery(2)-on Co-processing of Vegetable and Animal Fats in Petroleum Refineries-
前稿,バイオリファイナリー(1)では,バイオリファイナリーの概観を述べた。そこで,バイオエネルギーの市場化において重要と目されるドロップインバイオ燃料について,IEA Task39が提示した定義を紹介し,ドロップインバイオ燃料のなんたるかを,また酸素含有を抑える必要性について繰り返し述べてきた。というのも,バイオリファイナリーを理解する上で,個々の精製ルートから紐解くのではなく,私たちの実生活に最も近い,ドロップインバイオ燃料という切り口から話を進めるのが,手っ取り早いと思われたからである。そして脱酸素,分解・合成の技術開発の進捗にも触れ,『ブレンドの壁』の突破も遠い将来ではないことを示した。しかし,バイオ燃料が化石燃料を代替し,それが燃料供給の主流となるには,もう一つ,大きな壁が立ちふさがっていることも述べた。それは,大量で均質な原料の確保に関する壁である。しかし,この『規模と均質性の壁』を切り崩すのは,決して容易ではない。本稿では,原料として最も入手,取り扱いが容易で,従ってドロップインバイオ燃料の事業化研究が進んでいる動植物油脂を主に取り上げ,経済効率にも直結する『規模と均質性の壁』の切り崩し策として,既設の製油所を利用した取り組みについて,話を進めていきたい。その過程で,当然のことながら,もし製油所の設備を利用するとしたら,石油との同時精製は可能なのか,また製油所内の何処に投入するのが良いか,そんな疑問が浮かんで来るに違いない。その疑問を解くために,先ず製油所の4つの主要設備に絞って,それらの機能,役割を確認していく。果たして,一般の製油所で動植物性油脂の精製,ドロップインバイオ燃料の製造は可能なのか。各国研究者が進める2-3の研究も紹介しながら,課題を整理して行こうと思う。尚,前稿にて日本のガソリンのエタノール混合上限を5%と記載したが,3 vol%の誤りであった。また,E10対応車であれば,10 vol%の混合ガソリンの販売・給油も許されている点を,この場を借りて追記させて頂く。
【目次】
1 石油精製工程とバイオ燃料
2 バイオ燃料の脱酸素と精製
3 ドロップインバイオ燃料の製油所設備利用
4 結語
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我が国における木質バイオマスエネルギー利用の状況
Situation of Woody Bioenergy Utilization in Japan
2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けて,再生可能エネルギーである木質バイオマス利用を推進していくことが重要。これは,地域資源の有効利用にも資するもの。しかし,これまでは,技術的ノウハウの欠如,ボイラー規制などから施設導入は限定的。令和3年度の規制緩和,昨年度のマニュアル本の作成など導入条件が整いつつあることから,今後は積極的な導入支援策を講じていく段階。
【目次】
1 地球温暖化対策と木質バイオマス利用
2 森林の木質資源量と二酸化炭素の吸収
3 木質バイオマス熱利用の推進に向けて
4 ボイラーの規制緩和
5 木質バイオマス熱利用の可能性
6 木質バイオマス利用に対する支援策
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BIO REVIEW
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天然無機材料を利用した食品の保存およびバイオフィルムの制御
Food Preservation and Biofilm Control using Natural Inorganic Materials
貝殻焼成粉末は,細菌,真菌,耐熱性芽胞,ウイルスに対して優れた抗微生物活性を発揮する天然無機材料である。本稿では貝殻焼成粉末処理による食品保存に関する国内外の研究事例から,その有用性を示す。さらに食中毒や感染症の一因であるバイオフィルムへの貝殻焼成粉末処理の殺菌・除菌効果,および新たに開発したホタテ貝殻焼成ナノ粒子を含有した透明な抗菌塗料について概説する。
【目次】
1 はじめに
2 貝殻焼成粉末処理による食品の保存
3 バイオフィルム(BF)に対する貝殻焼成粉末処理の効果
4 貝殻焼成ナノ粉末を含む透明な抗菌塗料1
5 おわりに
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位相差顕微鏡画像を用いてがん幹細胞を高精度に識別する生成系人工知能の開発
Development of an Artificial Intelligence for the Identification of Cancer Stem Cell Using Phase Contrast Microscope Image
がん幹細胞はがんの維持や転移に関わる。そこでがん診断および治療の新しい標的としての期待が高まっており,人工知能(AI)を用いた画像解析技術の発展が目覚ましい。筆者らはAIをがん幹細胞の識別に応用し,熟練者の識別能力に迫るAIの作成を検討してきた。本稿では普通に深層学習したAIと比較して,識別精度が数倍高いAIの開発を紹介する。
【目次】
1 はじめに
2 画像を普通に学習したAI
3 AIが得意な画像とそうでない画像
4 AIが得意な画像を学習したAI
5 おわりに